ヌルいSNS批判とオチ!映画ザ ・サークルのラストが意味する問題提起が今更過ぎてイタい!

こんにちは、ぽんぽです。最近は映画「ブリングリング」を改めて鑑賞して以来、久々に「エマ・ワトソン」ブームが個人的に到来しております。そんな中、彼女とトム・ハンクスが共演するサスペンス映画が公開とな!エマ・ワトソンとトム・ハンクスの共演って珍し過ぎて映画の内容とか既にどうでも良くなるレベルで楽しみw。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

「ザ ・サークル 50点(感想ネタバレ)」

予告編

作品情報

2017年劇場公開 アメリカ
ジャンル:サスペンス
監督&脚本 ジェームズ・ポンソルト
原作 デイヴ・エガーズ
出演者 エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン他

あらすじ

超巨大SNS企業「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢され、、。(映画comより抜粋)

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トム・ハンクスはちょい役?小型カメラ「シーチェンジ」の怖さ!

巨大SNS企業サークルのCEOベイリーは社員達を前に高らかにそして自慢げに新たなテクノロジー構想をぶち上げるのですが、それがヤバいw。小型カメラ「シーチェンジ」なる物を世界中のありとあらゆる場所に取り付けられ、映像をSNS上でシェアし人々の繋がりをより強くするって構想なんですが、イヤ、普通に駄目でしょ、それ!と一人ツッコミ!

序盤のこのシーンだけでサークルって企業とCEOベイリーに対して既に不信感ありまくりな、自分w。しかもこの小型カメラ「シーチェンジ」は映像だけでなく位置情報や個人情報も読み取りシェアしちゃう、トンデモ機能付きで怖い怖いw。「シーチェンジにより全てを見られる事は良い事だが全てを知れるのはもっと良い事だ」と得意げに抜かすCEOベイリーの持論がヤバくて笑えますw。

「見て映像をシェアするだけじゃ足らない、個人の情報全てをシェアしようぜ!」って事ですねw。

こんな感じでプライバシーの侵害や個人情報保護を全く意に介さないCEOベイリーのヤバい持論を拍手で肯定するサークル社員達。この社員達のリテラシーの低さに口アングリw。トラブルの匂いしかしない「シーチェンジ」をプレゼンするベイリー役はトム・ハンクス。しかし本作ではこのベイリーって人物は重要キャラなのですが出番は少な目なんですよね。
映画ポスターだとトム・ハンクスとエマ・ワトソンの二人がガッツリ写ってるので、2人の演技合戦がたっぷり楽しめるのかと思いきや、実はトム・ハンクスはチョイ役なので2人の共演シーン自体、少ないのが残念です。

そのせいか本作は主演エマ・ワトソンが主演で、ちょい役がトム・ハンクスなので大企業を経営するベイリーの内面は余り描かれず、なのがイマイチでした。
トム・ハンクスがちょい役なの残念!

そりゃそうなるだろ!的なトラブルに巻き込まれるメイ役エマ・ワトソン!

保険会社の電話対応から一流SNS企業サークルの社員へと華麗に転職を果たしたメイ。彼女は憧れの大企業で働ける事を誇りに思い、激ヤバ小型カメラ「シーチェンジ」の試験運用として自分自身の生活を実験台にする事に。

メイちゃん、一流企業で働けるのが嬉しいのは分かるけど、「シーチェンジ」付けたまま生活するのは流石に危険だよ〜と声をかけたくなる展開w。

そんで案の定、トラブル続出ですw。「シーチェンジ」付けたままだからメイの視界が世界中の人に共有され、メイが両親のSEX現場を目撃しようものなら、その映像が世界中に拡散されてしまう大惨事っぷり。SEX現場を目撃された上に世界中に拡散されてしまうメイの両親のメンタルはもうズタズタ(笑)。更には「シーチェンジ」による監視を拒否した親友は追い込まれて死んでしまうし。

正にそりゃ、そうなるだろ!的なトラブルに巻き込まれるメイちゃんなんですが、彼女について感じるのはとても一流SNS企業の社員とは思えないSNSリテラシーの低さです。今時、10代のインスタグラマーやYouTuberでさえ不特定多数の人間と自分の個人情報を共有するのが危険なのは分かる筈。でもメイは26歳なのにその考えが無いんですよね。あまつさえ、

「シーチェンジにより全てを見て全てを知る事は基本的な人権。シェアしない事は悪い事」

と言うトンデモ発想をサークルの会議でのたまう事態に。
個人情報保護や選択の自由といった基本的な権利を理解出来ないメイが会議で自信満々に話す姿が、お馬鹿丸出しで爆笑レベルw。

でも自分としては情報リテラシー低め女子メイは結構好きなんです。メイの転職サクセスストーリーは楽しいですし。ただ問題はメイ役のエマ・ワトソンが役に合ってない所なんですよね。エマ・ワトソンって女優さんは知性と思慮深さを秘めた目や気品あるビジュアルが魅力だと思うんですが、明らかにメイよりも女優エマ・ワトソンの方が頭良いしSNSリテラシーも高いんですよね。これは彼女の出演作品「ブリングリング」の時にも感じた事なんですが、

エマ・ワトソンってお馬鹿で考えの浅い女子を演じるの苦手でしょっ!

