陽気なオバちゃんが豹変する恐怖!映画マーサイコパスの狂気の地下室でオクタヴィア・スペンサー怪演披露

こんにちは、ぽんぽです。今年は劇場未公開作品多いですね。どれも面白そうなヤツばかりなのになぁ。最近観た「ドントレットゴー過去からの叫び」とか無茶苦茶、面白かったですし。良作スリラー「ゲットアウト」の製作陣が関わっている本作も劇場未公開作品だけど、面白そうなオーラはバリ感じます。ええーい、観ちゃえ!という訳で鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

「マー サイコパスの狂気の地下室 60点(感想ネタバレ)」

予告編

作品情報

2019年制作 アメリカ(日本劇場未公開)
ジャンル:サイコホラー
監督 テイト・テイラー
製作総指揮 オクタヴィア・スペンサー他
出演者 オクタヴィア・スペンサー、ジュリエット・ルイス、ダイアナ・シルヴァーズ、ルーク・エバンス、マッケイリー・ミラー、ミッシー・パイル、コーリー・フォーゲルマニス

あらすじ

オハイオ州のとある街で孤独な生活を送る女性スー・アン。ある日彼女は地元の高校生から、未成年である自分の代わりに酒を買ってきて欲しいと頼まれる。それがきっかけでスー・アンは自宅の地下室を高校生たちのパーティの場として提供するようになるが、、。(映画comより抜粋)

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ハメを外す若者を大目に見てくれる陽気なオバちゃん「マー」の豹変ぶりが怖い!

オハイオ州に引っ越してきた高校生マギーは早速、地元の高校生達と友達になり年頃の若者らしく「俺ら未成年だけど関係ねぇし!酒飲んでパーティーしようぜ」的なノリに。でも彼らは未成年なので酒が買えない、、ホラー映画にしては、そこん所しっかりしてますなw。そこで偶然通りかかった太った陽気なオバちゃんに酒の買い出しを代わりに頼む事になるんです。若者が買い出しを頼んだオバチャンの名前はスー・アン。未成年の飲酒を咎めつつも「しょうがないわね。内緒よ」と渋々、頼みを聞いてあげるスー・アン。若者のバカなお願いも快く引き受けてくれる優しいオバちゃんって、近所に時々いますよね。それは日本もアメリカも一緒かw。

これを機にマギー達はスー・アンを慕って通称「マー」と呼ぶ様になります。

しかし、ここら辺から陽気なオバちゃん「マー」に不気味さを感じる様になるんです。何故ならマーは若者達に親切過ぎるんです。高校生のマギー達は未成年ながら飲酒パーティーを計画するんですが、何とマーは「私の家の地下室を使っていいわよ」と提案。これは余りにも親切過ぎるのではなかろうか?。
ホラー映画の鉄則その1、、親切過ぎる大人は要注意!大体ヤバイ奴ってルール、ありませんでしたっけ(笑)。最初は話の分かるオバちゃん「マー」を慕っていたマギー達ですが、しつこく「今度はいつ私の家でパーティーやるの?」と聞いてくるマギーのヤバさに段々と気付いてくるんですよね。マギー達みたいな未成年と飲酒パーティーを一緒に楽しむ40代のオバちゃんの薄気味悪さ、、これぞホラーです。マーの事を避ける様になったマギー達。そんなマギー達に対してマーの怒りが爆発。そこからはマーの奇行っぷりオンパレードです。マギー達のSNSをチェックし居場所や連絡先、家族構成まで調べて無理矢理、連絡してくるヤバみ。教えた事のない連絡先にマーからメッセージ動画、着信!「今度はいつパーティーやるの?フゥ〜」とハジけた40代オバちゃんからの突然のダイレクトメッセージの動画、、こ、怖いw。若者達と率先して遊びたがる、グイグイ積極的なオバチャン、、怖いゾ(2回目w)。これですよ、これ。ハメを外す若者を大目に見てくれる陽気なオバちゃんが豹変する恐怖、ワクワクしか感じない展開ですよ!

