こんにちは、ぽんぽです。公開される度に大ヒット確実な超人気ジャンル「マーベルヒーロー」映画。そんなマーベル原作の新作映画となる本作ですが何と日本では劇場未公開となってしまった不運ぶり。いや、待てよ、マーベル映画なのに劇場未公開って事はよっぽど本国アメリカでコケたか、面白くないかのどっちかでは?と微妙な印象を持ったまま鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「ニュー・ミュータント 50点(感想ネタバレ)」
作品情報
2020年製作 アメリカ(日本劇場未公開) ジャンル:アクション 監督 ジョシュ・ブーン 脚本 ジョシュ・ブーン、クネイト・リー 製作総指揮 スタン・リー他 出演者 ブルー・ハント、ヘンリー・ザガ、メイジー・ウィリアムズ、アニア・テイラー=ジョイ、チャーリー・ヒートン、アリシー・ブラガ
あらすじ
未熟さゆえに特殊能力を制御できず、つらい過去を背負った5人の若者。極秘施設で訓練を受ける彼らの前に突如謎のモンスターが出現。恐怖で錯乱する中、さらなる危機が訪れる。(映画comより抜粋)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
意外なワンシチュエーション系ホラーだけどネタバラシの破壊力は低め!
思春期ゆえにミュータント能力を暴走させ家族や恋人を殺してしまったイリアナ、レイン、サム、ロベルトらは病院で隔離生活中。そこに同じ境遇のダニエルが引っ越してきた事から病院内では悪夢や幻覚が頻繁して発生する事に、、 まず本作が意外なのはワンシチュエーション型ホラーっぽい所です。 X-menスピンオフの位置付けでありながら超能力バトルは少なめ。基本は病院内で5人の若者ミュータントらが奇妙な出来事に遭遇するホラーっぽい物語が展開されるのです。しかも登場人物は5人の若者と謎の女医レイエスだけな上に、舞台となるのは病院内だけなので非常にこじんまりした設定でワンシチュエーション型ホラーって感じです。超能力バトルを期待した方にとっては「何これ?」状態かと思います。 更にホラー描写もイマイチなのです。 まず、5人の若者ミュータントらのトラウマをエグる悪夢や幻覚に襲われる様子がそんなに怖くないのです。この悪夢や幻覚は現実世界で実体化して襲ってくるので中々に怖いホラー描写ではあるのです。しかし、5人の若者はミュータントなので戦闘能力が高い為、危機的な状況でも「いや、コイツら強いから大丈夫でしょ」と観てて安心してしまう事態にw。 そして奇妙な悪夢や幻覚の正体が実はダニエルのミュータント能力でしたって伏線ネタバラシの破壊力も低めです。 序盤からダニエルのミュータント能力は「謎」のまま伏線として引っ張ってるので、奇妙な出来事も「ああっ、どうせ、ダニエルの能力だろうな」と予想が付いてしまうんですよね。 唯一、意外な伏線として機能してたのは隔離されてた病院が実はミュータントを殺し屋に養成する施設だった所です。 優しげな女医レイエスの元、能力を使いこなせる様になり、ゆくゆくはX-menとなる筈の5人の若者ミュータントがいた施設は何と悪い奴らの拠点だったってのが面白いんですよね。 その事実に気付かないままだったら、5人の若者はもしかしたら、X-menと戦う敵ヴィラン側だったかもしれないってのがスピンオフらしい「if」の物語として結構、楽しいんですよね。 ただし、この真相が分かったとしても衝撃を受ける程の破壊力は無いんですよねぇ。 この手のこじんまりとしたワンシチュエーション型ホラーを設定で使うなら、真相ネタバラシはかなり衝撃的な展開じゃないと観ていて満足出来ないのに、それが無いのはイマイチです。
能力戦そっちのけ女子同士のキス!ダニエルとレインの百合に萌えよ!
本作ってワンシチュエーション型ホラーとして出来はイマイチですが不思議と退屈しないんですよね。 何故なら5人の若者ミュータントらのキャラクター描写が丁寧だからです。 大人への不信感、過去のトラウマ、自身のミュータント能力を疎ましく思ったり、逆にプライドを持ってたりと5人の若者ミュータントらは等身大の若者でめっちゃ感情移入出来るんです。 例えばイリアナはブチ切れるとミュータント能力を躊躇無く人に使ってしまうヤバい女の子。しかし、そこに垣間見える可愛い小生意気さが見え隠れするので、イリアナが性悪バカ女に見えないのがキャラ描写として上手かったり。イリアナ役の女優アニア・テイラー=ジョイのビジュアルも絶妙で気の強さとあどけない可愛いさにメロメロw。 他にもサムとロベルトは不器用ながらもポツポツと身の上話をして仲良くなっていく様子が若い男同士の友情としてリアルですし。 そして何よりも個人的に気に入ってるのはダニエルとレインの恋模様です。 病院に引っ越してきたダニエルは自殺すら考える程に自身のミュータント能力に悩むのですが、そこに「もう少し生きてみよう」と優しく励ますレインが何とも魅力的なんです。レインは単に優しいのではなく、明らかに自身もミュータント能力に悩んでるからこそ、ダニエルの悩みにも親身になれるってのが泣けます。 レイン役の女優メイジー・ウィリアムズの何処か陰があるビジュアルと演技は悩みの抱える若者ミュータントとして、むっちゃリアルな姿に感じるんですよね。 このダニエルとレインのキャラ描写が丁寧なので、女子同士である2人の友情が恋愛感情に変わっていく様子も自然なんですよね。 野原でふとした瞬間に見つめ合って、ぎこちなくキスする姿は女子同士ながらも結構キュンキュンしてしまいます(死語w)。 うーむ、ミュータント能力戦そっちのけで1番燃えるシーン、いや、萌えるシーンはダニエルとレインによる百合展開のキスシーンになるとはw。 X-menスプンオフで意外な程に丁寧な描写で若者ミュータントらの青春ドラマが観れるのが楽しいです。
剣&ワープ能力が中二病過ぎるイリアナが大活躍なラストバトルの出来は普通レベル!
