こんにちは、ぽんぽです。最近観た映画「ブラック・クリスマス」がイマイチで、貴重な時間を珍作ホラー映画に費やしてしまった心のダメージを回復すべく、立て続けにクリスマス映画を物色w。ラブコメなら取り敢えずハズレは無いだろう!と期待し本作を鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「ラスト・クリスマス 90点(感想ネタバレ)」
作品情報
2019年劇場公開 アメリカ ジャンル:ラブコメディ 監督 ポール・フェイグ 製作 エマ・トンプソン他 出演者 エミリア・クラーク、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ヨー、エマ・トンプソン他
あらすじ
ロンドンのクリスマスショップで働くケイト。華やかな店内で妖精エルフのコスチュームに身をまとうケイトは仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム現れる。トムはケイトが抱えるさまざまな問題を見抜き、彼女に答えを導き出してくれた。そんなトムにケイトは心をときめかせるが、2人の距離は一向に縮まることはなかった。やがてケイトはトムの真実を知ることとなるが……。(映画comより抜粋)
目次
・ワム!ジョージ・マイケルの美声響く「ラスト・クリスマス」に湧くべし!
・月9ヒロイン並みのドジっ娘ケイト役エミリア・クラークの可愛さは日本的!
・トム役ヘンリー・ゴールディングはアジア系?ラブコメ最高峰の男性キャラ!
・ミシェル・ヨー演じる雑貨店の女店主に見るロンドン移民問題への優しげな視点!
・ベンチで微笑むエミリア・クラークの姿に号泣!ヒット曲頼みじゃない脚本の良さ!
・総評
・製作秘話
・ラスト・クリスマスのオススメ度は?面白いのか?
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ワム!ジョージ・マイケルの美声響く「ラスト・クリスマス」に湧くべし!
クリスマスシーズンのロンドンでは主人公ケイトが散々な毎日を送っている中、「ラストクリスマス」が流れるオープニングがもう既に最高!ワムのヒット曲「ラストクリスマス」は耳にタコが出来る位に聴いている筈なのにこの時期になると遂々、胸躍る気分になり湧きまくりw。 本作はストーリーの重要な場面でヒット曲「ラストクリスマス」を印象的に用いる感じなのですが、それ以外にもワム!のヒット曲やジョージ・マイケルのソロ曲が挿入歌としてストーリーの盛り上げに一役買っているんですよね。 一瞬頭をよぎるのは 「ジョージ・マイケルの、あのくどい美声響きまくる映画って、やっぱりクドい映画になるんじゃ?」 って言う要らぬ心配をしていたのですが全く問題無しでした。 ジョージ・マイケルのクドい美声はそれ自体が特別感もしくはクリスマス感に溢れているので、バラードやアップテンポな曲の全てがクリスマス映画である本作の雰囲気に合ってるんですよね。主演エミリア・クラークが演じるケイトの心境にもリンクした歌詞やメロディーがむっちゃ良くて、もうジョージ・マイケルの歌声にメロメロです(死語w)
月9ヒロイン並みのドジっ娘ケイト役エミリア・クラークの可愛さは日本的!
本作のヒロインは歌手を夢見る主人公ケイト。行きずりの男と一夜のSEXしちゃうわ、友人宅に押しかけるも迷惑かけまくって追い出されるわ、雑貨店での仕事もミスばかりのドジっ娘なんですよね。 クリスマスシーズンなのに散々な目に合う主人公ケイトですが不思議と不幸に見えず可愛いw。主人公ケイトって下手すると駄作ラブコメ特有のムカつくバカ女になりそうなのに、そうはならず可愛く見えるのは主演エミリア・クラークのビジュアルと演技の賜物です。くるくる変わる表情で不貞腐れるエミリア・クラークが欧米の女優にしては意外な程に親しみやすく可愛いw。 この可愛さがむっちゃ日本的で、本作「ラストクリスマス」は邦画や月9ドラマでリメイクしても良い作品になりそうです。主人公ケイトみたいなドジっ娘なら石原さとみ、新垣結衣、長澤まさみが演じても似合うだろうなぁと妄想したりする位で。 月9ヒロイン並みの主人公ケイトのキャラ設定が日本人にはしっくり来て心地良く、女優エミリア・クラークのビジュアルと演技も可愛くて大好きですw。
トム役ヘンリー・ゴールディングはアジア系?ラブコメ最高峰の男性キャラ!