オクタヴィア・スペンサー怪演!イジメで受けた心の傷が大人になっても癒えない女!

通称「マー」こと、スー・アン。激ヤバ40代オバちゃんの奇行の原因は回想シーンで明らかになります。何とスー・アンは高校時代に性的イジメを経験していたんです。その性的イジメってのが、胸糞悪くなる酷さ。アメリカ人高校生らのお馬鹿でクズな、犯罪レベルのイジメ、、トラウマになるでしょう、そりゃ。しかもイジメに関わっていたのがスー・アンの同級生だったマギー達の親なんです。マギーの母エリカはイジメ黙認、恋人アンディの父ベンはイジメ主犯格、愛人メルセデスも主犯格。要するにスー・アンの中に煮えたぎってるのはマギー達の親への復讐心だと言う事が判明してくるんです。おまけに自分をいじめた奴らの子供であるマギー達も標的になってます。そこは逆恨みしまくりなんですがw。更に言うとスー・アンの奇行の原因は意外にも復讐心だけではないんですよね。彼女はイジメにより楽しい高校生活を送れなかった事を後悔してるんです。そして自分とは違い楽しい高校生活を送るマギー達に嫉妬と羨望、執着心をむっちゃ持ってるんですよね。だからこそ、一緒にパーティーをやりたがるっていう、ね。叶わなかった楽しい高校生活を取り戻したい執念を抱きながらマギー達に近付いたって事か、、うーむ、悲しい位にイタイ理由w。要するに40代の通称「マー」こと、スー・アンはイジメで受けた心の傷が大人になっても癒えない女なんです。これ、めっちゃ分かります、自分。高校生って、もう大人なのでその時に受けたイジメや浴びせられた嫌な言葉とかは30〜40代になっても、しっかり覚えてるんですよね。ぶっちゃけ、自分も高校時代の嫌な奴とか、大人になった今でも嫌いなままですしw。

本レビューでスー・アンの事を散々、「激ヤバ」とか「イタイ」オバちゃんと評してますが、実を言うとスー・アン、大好きです。彼女の心の中のグツグツした感情の全てに共感しまくりでして。自分も学生時代にはトラウマ級の嫌な事が多々あったので、もう既に心の中にはスー・アンに似た歪んだ感情がゴリゴリに存在しているんです。なので映画タイトル「マーサイコパスの狂気の地下室」とある様に彼女の事をサイコパスとか、狂気と呼ぶのは忍びない(笑)。自分も彼女側の人間なのでw。

そんなスー・アンを演じる主演オクタヴィア・スペンサーも怪演披露しております。因みにオクタヴィアの逝っちゃってる目が好きです(失礼w)。序盤の陽気なオバちゃんモードのスー・アンとか、優しそうなんだけど目が逝っちゃっててヤバい感じとか大好きなんです。勿論、演技力もグッド。復讐心と高校時代への羨望を秘め奇行に奔る複雑な黒人女性スー・アン役が見事にハマっております。特に高校時代のトラウマがフラッシュバックし辛そうに涙する姿の痛々しさとか、心かき乱されますわ、もう。
オクタヴィア・スペンサー演じるマーが大好き過ぎる!

マーの報復が誘うリベンジホラー展開へ!

マギー達の親への復讐心とマギー達高校生への執着心。2つの歪んだ感情スイッチがダブルでON状態のマーは遂に虐殺モード全開。さてさて、ここからはマーの報復が誘うリベンジホラー展開へ!くぅ〜待ってましたよ、こんな展開を!
まずはイジメ主犯格の1人、クソビッチ女メルセデスを車で轢き殺すマー。生々しい音と共に転がるメルセデス、うむ、良い光景じゃい。
イジメをする奴は車で轢き殺す、自分もいつかやってみたいゾ(お馬鹿w)。そして日頃、自分に説教する上司を動物の檻に閉じ込め惨殺(ただの巻き添えw)、そんでもってアンディの父でありイジメ主犯格ベンをベッドに縛り付け手首をリストカットし失血死させる流れ。うむ、この手際の良さが怖い(笑)。動物病院の看護師マーは人を昏睡させる注射を使い、容易く人を仕留めていきます。
殺る気満々なマーの戦闘能力高し(笑)。

