こんにちは、ぽんぽです。いつの間にやら、ひっそり公開された本作。話題にならず面白くないのかな?と思いながらも、ワイルドスピード俳優タイリース・ギブソンが出演する情報をキャッチ!そりゃ観なきゃ、ワイスピファミリー失格かも?との謎の使命を胸に劇場へww。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「ブラックアンドブルー 60点(感想ネタバレ)」
作品情報
2020年劇場公開 アメリカ ジャンル:アクション 監督 デオン・テイラー 出演者 ナオミ・ハリス、タイリース・ギブソン、フランク・グリロ、マイク・コルター
あらすじ
黒人というだけで理不尽な扱いを受けていた警官アリシアは、警察官が麻薬の売人を殺害する場面を目撃し口封じのために同僚の警察官から追われる身へ、、。(映画comより抜粋)
目次
・ボディーカメラが捉えた汚職警官の実態と逃走劇が楽しい!
・ブラックアンドブルーの意味は?主演ナオミ・ハリスは青痣だらけ!
・ワイスピ俳優タイリー・ギブソンの役柄がブレるのが笑える!
・ありがち汚職警官モノでも面白いのはBLACK LIVES MATTERに通ずるタイムリーさ!
・総評
・製作秘話
・ブラックアンドブルーのオススメ度は?面白いのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボディーカメラが捉えた汚職警官の実態と逃走劇が楽しい!
ニューオリンズの警官アリシアは偶然、同僚の警官マローンが麻薬密売の口封じに無抵抗の黒人ギャングを撃ち殺す場面を目撃。アリシアが付けてたボディーカメラ映像にはその汚職の実態が捉えられている事から仲間内の汚職警官マローン達から命を狙われる展開へ。しかも汚職警官マローン達は黒人殺しの罪をアリシアに着せた上にギャングを焚き付けた結果、アリシアは警察とギャング双方から追われるっていう、ね。 ハイ、もう既にこの時点で本作を大好きになってます、自分w。 舞台となるニューオリンズの治安の悪さにもウキウキです。劇中ではキングストーン地区って場所が中心となるんですが、そこの住民は警官に対して大っ嫌いオーラ全開の黒人達ばかりw。 すれ違い様に「クズ警官が!」と罵り、警官でも遠慮無く殺そうとしてくる不穏さ。 「キングストーン地区で通報があっても危険だから近付くな」と警官達の間で言われる位の激ヤバ地区が放つピリピリ感だけで、もう楽しいですw。 このピリピリした黒人達の態度は普段から横暴な振る舞いで黒人差別をブチかましてる汚職警官達への不信感が原因でもあるんですよね。うーむ、これぞアメリカ!とも言える社会問題です。 そんな訳で命を狙われるアリシアが町の住民である黒人達に助けを求めても全然助けてくれない事態が、かわいそう。まぁ一般市民である黒人達も命狙われてる警官が急に押しかけてきたら怖いし警官は無実の黒人をよく誤射するので、関わりたくないし家に入れたくもないですよね。そんな一般市民である黒人達の気持ちも察する事が出来る、やるせなさ。 警官に対して不信感が渦巻き、あわよくば警官殺しちゃえばとも思える町の雰囲気の中で逃走劇を繰り広げるアリシアがかわいそうで楽しい〜(オイっw)。 こんな感じで警官の汚職と暴力、黒人差別と言ったアメリカ社会のヘヴィーな問題を内包しつつスピーディーに展開していく逃走劇、最高に楽しいです!(楽しい3回目w)
ブラックアンドブルーの意味は?主演ナオミ・ハリスは青痣だらけ!
