こんにちは、ぽんぽです。最近、ある出来事がありまして。「暇だなぁ、何か面白そうな映画ないかなぁ」と思っていたら、ある映画のポスターに出会いました。「おっ、この映画の主演ジェイク・ギレンホールじゃん。いつの間に新作出たんだ?ふむふむ、アメリカンドリーマーって言うのか、ノーチェックだったな」と思い早速、本作を鑑賞。しかし、「あれ、、主演の人、ジェイクじゃないぞ、、」と。何とジェイクだと思ってた主演の人はオスカー・アイザックなる別の人だったんです。映画ポスターのオスカーの横顔、、マジでジェイクに似てるんですよ、これが。正面から見た顔はそんな似てないんですけど、横顔、激似(笑)。我ながらマヌケな出来事でした、ハイ。では本作の見所や制作秘話含め紹介していきたいと思います。
「アメリカンドリーマー理想の代償が示唆するモノとは。代償を支払うのは自分もしくは他人?」
作品情報
2015年製作 アメリカ ジャンル: ドラマ 監督&脚本&制作 J・C・チェンダー 撮影 ブラッドフォード・ヤング 出演者 オスカー・アイザック、ジェシカ・ジャステイン、デヴィッド・オイェロウォ
あらすじ
1981年、ニューヨーク。移民としてアメリカにやってきたアベルとその妻アナは、生き馬の目を抜くオイル業界で、クリーンなビジネスを信条に会社を立ち上げる。しかし、全財産を事業につぎ込んだ直後、何者かによって商売道具のオイルが強奪されるという事態が発生。立て続けに脱税疑惑、家族への脅迫といったトラブルに襲われる。悪い噂が広まったことで銀行からの融資も受けられなくなり、妻との間にも亀裂が入り始めてしまったアベルは、孤立無援の中で破産を回避するため奔走する。(映画comより抜粋)
名言連発の魅力的な経営者アベル
「飛ぶ事に恐れを抱く時こそ、飛べ」「進む事で強くなる」等、静かに相手の目をじっと見て名言を連発するアベルはむっちゃ魅力的な経営者。しかし経営者としての清廉潔白さがこの1980年代では仇となっていく様は緊迫感もあって息が苦しくなる位。
この男の行く末を見届けたい気持ちがグングン湧き上がっていく展開、個人的にどストライクなんです。
強盗が常態化したオイル業界。オイル強盗撃退の為にトラック運転手が持つ自衛手段は「銃」
劇中でラジオニュースが流れる場面が頻繁にあるんですが内容は殆ど銃犯罪絡みのニュース。1980年代って、そんなに治安が悪いのかとビビります。そんな時代のオイル業界もまぁ真っ黒。競合他社のトラックを強盗し積荷のオイルを盗むのが常態化してる激ヤバな業界。ホント、マジかよってレベル。そんな時代、強盗されまくりのオイル運搬トラックの運転手達は自衛の為、銃を所持したい。しかし経営者アベルは暴力反対の理想主義者ゆえ運転手達に銃の所持を認めない。その結果、、アベルに無断で許可証の無い違法な銃を手にし始めるトラック運転手達、、、。まぁ、もう、しょうがないっていうか当然ですわな。トラック運転してたら突然、武装強盗に襲われる時代、怖過ぎ。そりゃ銃も必要でしょうよ。っていうか、トラック運転手のジュリアン君が可哀想過ぎ、もう。
「アベルさん、頼むからジュリアン君に銃持たせてあげてよ、すんごいマシンガンかショットガンみたいな銃を」
と、、気付いたらトラック運転手組合側に立ってる自分(笑)
個人的に1980年代って、まぁまぁ最近って気がするので、そんな近代アメリカの意外な姿に結構なカルチャーショック受けました。
理想の代償を支払うのは誰か
タイトルにある「理想の代償」。この理想の代償を支払うのはアベルだと思いながら観てたんです、最初は。激ヤバなオイル業界で清廉潔白さを通す彼が代償を支払う物語なんだ、あ〜可哀想なアベルと。ですが、結局、彼は目当ての土地も手に入れ分かりやすく「金と権力」を手に入れる展開。
ん、あれ、アベル、代償払ってないゾ、、むしろ払うどころか手に入れてるゾ、、。
モヤモヤを抱えながらラストへ。そこでトラック運転手の青年ジュリアンの自殺シーンが。そのシーンを観た瞬間、「ああ、代償を払ったのは青年ジュリアンなんだ」と判明するんです。アンドリューの清廉潔白な理想。その理想を実現する為の代償はアベル自身ではなく赤の他人であり従業員のジュリアンが支払う羽目に。しかも命で。理想を実現するには犠牲が伴う。大人の嫌な理屈ですね。本作はそこに更に踏み込んだメッセージを残してます。(強者が)理想を実現するには(弱者の)犠牲が伴う。ってメッセージかと自分は受け取りました。成功者アベルはいわば強者。青年ジュリアンはいわば弱者。
「強者の成功の陰にはその成功を支え犠牲となった弱者が死屍累々と横たわってるんですよ、分かったか、このバッキャーロー」
って事かも。アメリカの格差社会に対して強烈なメッセージをブチかましてるんですよね、これって。
制作秘話
- 製作陣曰く本作の衣装は「色鮮やかで生命力溢れる服装にしたかった」との事。アベルの衣装のテーマは「ロックフェラーを目指す男性」。アナの衣装のテーマは「アメリカンドリームを追い続ける女性」
- オスカー・アイザックとジェシカ・ジャステインは撮影以前から面識がありジュリアード音楽院時代の先輩後輩の関係。因みに当時ジェシカが3年生、オスカーが1年生の時に出会ったとの事。
- J・C・チェンダー監督は革新的な映像を撮る為に「ワンシーンが絵画の様なワイドスクリーン」を目指したとの事。
- 本作の魅力的なワイドスクリーンは撮影監督の手腕による所も大きい。主演アイザック・オスカー曰く「ブラッドフォード・ヤング撮影監督は作品全体の質を高めてくれる光の魔術師」と絶賛。
総評
理想の代償を支払った人間は一体誰だったかが判明するラストでアベルへの印象が真逆になるのが最高です、これ。アベルって現実社会の著名な経営者に重ねて見ると結構面白いなと。
スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、あと孫正義とか。
彼らもアベルと似てますよね。人を魅了し動かす為に名言をよく残す感じ。まぁ、それが経営者の大事なスキルなのは重々承知ではあるんですが、、グワァー、、納得いかん(笑)本作は、そこに強烈な一石を投じてます。
「理想を口にする経営者に騙されんなよ。その理想の代償を支払う羽目になるのは結局、俺ら労働者側なんだゼィ」
との強烈なメッセージ。うーむ、ドスっと腹にくる社会派ドラマでしたなぁ。
アメリカンドリーマー理想の代償は面白いのか?オススメ度は?
オススメ度 70点
万人に勧める良作❗️
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Amazon DVD(字幕オンリーで日本語吹替は無いので、ご注意を)
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作