って事なんです。
女優エマ・ワトソンって、どう見たって馬鹿に見えないし愚かにも見えないw。だから本作でも、自業自得なトラブルに巻き込まれるメイを観ていてもエマ・ワトソンが頑張って馬鹿な女子メイを演じている様にしか見えない始末。残念ながらエマ・ワトソンっていう女優のイメージが良過ぎる為に、役のイメージを阻害してしまう現象が発生しております。
まぁ、それだけ女優エマ・ワトソンがクリーンで聡明な印象の大スターだって事なんですけどねw。
SNSリテラシー低め女子メイが合ってないエマ・ワトソン

ヌルいSNS批判とラストだけど欧米型やりがい搾取とGAFA批判は痛烈!

本作は小型カメラ「シーチェンジ」なる架空のテクノロジーで「SNS時代に個人情報を共有する危険性」を問題提起してるのですが今更過ぎるんですよね。既に小型カメラ「シーチェンジ」は無くともスマホを世界中の人が所有し、更にはTwitterやFacebookにインスタ、YouTubeで個人情報をシェアしてる情勢ですし、それにより世界中でトラブルが起こってるのは子供でも知ってる周知の事実なんです。
だから本作で問題提起される前から世界中の人が個人情報の共有の危険性には気付いてるし、既に世界中の人がそれなりに注意しながらSNSを使ってる只今。だからこそ今更!なんですよね。

わざわざ映画にしなくてもそれ位分かってるわ!状態w

小型カメラ「シーチェンジ」自体、新しい概念や価値観は感じないテクノロジーでスマホとどう違うの?レベル。時代を先取りしてない微妙な小型カメラ「シーチェンジ」で誰もが既に知っている様なヌルいSNS批判で問題提起してくるのがちょっとイタイw。

さて、今更過ぎる事をまるで時代を先取りしている様に描く、ヌルくてイタイ所が目に付く本作ですが、幾つか「やるじゃん!」と思える良い点もあるんです。

一つ目は欧米型のやりがい搾取とも言える働き方へ言及している点です。
劇中、SNS企業サークル社員でアニーって管理職系の女性が出てくるんですが、色々と考えさせられる存在でして。最初はバリバリ仕事する分かりやすい位に大企業のデキる女性って感じなんですが、小型カメラ「シーチェンジ」による監視と共有の社風に疲れ会社を辞めて田舎へドロップアウトしちゃうんですよね。しかも辞めた理由として察するに小型カメラ「シーチェンジ」によるシェアに嫌気がさしたって言うよりも、オーバーワークが原因として描かれてるんです。高収入でバリバリ仕事をこなして満足度も高いであろう筈のアニーなんですが、無茶苦茶忙しそうで明らかにオーバーワークなんですよね。その背景にはポジティブさや高収入を謳うエグい成果主義が見え隠れしてたり。彼女が疲弊してしまったのは、そんな大企業の欧米型やりがい搾取が原因だと言及していて、そこが新鮮です。
現実でもよくありますよね、欧米ビジネスマンのポジティブで仕事を楽しんでるよ!って雰囲気に「本当かよ」「高収入だけど、結局お前らポジティブにこき使われてるだけじゃね」と日本人なら思う事w。そんな欧米型のポジティブで明るいやりがい搾取を本作で批判してるって事はなる程、欧米人もそこには気付いてたのねっていうのが面白いんです。

二つ目は本作が真っ向からGAFA批判をブチかましている点です。
SNS企業サークルの膨大なユーザーアカウント数や広大な会社敷地内に公園があったりする福利厚生行き届いてそうな社風、、あれ?これ似てるなと。サークルの膨大なユーザーアカウント数を持つ所はFacebookに似てるし、広大な会社の敷地内の公園とか、Googleの敷地内に似てるんですよね。それに政府に絶大な影響力がある所も含めて、サークルのモデルがGAFAなのは明らか!Google、Amazon、Facebook、Appleって言う実在する企業を匂わしまくりながらSNSの危険性を訴えるのが、これまた風刺が効いてて面白いんです。