ワンシチュエーション型ホラーとしてイマイチ、かと思えば5人の若者ミュータントの青春ドラマは良い出来という、チグハグさにストレスが溜まります。 結局、ストレスが溜まる最大の要因は能力戦が少ない所です。 5人の若者らのミュータント能力が戦闘力高め、かつ格好良いからこそ能力戦が少ない事が残念なのです。 イリアナの青白く光る剣&ワープ能力の格好良さは中二病過ぎて大好きだし、サムの高速移動&飛行能力やロベルトの体が超高熱になる能力も、どストライクに好みな能力ですし。 唯一、レインは大好きなキャラなのですが狼に変わる獣人化は少し地味ですかね。 そして、ダニエルのミュータント能力の圧倒的な強さはチートレベルで最高ですw。人のトラウマや秘密を幻覚や悪夢で晒す凶悪な能力かつ、それが実体として具現化するのが最強です。ダニエルの心の中で思い描いた「デビルベア」なる巨大な凶暴クマを具現化する事すら可能で、もはや魔法使いの召喚獣並みw。 こいつらのミュータント能力が強いし格好良いのに中々、能力戦が観られないストレス、半端無いですw。 やっとこさ、5人の能力戦が拝めるラストバトルも出来は普通レベルです。 ダニエルのミュータント能力が暴走し巨大な凶暴クマ「デビルベア」と戦う羽目になる5人。 そこでイリアナが剣&ワープ能力でガシガシに「デビルベア」と戦うのですが、正直、戦闘シーンとしては普通レベルなんですよね。それにサムの高速移動&飛行、ロベルトの灼熱の体も活かしたシーンもほぼ無いし。レインに至っては獣人化シーンも無い。 折角、こいつらのミュータント能力は魅力的なのに、全く活かせて無い、、。 そんなラストの戦闘シーンは不満ですが盛り上がりは多少あります。 気絶したダニエルを守る為に、4人が暴走した「デビルベア」に立ち向かう姿は何だかんだで燃えます。というのも若者ミュータント5人の関係性を丁寧に描いた青春ドラマ部分の出来が良かった為、命がけでダニエルを守り、不慣れなミュータント能力で戦うイリアナ、レイン、サム、ロベルトの姿は感動的だし、ちゃんと観てて盛り上がり燃えます。 最後は凶暴クマ「デビルベア」が5人を閉じ込めてた悪の隔離病院をぶっ壊した上で暴走は鎮まり、めでたし。 自由の身となった5人は一緒に外の世界へ旅立って行く終わり方もありきたりですが、5人の仲間としての絆は充分描けている故に爽やかで好きです。何よりも、この5人の物語がもっと観たいし、こいつらがX-menになって世界を救う姿が観たくなる位に、気づいたらダニエル、レイン、イリアナ、サム、ロベルトのキャラが結構気に入ってる自分がいるんですよね。
総評
ワンシチュエーション型ホラーの要素があったり、かと思えばミュータント能力戦が少なめだったりと「X-men」らしくない本作はそのチグハグさが微妙な珍作となっております。 しかしながら、若者ミュータント5人の交流を描いた青春ドラマ部分が丁寧で特にダニエルとレインの女子同士の百合キスシーンは萌えましたw。 この5人の物語はもっと観たいので続編希望です。 いずれ、X-menメンバーに参加してくれいないかなぁ〜と思ったり。
製作秘話
- 本作の原作コミック「ニューミュータント」はファンの間ではX-menのホラー版と言われている。
- 監督ジョシュ・ブーンはマーベルコミックの大ファン。
- 夢、幻想、幻覚を描く本作はジョシュ・ブーン監督曰く、「抽象的で奇妙な映画になった。特にスティーヴン・キング作品からは多大な影響を受けているよ」と語っている。
- イリアナ役のアニャ・テイラー=ジョイは役作りの為、原作コミックを全巻購入したとの事。
- ミュータントの若者5人を演じたキャスト陣は仲が良く、撮影がない日の前日にはワインを飲みながら徹夜で語り合う程に打ち解けたとの事。
- ジョシュ・ブーン監督曰く、5人のキャスト陣の中でも特に素晴らしかったのはレイン役メイジー・ウィリアムズとの事。他の4人はオーディションで起用が決まったが、メイジーだけは脚本が出来る前段階から監督よりレイン役を直々にオファーされていた。メイジー曰く「製作の前段階で役のオファーが来るのは珍しいので驚いたわ」と語っている。
ニュー・ミュータントのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 50点
個人的に超好き❗️
↓U-NEXTで「ニュー・ミュータント」視聴可能です
本ページの情報は2021年4月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作