さて、無実を証明し汚職警官マローン達を裁く為に逃走劇を繰り広げるアリシアですが、彼女の待ち受ける困難は散々なモノです。同僚に銃を撃ち込まれ、高所から落下、カーチェイス、殴り合い、至近距離での銃撃戦と苛烈なアクションのオンパレード。 特に終盤の汚職警官VSギャングの銃撃戦にアリシアが巻き込まれる場面は盛り上がります。 銃撃戦自体は普通レベルのアクションシーンなんですけど警官に躊躇わず銃を乱射しまくるギャング達のヤバさ含め、シチュエーションに緊迫感があり燃える銃撃戦となっております。 因みにタイトル「ブラックアンドブルー」って劇中では黒人(ブラック)、警官(ブルー)とする特殊な呼び方を意味していますが正しい意味は日本語で「全身、青痣だらけ」って意味です。 何、このピッタリな映画タイトル!。 だからこそ、アリシア演じる主演ナオミ・ハリスも恐らく激しいアクションシーンを演じる上で 「全身、青痣だらけなのかな?」 と要らぬ心配してしまう位、劇中のアリシアはピンチ&アクションの連続です。 それとアリシアのキャラ設定も元陸軍のアフガニスタン帰還兵っていう戦闘能力高め女子なので最高です!この手のアクション映画に相応しい経歴の頼もしい女性警官ですし、細身なんですけど不思議と弱っちく見えないキャラなのも気に入ってます。 そんでもって本作に於いて何より素晴らしいのは主演ナオミ・ハリスの高い演技力です。 警察官の汚職と暴力蔓延るニューオリンズで人々の力になりたいという崇高な目的を持った女性警官アリシアを魅力的に演じております。劇中では「警察側か黒人側かどちらの味方なんだ?」と問われ続ける自分の立ち位置でも 「敵味方を区別するのは嫌。みんな生きる意味を探す人間よ」と真っ直ぐ答え、「警官であろうと殺人は殺人よ」と言い放ち、仲間の汚職警官にも毅然と立ち向かう姿はリスペクトに値するカッコ良さ! それだけじゃなく、ある種の弱さも見せてくれます。例えばギャングのボスに撃ち殺されそうになり鬼気迫る表情で自分の無実を訴える、アリシアの表情は死を目前にした人間の弱さと必死さに溢れていて圧巻です。スピーディーな展開の逃走劇の中でも主演ナオミ・ハリスの高い演技力のお陰で女性警官アリシアの人間性や感情がビシビシ伝わってきて凄く感情移入出来るんですよね。
ワイスピ俳優タイリー・ギブソンの役柄がブレるのが笑える!
命を狙われる女性警官アリシアを助けるのはニューオリンズの住民マイロ。演じる俳優タイリース・ギブソンは正直、「ワイルドスピード」のスタイリッシュで陽気な黒人の印象しかないw。 そんな印象のワイスピ俳優タイリース・ギブソンですが本作では、意外や意外! 珍しくマイロっていう、ムサいオッサン役を演じ見た目も、少し太った感じですかね?役柄に合ってて良い感じです。普段の大作に出演するアクションスターっぽさは鳴りを潜め、汚職警官の暴力に怯えるマイロを演じるタイリースは新鮮で楽しいです。 しかしながら、中盤〜ラストにかけて、マイロって役柄がブレる場面が散見される事態が発生しております。アリシアを助けた事で自分も命を狙われる事になり仕方なく彼女に協力するマイロなんですが、この辺から一般市民とは思えない戦闘力を発揮する謎展開がチラホラw。銃を持ったギャングをぶっ殺しちゃうし、汚職警官に関節技を仕掛け、逆に銃を奪う見事な戦いっぷりとか、 「一般市民はそんな強くないだろ!」とツッコミ入れたくなる展開w。 いつの間にやらワイルドスピード感が出てるっていうか、この一般市民マイロって役柄が時折ブレる所が笑えるんですw。 そんな笑える役柄のブレはラストでも拝めます。めでたく汚職警官達をとっ捕まえて、アリシアとマイロがお互いに感謝を述べ合うシーンでは、アリシアに「あなたは命の恩人よ」と言われ、マイロは「俺の方こそ救われたよ」とマイロはアリシアのオデコにキスするんですが、 デコチューをマイロみたいなムサいオッさんがするかな?と疑問に。 個人的にデコチューってイケてる男がするイメージなので、ここでもワイルドスピード感が出てしまい、一般市民マイロの役柄にブレがw。 最後の最後で「やっぱり、オレ様には一般市民は似合わねぇゼ」って雰囲気を醸し出、デコチューするワイスピ俳優タイリース・ギブソンが笑えます。
ありがち汚職警官モノでも面白いのはBLACK LIVES MATTERに通ずるタイムリーさ!
