こんにちは、ぽんぽです。ヘレン・ミレン主演の作品を観るのは「アイインザスカイ」以来ですしマッケランおじいちゃんに関してはXmenシリーズのどれか?で観て以来です。要するにお2人の演技を楽しむのは超久しぶりな感じ。むっちゃ期待して観るってよりかは2人の老齢で味のある演技をボケッと楽しもうかなと。そんな気楽な感じで鑑賞へ。本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「グッドライアー偽りのゲーム 70点(感想ネタバレ)」
作品情報
2020年劇場公開 アメリカ ジャンル:サスペンス 監督 ビル・コンドン 製作総指揮 リチャード・ブレナー他 原作 ニコラス・サール 出演者 ヘレン・ミレン、イアン・マッケラン、ラッセル・トベイ、ジム・カーター
あらすじ
出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くしてまもない資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。(映画comより抜粋)
目次
・マッケラン演じる老人詐欺師がクズ!
・知性溢れるミレンは騙せない!
・グッドライアーを意味するのは誰?エグい騙し合いの結末!
・製作秘話
・グッドライアー偽りのゲームのオススメ度は?面白いのか?
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マッケラン演じる老人詐欺師がクズ!
見た目は英国紳士な老人ロイの実態は詐欺師。このマッケラン演じる老人詐欺師がクズ過ぎるんです!彼が詐欺の標的にする未亡人の資産家ベティは老女なんです。彼女はいわゆる人生の終わりをどう迎えるか、日本でいう所の終活中なんですよね。残り少ない人生を心許せるパートナーと穏やかに過ごしたいベティは人生最後のパートナー探しをしている最中な訳でして。そんないたいけな老女から資産を掠め取ろうとする、詐欺じじいロイの人間性クズ過ぎます。ヨボヨボのじじいが自分よりも馬鹿で弱そうな老女をカモにするって構図ですからねぇ、、世の中は血も涙も無いのかい!と思ってしまいますね。しかも、このロイってじじい、英国紳士風なので詐欺の計画もスタイリッシュで人を殺めない美学みたいな物を持ってのかなぁと思ってたんですが、そんなのは全く無し。詐欺がバレそうになったら人を殺すし、思い通りにいかない奴は拷問するわの、根っからの犯罪者。子悪党がそのまま、じじいになった感じのしょうもない奴です。そんな子悪党じじいは資産家ベティの金に目が眩んで必死に彼女に取り入ろうとするんです。あの手、この手の口八丁と甘い言葉で彼女に近付こうとし、資産を奪いとうとする姿が醜くて憎たらしくて(笑)。自分、おばあちゃん子だったので老女ベティが騙されそうなる場面を観ると、気が気じゃ無い気持ちにw。 直ぐに映画の中のベティへ駆けつけて「ベティおばあちゃん、このじじい詐欺師だから気をつけて!」と助言したくなる感情が込み上がってくる位、ハラハラしちゃいます。「この詐欺じじいめ!」とぶん殴ってやりたい衝動に駆られる、じいちゃんを好演しております、イアン・マッケラン。マッケランはxmenマグニート役で知ったのですが、自分としては「ロードオブザリング」の魔法使いガンダルフの印象が強いんですよね。非常に高い道徳心を持つガンダルフっていう賢人を演じてたマッケランが、こんなクズじいちゃんを演じるとは。このイメージのギャップが堪らなく新鮮で楽しいのです。
知性溢れるミレンは騙せない!
詐欺師のクズじいちゃんに標的にされるお金持ちのエレガント老女ベティ。いたいけな老女かと思いきや、こちらの予想を裏切る、衝撃の正体が判明するんです。ベティは何と数十年前、ロイにレイプされ家族を崩壊させられた被害者リリーだったのです。ベティは偽名だったのですね。ロイが詐欺目的でベティに近付いた筈がそれは全て彼女の罠。実は復讐の為に彼女の方がロイに近づいて罠に嵌めてたってオチが炸裂します。中々の破壊力を持つ真相にシビレまくりです。数十年間、秘めた復讐心を胸に真相をロイに打ち明けるベティの表情の怖さったら、もう。残酷なゴア描写はないのですが、演じるエレン・ミレンの放つ不穏な空気はリベンジホラーに等しいヤバイ雰囲気。「あんたの魂胆は全部分かってるのよ!じじい!」と内心思いつつも静かで凄みのある口調で真相をブチかますベティが最高です。あたふたとしながら、この後に及んで嘘をつきまくるロイの姿も滑稽で観てる此方も気分スッキリw。 ただ不満な点もあるんですよね。実を言うとベティが真相を打ち明ける少し前から観ていて「この資産家の老女ベティ、、只者じゃないな」って気がしてたんです。何故かと言うと中盤以降になるとベティがロイの嘘に騙される姿に違和感を感じるんですよね。その違和感ってベティ役ヘレン・ミレンのエレガントな美貌が原因かと思うんです。彼女の圧倒的な優雅さと知性を感じる美貌を観てると、この女性が「ロイみたいクズじいちゃんに騙されるのか?」と擬問に思えて来るっていうか。特に彼女の美貌から滲み出る知性せいで真相を明かす場面より少し前に察しがついちゃうんです。「あっこのベティ、ロイの嘘に気付いてるじゃん」と。ここはサスペンスドラマとしては不満です。真相が明かされる前に視聴者が気づいちゃうってパターンは萎えます、マジで。ただねぇ、これは脚本が悪いのではなく、ヘレン・ミレン美貌が悪い(笑)。うむ、こんだけ優雅で知性溢れるミレンは騙せない!wヘレン・ミレンって大好きな女優さんなんだけど演じられる役柄は狭そう。この優雅さと美貌で普通の人とか演じられんでしょうよ、みたいなw。そう言えば以前見たヘレン・ミレン主演映画「アイインザスカイ 世界一安全な戦争」。そこで軍人を演じた時も優雅さが邪魔して軍人に見えないし軍服がコスプレ状態っだったしなぁ(笑)。
グッドライアーを意味するのは誰?エグい騙し合いの結末!
