こんにちは、ぽんぽです。クリスマスが近いけど、ほっこりする様なラブコメ映画は独り身としては観るのキツいw。となるとクリスマスを題材にしたホラーと言う、何だか狭いジャンルを自分ルールで決めて物色。そして発見したのがブラックなクリスマスの本作!今の自分にピッタリな題名だけど劇場未公開作なので面白いか不安w。少しだけハズレを覚悟しながら鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「ブラック・クリスマス 50点(感想ネタバレ)」
作品情報
2019年制作 アメリカ(日本劇場未公開) ジャンル:ホラー 監督&脚本 ソフィア・タカール 出演者 イモージェン・プーツ、アリース・シャノン、リリー・ドナヒュー、ブリタニー・オグレイディ、カレブ・エバーハード、サイモン・ミード、ケイリー・エルウィズ
あらすじ
クリスマス休暇を満喫する大学生たち。そこへ不気味な覆面を被った殺人鬼が現れ、学生たちを次々と惨殺していく。女子学生のライリー、クリス、マーティ、ジェシーの4人はおびえながらも、武器を手に取り殺人鬼と戦うことを決意する。(映画comより抜粋)
目次
・無神経なフェミニズムがホラー過ぎて主演イモージェン・プーツに同情!
・クリスマス映画らしく残酷描写はマイルド!取っ組み合いアクションは良い出来!
・珍作スラッシャー映画のラストはフェミニスト女子VS男性優位思想の男子!
・総評
・製作秘話
・ブラック・クリスマスのオススメ度は?面白いのか?
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無神経なフェミニズムがホラー過ぎて主演イモージェン・プーツに同情!
本作では初っ端から面食らうのが主人公ライリーや親友3人の特殊なキャラ設定です。 主人公ライリーは過去に男子寮で眠らされてレイプ被害にあった女子。被害については非道い暴行を受けたってよりもなし崩しの「同意無きセックスを強いられた」所がリアルです。そんなレイプ被害者ライリーはクリスマスパーティーで、自分をレイプした男子寮の学生に暴露じみた歌を披露して大学中にレイプ被害をカミングアウトする仕返しへ。この仕返しがエグくて観てて口アングリ。 更にそのカミングアウトを動画にしてばら撒く展開は強烈過ぎて理解し難い所もあるんですよね。勿論、個人的にレイプ野郎はくたばれと思うけど、法の裁きでは無く動画で晒すやり方は私刑じみてて危うい危ういw。特に動画で晒すって事はレイプ野郎も大変な目に合うけど、レイプ被害者ライリーも、その事実を大勢に知られてしまい大変な目に合う訳で。レイプ被害者がカミングアウトする事で更に被害に遭う「セカンドレイプ」ってヤツがライリーを傷付けるって、もうその展開自体がホラー過ぎです。 おまけに、ライリーのレイプ被害カミングアウトを動画で晒した馬鹿者はクリスってフェミニスト女子かつ親友。クリスは大学内の教師を女性差別野郎と断定し解雇する為に学生運動まで起こすゴリゴリのフェミニズムの持ち主なのがこれまた危うい危ういw。その危ういフェミニスト女子クリスは親友ライリーの助けになると思い、ライリーのカミングアウトを動画で晒す事を「勝手に」実行してしまうのが最悪w。 「レイプされたのに泣き寝入りは良くない」 との無神経な正義感でライリーをセカンドレイプ被害に遭わせるクリスの極端な行動は社会的に批判される事も多い過激なフェミニストそのものw。女性が虐げられる事実への批判を優先し被害者である女性自体を気付かわない、その無神経なフェミニズムに苛立ちを感じます。 お馬鹿な親友3人の余計なお節介からセカンドレイプとも呼べる仕打ちを受けた主人公ライリーを主演イモージェン・プーツが痛々しく演じております。 動画を晒した親友クリス達に「何て事してくれたのよ」と泣きながら訴えるライリー役イモージェン・プーツの演技は見事で同情しまくりです。 それと、面白いのは本作が女性監督ソフィア・タカールの手によって作られてる点です。 メインキャラの中に無神経なフェミニスト女子を据えたのは明らかにソフィア・タカール自身が男女平等を過激に訴えるフェミニズムの一部勢力への批判も含んでるんでしょうね。その上でハリウッド映画界はやはり男性優位な構造でもある訳で。女性監督としては、そりゃ不満もあるだろうなぁと察する次第ですな。 男性を排除しようとする女性の過激なフェミニズムへの批判、方や男性優位な社会構造への批判もするっていう女性監督ならではの感覚が見え隠れするメインキャラクターの描写が印象的です。 こんな感じで本作はホラー映画としての怖さとは別の意味で怖いフェミニズム溢れるメインキャラクター達に先ずは唖然としましょうw。 そして唖然としつつも無神経なフェミニスト女子を待ち受けるであろう、クリスマスの惨劇を予感して、ワクワク!(不謹慎w)
クリスマス映画らしく残酷描写はマイルド!取っ組み合いアクションは良い出来!
強烈なフェミニズム溢れる序盤に戸惑いつつも本作はホラー映画なのです(当たり前w)。 「クリスマスの夜に殺人鬼が女子大生を殺しまくる」という、シンプル且つ王道な作り。仮面に黒装束の殺人鬼にナイフで心臓ぶっ刺されるわ、弓で射殺されるわ、首切られるわの殺されっぷりが楽しいです。序盤の女子大生達に感じる無神経なフェミニズムに苛立ちを覚えていた自分としては、そんなフェミニスト女子がぶっ殺されていくのは爽快です(すいませんw)。 不満としてはクリスマス映画なので残酷描写もマイルドなクリスマス仕様な所ですかね。首切りや絞殺などもチラッと観せる程度で物足りないです。ホラー好きとしては女子大生をバラバラのグチャグチャにする殺人シーンが観たいのですがクリスマス映画ですし、無理かw。 あと意外なのは殺人鬼に抵抗するライリー達の反撃アクションがスピーディーで良い出来なんですよね。 殺人鬼との取っ組み合いの攻防がスピーディー&スタイリッシュなので緊迫感抜群。しかも車のキーを使い殺人鬼の首を狙うわ、殺人鬼の背中にナイフを突き立てるわと反撃アクションが苛烈でめっちゃ好みです。ソフィア・タカール監督は女性だけど、アクション映画とか撮っても良い物撮れそうな気がする位、燃える反撃アクションとなっとります。
珍作スラッシャー映画のラストはフェミニスト女子VS男性優位思想の男子!