ラストでもSNSへの問題提起を意味する痛烈な言葉が炸裂します。
小型カメラ「シーチェンジ」とサークルの理念のヤバさに気付いた主人公メイはサークル社員達の前で経営陣のCEOベイリー達に

「そんなに個人情報共有をユーザーに勧めるならお前ら経営陣も自分の個人情報を晒してユーザーと共有しろや!出来るもんならな!」と痛烈な一言(誇張気味w)

偉そうに個人情報保護とプライバシーの権利を侵害しまくってる経営陣が、メイの一言に面食らう場面は結構、痛快なんですよね。そして、それは同時に実在するGAFAの経営陣への痛烈な批判でもあり、この真っ向からGAFA批判する姿勢、好きですw。

ただねぇ、このシーン観て「痛快なラストで良いじゃん」と思ってたんですが、その後のオチとなるメイの言葉にガッカリしちゃう事に。

「サークルを変えなければならない。上手くいけば世界の手本となれるかも」

ってメイの言葉なんですが、この言葉をSNS情報リテラシー低め親友死なせた女子メイちゃんに言われると納得いかないw。トラブルの元凶であるお前が言うな!とも思うし、欧米のSNS大企業の傲慢さを感じて少しムカつくんですw。GAFA批判しつつもSNSで情報共有する事の良い可能性にも触れている、まぁバランスの取れたラストでありオチ。
でもなぁ、SNSのメリットとデメリットに言及するラストとオチを見せられても、観てる側はそんな事分かってるわ!状態。何度も言いますが今更過ぎてガッカリなんですw。

こんな今更過ぎるバランス取れた批判する位なら、もっと「GAFA滅びろ!」位の極端な批判を内包した極端な映画が観たかったなぁと思う、ヌルくて弱いラストとオチでした。

総評

聡明な女優エマ・ワトソンが頑張ってSNSリテラシー低め女子を演じてまっせって感じですw。
それとサークル経営陣の人間ドラマがもっと観たかったし、トム・ハンクスがちょい役なのは残念でしたね。

今更過ぎるヌルいSNS批判はあれど、真っ向からGAFA批判を展開している点は面白いです。
自分としては女優エマ・ワトソンがSNSトラブルに巻き込まれて、アワアワ言ってる姿をたっぷり観られるのが普通に嬉しかったりしてw。

本作はSNSを扱ったサスペンス映画としては凡作ですが、エマ・ワトソン好きなら問題無く楽しめるかと思います。

製作秘話

  • 主演エマ・ワトソンは本作に出演した経緯について「脚本を読んでからストーリーとテーマが頭を離れなかった。新しい作品に取り組む時にそうなるのは私にとって、とても良い兆候なの。」と出演の決め手になった理由を語っている。
  • サークル創業者タイ役ジョン・ボイエガとの共演について、エマ・ワトソンは「ジョンにはカリスマ性があるの。創業者を演じるのはピッタリで面白くて魅力的な演技だったわ」と語っている。
  • トム・ハンクスとに共演についてエマ・ワトソンは「彼の様な素晴らしい人と共演出来るのは夢の様だった」と語っている。
  • トム・ハンクスは主演エマ・ワトソンについて「彼女は映画製作を驚く程、熟知している。幼い頃からハリーポッターに出演していたから映画製作の複雑さを理解しているんだろうね。それに役を生きる事の大切さを理解していて演じる時の集中力が素晴らしい」と絶賛。
  • ジェームズ・ポンソルト監督についてはエマ・ワトソンやトム・ハンクス曰く「ギリギリの所まで俳優に自由に演技させてくれる、素晴らしい監督」との事。
  • タイ役ジョン・ボイエガは主演エマ・ワトソンについて「優しくて聡明でクールな人。撮影現場でお互いに黙ったまま話さなくても彼女となら気まずくならないんだ。そんな人、中々いないよ」と語っている。
  • トム・ハンクスが本作に出演した経緯についてジェームズ・ポンソルト監督は「製作スタッフからトムの起用を打診された時に僕自身、子供の頃からトムのファンだったので起用を決めた」と語っている。
  • 主演にエマ・ワトソンを起用して経緯についてジェームズ・ポンソルト監督は「エマは元々、大好きな俳優の一人なんだ。ハリーポッターシリーズも全部観た位にね。それに本作では若者達への生きる指針を示したかったので、その案内役にはエマがピッタリだったので起用したんだ。」と語っている。

ザ ・サークルのオススメ度は?面白いのか?

オススメ度   50点

個人的に超好き❗️

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オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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