老いて尚、ハリウッドの第一線で活躍する伝説級の英国俳優マッケランとミレン。この2人が共演するだけで、よっしゃ観ようと思い、前情報を入れず鑑賞に至った本作。最初はイギリス出身の2人がユーモア溢れる恋愛の駆け引きをする、お洒落な物語だと思ってたんですよ。 が、しかし!蓋を開けてみたら、詐欺師じじいとエレガントおばあちゃんのエグい騙し合い合戦の物語でしたw。詐欺師ロイはベティの全財産を巻き上げ彼女の人生を破滅させようとするし、ベティは数十年秘めた復讐計画でロイを破滅させようとするし。破滅にまで追いやる方法って言うか、この徹底的に相手を叩きのめす姿勢ってイギリスってお国柄とも関係あるんですかね。勝敗を決めるまでは手を抜かない!的フェア精神?w。そんなエグい騙し合いの結末はベティの勝利となります。そりゃそっか、明らかに悪いのはクソじじい詐欺師ロイの方だもんなw。金を巻き上げる筈が逆に全て奪われた後、ボコボコにされて老人施設行きのフルコースw。見事な負けっぷりでございます、詐欺師ロイ。 そこである考えに至るんですが映画タイトルの一部分「グッドライアー」の意味についてなんですよね。因みにグッドライアーって「巧妙に嘘をつく人」を指す言葉なんです。ではグッドライアーとは誰か?。最初は巧妙に嘘をつく人って事は詐欺師じじいロイを指す言葉だと思ってたんですが、どうやら違ったみたいでして。要するに騙し合いの勝者ベティの事を指す言葉だったんだなとラストで分かるんですよね。あ〜なる程と。そしてロイをぶっ倒して復讐を遂げたベティは偽名を捨て元の名前リリーに戻り家族と平穏に暮しましたとさ、、ジ・エンド。 ラストは復讐を遂げたリリーの晴れやかだけど凄みのある微笑み、、彼女こそ正に「グッドライアー(巧妙に嘘をつく人)」。ヘレン・ミレンの優雅さと知性溢れる美貌をドアップで拝めるファンには嬉しいラストシーンが最高です。いやぁ、満足満足。極上のサスペンスとしてめっちゃ楽しめました〜。
製作秘話
- 原作小説「老いたる詐欺師」は4つの時代を通し詐欺師ロイを描く壮大な物語の為、原作の複雑なプロットを一本の映画にする過程では約2年に渡り脚本の描き直しがされた。
- 映画化に至った背景は、飛行機内でビル監督が偶然、原作小説を読んだ事がきっかけとなり映画化に至った。
- ロイ役にマッケランを起用した理由として監督曰く「ロイ役のイメージにピッタリだったので即決した」との事。更にベティ役に関してもマッケラン起用と同時に3〜4分程考えた上で「マッケランがロイ役ならベティ役はミレンしかいない」との考えに至りヘレン・ミレンの起用も即決だったとの事。
- ベティ役ヘレン・ミレンは共演したイアン・マッケランについて「私達は同じ様なキャリアを歩んで来たの。この仕事をする上で常に彼の存在を感じていたわ。彼の出演作を観ておそれ敬い嫉妬したりしてたわ」と語っている。
- イアン・マッケランは共演したヘレン・ミレンについて「まるで友人や家族と仕事をしている気分だよ」と語っている。
- 原作者ニコラス・サールは長年、英国政府の機関で働いていた経歴の持ち主。
グッドライアー偽りのゲームのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 70点
万人に勧める良作❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作