マギーら高校生チームも簡単に捕らえられ、包丁で刺されるわ、口を縫われるわ、首を吊られるわ、散々な目に遭います。イジメ主犯格のベンやメルセデスは因果応報ですがマギー達は完璧にマーの逆恨みで殺されそうになるので、かわいそうw。このリベンジホラー展開に至るまでの流れで気持ち的にはマーに感情移入しまくってる自分としては、正直このまま全員殺して終わりでもいいかな、、とか思っちゃたりなんかして。ついでにイジメ黙認してたマギーの母エリカも殺って欲しかったかも(笑)。あんだけ酷いイジメを容認する奴も個人的には大嫌いなのでww。

製作ブラムハウスが示す黒人差別への答え!

マギー達にとっては楽しい場所だったマーの家の地下室。そんな楽しい場所で絶体絶命のピンチを迎えるマギー達。そこに救世主となる存在、マーの愛娘ジーニーです。マーにより軟禁されてたジーニーはとても純粋な良い子でマギー達を母親から守ろうとするんです。マーはそんな娘の姿に逆上し燃えさかる地下室で一家心中しようとする地獄の流れ。しかし、そこはハリウッドホラー!気持ち良い展開を見せてくれます。マギーら高校生5人は満身創痍の中、捕らえられたジーニーを気合いで助け出します。命がけでジーニーを助け出しマギーら高校生5人を見て呆然としながら炎に包まれるマー、、。何とも悲しい終わり方だのう、マーさん(泣)。当時、性的イジメを受けていた高校生スー・アンを誰も助けてくれなかったんです。恐らくイジメの背景には黒人差別もあったはず。しかし、愛娘ジーニーの場合は命がけで助けてくれるマギーら高校生5人の存在がいたんですよね。マギー達の親やスー・アンの世代は黒人差別によるイジメがあったけど、マギー達の世代では黒人差別は大分マシになってるよ!って事なんですよね。因みに本作って「ブラムハウス・プロダクションズ」って所が作ってるんです。傑作ホラー「ゲットアウト」みたいな黒人差別を風刺した良作ホラーを連発している凄い製作会社なんです。そんなブラムハウスが示す黒人差別への答え、、。

それは「人種差別は次の世代が解決してくれるさ」って事。何とも真っ直ぐ過ぎるメッセージですが、本作みたいなサクッとしてサイコホラーには、これ位がちょうど良いかもしれませんね、うむ。要するにマーの娘ジーニーは希望の光!って事ですよ。

ってな訳で本作は主演オクタヴィア・スペンサーのサイコっぷりとリベンジホラー展開が楽しめる良作でした〜。特に自分の様に学生時代に悔いのある奴にとってはスー・アンのキャラクターは他人事とは思えない程、魅力的でした。

制作秘話

  • テイト監督から出演のオファーが来た時の心境について、主演オクタヴィアは「この手のホラー映画だと黒人は最初に死ぬ事が多いの。だから監督に、その映画は冒頭15分で私は死ぬ?」と質問した所、「死なないよ」との答えが返ってきたので出演を快諾したとの事。
  • テイト監督について主演オクタヴィアは「協調性のある監督で俳優の感性を信じて、のびのびと演技させてくれる」と称賛している。
  • 撮影中、ファンが近寄ってきた際、オクタヴィアは自分のファンだと思い笑顔で対応した所、その人達は共演したアンディ役の人気俳優コーリー・フォーゲルマニスのファンだった事が判明しオクタヴィアは「恥ずかしい思いをしたわ」と後に冗談交じりに語っている。
  • マギー役ダイアナ・シルヴァーズは本作が映画初出演。

マー サイコパスの狂気の地下室のオススメ度は?面白いのか?

オススメ度   60点

個人的に超好き❗️

↓レンタル&DL

↓廉価版DVD

↓廉価版Blu-ray

オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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