本作でヒロイン以上の魅力を放つのがトム役ヘンリー・ゴールディングです。 ヘンリー・ゴールディングはビジュアルが印象的でロンドン紳士っぽい華やかさも感じるけど顔の角度によってはアジア系にも見える不思議な魅力の顔をしてるんですよねw。トムの陽気で優しげ!人目も憚らず街中で軽快なステップを踏む姿はちょっと変わってるのに格好良い! 興味深いのはトムの職業が配達員かつボランティアスタッフという点。 90年代ラブコメにありがちな金持ちイケメンじゃ無く庶民的な職業ながらも何処か余裕があって他人にも優しいトムが素敵なんです。敢えてフルタイムの会社員にはならずアルバイト配達員という立場を選ぶ働き方や、余暇をボランティアスタッフとして活動する所も含め生き方がめっちゃ現代的な理想の男性像なんですよね。ネットやSNSにより便利になった事である種、お金をかけずに生活出来る様になった現代ではフルタイムで高収入を得る男性よりも、自分の時間を大切にする生き方をする男性の方が素敵で格好良いって言う、ね。 ここら辺のトムのキャラ設定の秀逸さは流石はハリウッド映画!ですな。 2019年を生きる女性にとっての理想の男性像をガッツリ捉えつつ、ラブコメ映画に於ける新たな理想の男性像を作り上げる事に大成功しとります。 そんな現代的な理想の男性であるトムはデートも庶民的。 街のイルミネーションを眺めたり、庭園を散歩したりとクリスマス映画にしてはお金がかからない庶民的なシュチュエーションばかりですが、その飾らない庶民デートに寧ろキュンキュンしてしまう自分(キモいw)。このお金をかけないデートプランの中でもケイトを楽しませる、トムの姿がスマートで格好良いったら、もう!ww。 正にラブコメ最高峰の男性キャラ、ここにあり!
ミシェル・ヨー演じる雑貨店の女店主に見るロンドン移民問題への優しげな視点!
主人公ケイトの家族自体がユーゴスラビアからの移民って設定だったり、ちょいちょいロンドンの移民問題にも触れている本作。ケイトの父親は祖国では弁護士だったのに英国のロンドンでは資格が使えずタクシー運転手をしていたり母親は移民差別に心を痛め鬱状態だったりとクリスマス映画ながらも、内包する問題はヘヴィーです。 中盤から段々気付いてくるのは主人公ケイトの恋愛を描く王道ラブコメかと思いきやそうでも無い感じだと言う事でして。恋愛要素以上にユーゴスラビアからの移民であるケイトが英国ロンドンでどう自分らしく生きていくかを描いている為、王道ラブコメの様相を呈していながらも考えさせられる内容になっております。 他にもケイトを優しく見守る雑貨店「ユールタイド」女店主をミシェル・ヨーが演じてるのも移民をテーマにしている本作の特徴ですかね。しかもミシェル・ヨー演じる女店主は初老のロンドン紳士と恋に落ちる様はハートフルに描いていて、そこは移民問題に触れつつも移民への肯定感溢れるシーンなっておりクリスマス映画らしい和やかさ。このミシェル・ヨー演じる雑貨店の女店主に見るロンドン移民問題への優しげな視点も製作陣の秀でたセンス&バランス感覚を感じる次第でグッジョブ! にしてもアクション女優として名高いミシェル・ヨーのアクション抜きの演技がめちゃ良い!ドジばかりのケイトを叱り見守る店主役ミシェル・ヨーの姿は貫禄と優しさに溢れていて存在感抜群です。
ベンチで微笑むエミリア・クラークの姿に号泣!ヒット曲頼みじゃない脚本の良さ!