殺人鬼との取っ組み合いが中盤で決着が付くという意外なストーリー展開な本作。ようやく殺人鬼を倒したと思ったら他にも大勢の仮面&黒装束の殺人鬼がいる衝撃の展開はマジで新鮮です。 大勢の殺人鬼が出没し、大学内の女子を殺しまくってるのは何故か? 予想も付かない真相を、あれやこれや考えながら観てましたが、いやぁ、此方の予想を裏切るトンデモ真相がそこに!ww 何と大勢の殺人鬼の正体は闇魔術を信仰する大学の男子学生達! 殺人の目的は「権利意識の強い女性は男性の脅威となるから殺して排除する」 、、、な、なんじゃ!そりゃ!と一瞬、頭がフリーズするトンデモ真相です! 要するに権利意識の強い女性(フェミニスト女子)は男性を脅かすから殺せ!という、男性優位思想による殺人だったとは、、。 そして終盤の殺人鬼集団の男子学生達とライリーら女子学生の大乱闘へと雪崩れ込む展開は 正に、男性優位思想の男子VSフェミニスト女子の壮絶な殺し合いに。 しかも殺人鬼集団の中にはライリーをレイプした男子学生や女性差別主義者な教師がいるので、尚更、ライリー達、フェミニスト女子はブチ切れまくりw これが意外過ぎて、凄過ぎて、突飛過ぎて、面白過ぎる!www。 男と女のジェンダー論、女性差別への怒りなど、女性の権利向上を謳うフェミニスト女子と、そこに苛立ちを感じる男供の感情が吹き荒れる殺し合いって面白過ぎるでしょ!ww そして何と!大乱闘の勝者はフェミニスト女子っていう、、ねww。燃え盛る大学で男性優位思想の男子学生達を閉じ込めて焼き殺す女子の姿は、もう何も言えない位にヤバいw。 「我々(男)が滅びればお前達(女)も滅びるぞ!」 との捨て台詞を放つ殺人鬼集団の男達に 「私達(女)は不滅よ!」 と言い放つライリーの表情は強くて逞しくて怖いww。 男との訣別を高らかに宣言するラストはフェミニスト女子の完全なる勝利宣言にww。 「あれ?おかしいな?これクリスマス映画だよね?そんでもってホラー映画だよね?」 と自問自答してしまう程の強烈なフェミニズム溢れるラストにノックアウト寸前な上に、本作を観たカップルは微妙な空気になりそうw。それ位に男女のありとあらゆる格差をぶつけ合う強烈な内容ですので。 クリスマスに軽くホラー映画でも楽しもうと思ったら珍作スラッシャー映画に出会ってしまった衝撃にメリークリスマス?!(意味不明w) 何ちゅう変わった映画じゃ!と感心しつつ本作の制作会社をみたら「ゲットアウト」「パージ」手掛けるブラムハウス・プロダクションの名が! ああ、もう、そりゃ唯のホラーじゃない訳だ、と超絶納得w。 相変わらず、ブラムハウスは一つのジャンルに括れない謎の魅力を放つ映画を連発する不思議な会社ですな。
総評
男性との訣別を高らかに宣言する強烈なフェミニズム吹き荒れる珍作スラッシャー映画! 残酷描写はマイルドで怖くないのに別の意味で怖い映画にw。 クリスマスに頭空っぽにして軽くホラー映画を楽しむつもりだったのですが裏切られましたな。しかしながら意外性は抜群なので実は最後まで、むっちゃ楽しめますw。 ラストの男性優位思想の男子VSフェミニスト女子の殺し合いは突飛過ぎて爆笑ですw。 ただし、社会に於ける男女格差を痛烈に批判した内容なのでカップルで見る場合、男女の価値観の違いから微妙に喧嘩になりそうな位の強烈さですので、ご注意を!
製作秘話
- 本作は古典カルト映画と言われる「暗闇にベルが鳴る」のリメイク。
- リメイクに至った背景としてソフィア・タカール監督曰く「オリジナル版の先進的な女性問題を捉えた作風に魅了されたの。それと今の時代に女性視点のスラッシャー映画を作る事にも意義を感じた」と語っている。
- 主演イモージェン・プーツは元々、ソフィア・タカール監督の作品のファンだった事もあり本作への出演が実現した。
- 殺人鬼の仮面は18世紀に使用された「鉄の楔」と言う仮面をモデルに製作されている。因みに仮面には「女性は発信するな」と言う歪んだ男性優位思想の意味合いが込められている。
- 劇中では、アメリカが舞台だが実際に撮影が行われたのはニュージーランド。理由は撮影当時、アメリカは夏でこの時期に雪景色が撮れる場所としてニュージーランドしか無かった為。
- 本作の制作は2019年に決まり、同年12月13日にアメリカで劇場公開が決まっていた事から製作は急ピッチで行われた。ソフィア・タカール監督は僅か9ヶ月で脚本を書き上げ、本作の撮影期間はたったの27日間だったとの事。
ブラック・クリスマスのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 50点
個人的に超好き❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作