スピーディーな逃走劇劇のラストでは汚職警官マローンと女性警官アリシアの一騎討ちへ突入です。汚職警官vs正義感ある警官の構図はありがちな汚職警官モノ映画ですが、それでも本作は面白いんですよね。それは本作の描くテーマがめっちゃタイムリーな内容になっている事が理由と思います。 本作のオープニングでは黒人差別により警官から不当な拘束を受けるアリシアのシーン、無抵抗の黒人ギャングが汚職警官に撃ち殺されるシーン、どれもが2020年5月にアメリカで実際に起きたジョージ・フロイド窒息死事件を彷彿とさせるんです。 黒人に対する警官の暴力と殺人は現在、実際のアメリカ社会でも大問題となっている事で本作「ブラックアンドブルー」は奇しくも、内容的に滅茶苦茶、似てるテーマを扱ってるタイムリーさ。そんな偶然が重なりタイムリー感MAXな本作は現実のアメリカ社会とリンクし過ぎていて怖い位ですw。 そのせいか、終盤はアリシアやマイロも黒人差別が蔓延る警察へ怒りの言葉を浴びせるシーンが熱を帯びてきます。汚職警官に対してマイロは「お前に分かるか?俺の受けた苦しみが!」と言い放ち、アリシアも「黒人の権利は認めないクセに警官の権利は認めるのね」と痛烈な言葉の数々が炸裂! その痛烈な言葉は演じる役が発している言葉なのか? それとも「タイリース・ギブソンとナオミ・ハリスっていう、黒人俳優2人の本心の言葉なのか?」と一瞬、分からなくなる程にリアリティーある怒りの言葉が、何て言うか、心にキマす。 そして命がけの逃走劇を経てボディーカメラの映像が公開される中、とっ捕まえた汚職警官マローンの捨て台詞 「今夜、何か変わったか?何も変わっちゃいねぇ!」 と言う不穏な言葉が響きます。うーむ、警官の黒人差別や暴力と汚職問題の根深さを匂わすイヤーな言葉です。最後まで悪い奴を貫き通す汚職警官マローンの腐りっぷりも好きw。 そんな汚職警官マローンのクソ台詞に女性警官アリシアは毅然と 「そうだとしても今日がそれの始まりよ!」 と高らかに宣言する爽快さが気持ちいい! 黒人差別と警官の暴力や汚職を許さないアリシアの信念の言葉にメロメロです。 このシーンを観るだけで、現在アメリカで巻き起こる「Black Lives Matter」運動ヘ参加したくなる位、燃えるシーンです。黒人差別や警官の不当な暴力への批判を内包する本作と「Black Lives Matter」運動が呼応するタイムリーなラストが胸アツです。 もし、アリシアやマイロが実在していたら「Black Lives Matter」運動は支持してるだろうし、もしかしたらデモ運動にも参加してたりするかもなぁと思いを馳せてしまったり、なんかしてw。
総評
ありがちな汚職警官モノなのに、不思議と面白かったです!。 派手な銃撃戦含め警官の汚職の実態はフィクションかと思いきや「Black Lives Matter」運動が実際に起きているアメリカの実情が頭をよぎるとフィクションとは思えないw。現実のアメリカ社会とリンクしまくりな緊迫感ある雰囲気が好きです。 ありがちなストーリー展開とアクションなのに、アリシア役ナオミ・ハリスの演技が素晴らしくて、グイグイと引き込まれます。 それとワイスピ俳優のタイリース・ギブソンが一生懸命、一般市民マイロを演じてるんですが所々、ワイスピ的な格好良さが出てしまい役柄がブレるのが笑えて最高でした!(最後に悪口w)
製作秘話
- 序盤の警察官が黒人を撃ち殺す場面や終盤の警察官とギャングの撃ち合いを繰り広げる場面は同じ撮影場所を改装して撮影された。因みに撮影場所は元は発電所だった所を使用。
- 劇中の舞台はニューオリンズで、撮影自体も実際のニューオリンズで行われた。
- マイロ役タイリース・ギブソンは主演ナオミ・ハリスの事を「彼女は表情だけで伝えるシーンが多くあるが強さと弱さを併せ持ち真実を引き出す役者だ」と絶賛。
- 主演ナオミ・ハリスは共演したタイリース・ギブソンの事を「タイリースは凄く真面目で共演は良い経験になったわ」と語っている。
- タイリース・ギブソンはマイロ役について「今までにない役柄だ。ナオミとの共演では荒削りでぎこちない男を意識し演じた」と語っている。
- 撮影場所となったニューオリンズの町について主演ナオミ・ハリスは「人々がとても優しかった。現場の温かみが映像からも感じられるはずよ」と語っている。
ブラックアンドブルーのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 60点
個人的に超好き❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作