スマホは持ってないし神出鬼没、人目も憚らずダンスを始めちゃう陽気なトムとの出会いを機に自分らしさを取り戻していくケイトの姿はクリスマス映画らしい心地良さで一杯!うん、この映画当たりじゃん!と思っていたらトムの正体が判明する終盤の衝撃過ぎる展開にヤラレます! ここからはネタバレ全開ですので、ご注意を! 何とトムの正体はケイトの心臓が見せる幻だったのです! 幼い頃に心臓病で死にかけたケイトは心臓移植で辛うじて生き延びる事が出来たのですが、その移植された心臓ってのはトムの心臓! トムは既に交通事故で死んでいたって真相が判明する展開の破壊力が最強過ぎて最高です。 トムは何故、スマホを持ってないのか? トムは何故、神出鬼没なのか? トムは何故、人目も憚らずダンスを踊っちゃうのか? それはトムがケイトにしか見えていない幻(幽霊?)だったから。 この瞬間に劇中のトムの言動や行動で疑問に思っていた事が全て繋がる脚本の秀逸さにノックアウトですわ、もうww。最初はワム!のヒット曲「ラストクリスマス」にあやかって製作された凡作ラブコメだと思っていましたが、決してヒット曲頼みじゃない脚本の圧倒的な良さ! そして遂にトムの正体に気付いたケイトの前に現れたトムは 「僕のハート(心臓)は元々君の物だったんだ。大切にしてくれ。」 「(辛い時は)上を見て」 と優しく語りかけ最後にはケイトの前から姿を消す展開、、号泣ですよ。トムは自分の命と引き換えに助かったケイトの人生を案じていたからこそ、彼女の前に現れたってのが泣けるったら、もう。 涙ながらに「大切にするわ」とトムに感謝を伝えるケイトの表情も、また泣ける泣けるw。トムから貰った心臓を大切にするだけではなく、トムから貰った人生そのものを大切にする事を誓い、生き方が変わっていくケイトの姿が感動的で。そんな彼女が晴れやかに歌う「ラストクリスマス」の歌唱シーンは正にクリスマス映画に相応しいハッピーオーラ全開の盛り上がりでこちらもテンションMAXですよ! そしてラストがまた、トドメだ!と言わんばかりに泣かしくるんですよ(泣)。 自分らしい生き方を見つけたケイトはトムの言葉「上を見て」を思い出しながら空を見上げ、和やかに微笑むシーンで終わり! になるんですが、何が泣けるって微笑むケイトが座っている庭園のベンチですよ!ベンチ! トムの名前を冠し寄付されたベンチなんですが、そこには「上を見て」と文字が刻まれている憎たらしい程のハートフルな演出w。 ああ!もう! トム亡き後も彼の言葉を思い出し、ベンチで微笑むケイトが可愛くて爽やかで愛しくて、またまた号泣!(号泣がしつこい奴w)。
総評
観る前はワム!ジョージ・マイケルの美声響く「ラスト・クリスマス」っていうヒット曲頼みの凡作ラブコメだと思ってたのに(失礼w) トムの意外な正体にヤラれ、彼の言葉に救われ自分らしい生き方を見つけていくケイトの姿にヤラれw。兎に角、脚本が良いのなんの。ラブコメ映画なんて腐る程作られてる筈のハリウッドから、2019年現在でも、このレベルのラブコメ映画がまだ出てくるとは。 冗談抜きでクリスマス映画としてもラブコメ映画としても超傑作です。 それにしてもベンチで微笑むエミリア・クラークの姿には号泣したなぁw。
製作秘話
- 主演エミリア・クラークの起用は早い段階で決まったが、歌唱シーン自体は予定になかったとの事。ポール・フェーグ監督曰く「撮影に入り試しにエミリアに歌唱シーンを演じて貰った時の彼女の歌声が素晴らしくて衝撃を受けたよ」と後に語っている。
- 雑貨店「ユールタイド」の女店主サンタ役にミシェル・ヨーを起用した理由についてポール・フェーグ監督は「脚本を読んで直ぐに即決したんだ。この役はミシェルが良いとね。彼女は素晴らしい役者だよ。」と語っている。
- ラストでケイトがラストクリスマスを歌うシーンでは観客席にワム!のアンドリュー・リッジリーがゲスト出演している。
- 劇中で軽やかなステップを披露するトムのモデルとなったのは往年のミュージカル俳優ジーン・ケリー。
- トムのキャラクターを作る上では「演じる俳優ヘンリー・ゴールディングの持つ本来の陽気さを取り入れた」とポール・フェーグ監督は後に語っている。
- 主演エミリア・クラークはトム役の俳優ヘンリー・ゴールディングについて「彼はオープンな役者なの。心が広くて優しくて面白いのよ」と絶賛している。
- 本作ではロンドンの名所の数々が登場するが、中でもコヴェント・ガーデンやリージェント・ストリートは通常、撮影許可がおりない場所だが、特別に撮影が行われている。その事については「とても幸運だった」と製作・脚本のエマ・トンプソンは語っている。
- 「ロンドンという街が大好きだ」と語るポール・フェーグ監督は「無類の英国好き」として製作スタッフや俳優達の間では有名。
ラスト・クリスマスのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 90点
最高な超傑作❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作