こんにちは、ぽんぽです。何となく公開中の映画を調べてたら本作の「全米ナンバー1ヒットの傑作バイオレンススリラー」との宣伝文句を見てしまい、既に観ない訳には行かない気分にw。自分にとっては監督も俳優も全員知らない人達なのですが、何てったって全米1位で傑作でバイオレンスなのでw。こりゃ面白いに決まってる!と謎に確信を持って劇場へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「グリーンルーム 30点(感想ネタバレ)」
作品情報
2017年劇場公開 アメリカ ジャンル:スリラー 監督&脚本 ジェレミー・ソルニ 出演者 アントン・イェルチン、イモージェン・プーツ、パトリック・スチュワート
あらすじ
パットがボーカルを務めるバンドは、車のガソリン代にも事欠く、売れないパンクバンド。彼らが極貧ツアーの中、ようやく出演することができたライブハウスは、なんとネオナチの根城だった。パットとバンドメンバーは、そこで殺人の現場を目撃してしまい、ネオナチ軍団から命を狙われる事態となってしまう。圧倒的に不利な状況で、グリーンルーム(英語で「楽屋」の意味)に閉じこもったパットたちは、アイデアと反骨精神を武器に極悪非道なネオナチ軍団に立ち向かう。(映画comより抜粋)
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ネオナチの怖さは日本人にピンとこない?
「バンドが訪れた酒場は恐怖のネオナチ集団の巣窟で命を狙われる」展開なのですが日本人からすると「ふーん、、」ってレベルの設定なんですよね。 欧米社会からすると「ネオナチ」ってのは現在に於いてもホロコースト(大量虐殺)を肯定する激ヤバな奴らであり、頭のおかしな奴らであるのは常識な訳です。 だからこそ、バイオレンス映画やホラー映画でもナチズムを取り入れたネオナチ野郎を殺人鬼として描く事も多く、作品の過激さをアピールする上でも手っ取り早いんでしょうね。 「どうだ!ネオナチを描いてる映画だぞ!過激で怖いぞ!」みたいな。 ネオナチって、マイナーなゾンビ映画とかでも設定でよく出てきますよねw。 本作もその手の映画なのです。 しかしですねぇ、日本人の感覚からすると、ピンとこないんですよね、「ネオナチへの恐怖」って。 そりゃ、ナチズムによるホロコースト(大量虐殺)が悪い事なのは充分承知ですし、歴史としても知ってはいますけど、それを身近な恐怖として捉えられるかというと微妙なのです。 要するにバイオレンス映画みたいなエンターテイメント作品に於ける「恐怖」を演出するスパイスとしての「ネオナチ」設定が日本人からすると全然ピンとこないし、怖くも無いのです。 欧米人からすると 「おっ、ネオナチと戦うバイオレンス映画!面白そうじゃん!」 となるんでしょうけども。 興行的に全米ナンバー1をのスマッシュヒットを記録したのも本作の設定が欧米人の好みとしてドンピシャなんだろうけど、日本人である自分には「ネオナチ」の宣伝文句はそれ程、胸踊らず、、でして。 そんな「ネオナチ」設定にこれといって楽しみを見出せなかった以上、劇中でバンドが訪れた酒場にいる謎のスキンヘッド集団が実はネオナチ野郎共でさぁ、大変と言われても、日本人である以上、寡黙で少し不気味なおっさん達にしか感じられないから「ふーん」レベルの恐怖のままなのがイマイチです。まぁ、X-menのプロフェッサーXでお馴染みの名優パトリック・スチュワートがネオナチ集団のボス役なのは新鮮ですけどね。 ただ、本作みたいにバイオレンス映画やホラー映画って、ストーリーの世界観や設定に対して特に興味が湧かない場合、基本的につまらないんですよね(極論w)
平凡なバイオレン描写!ロックバンド「エイント・ライツ」の反撃が燃えない!
ネオナチ集団の殺人現場を目撃してしまったロックバンド「エイント・ライツ」のメンバーらが自衛の為に楽屋に立て篭もる展開も普通なら盛り上がるのですが、いかんせん、この「エイント・ライツ」のメンバーらがどんなヤツなのか描き切れて無い為、感情移入出来ないんですよね。 しかも、ロックバンドやってるのに、性格がぶっ飛んだ奴がいる訳でもない普通の若者である彼らは魅力的とも言えず。 演じる主演アントン・イェルチンや女優イモーシェン・プーツも若手演技派俳優として知られる存在だけど、あまりにも地味で華が無いし。 魅力の無い地味な「エイント・ライツ」メンバーが悪戦苦闘する楽屋立て篭もりシーンは緊迫感より退屈さが勝りダレるのです。 肝心のバイオレンス描写も平凡です。 立て篭もりから反撃に転ずる「エイント・ライツ」メンバーらはショボい拳銃一丁と棒だけで、ノタノタと脱出するだけで、いよいよネオナチ集団に反撃するカタルシスは皆無です。しかも、森に囲まれ電気を消した暗いバーの中で繰り広げられる攻防戦は薄暗くて観にくいって言う、、ね(泣)。 唯一、良かったのはネオナチ集団が猟犬を使って、「エイント・ライツ」メンバーを喰い殺させるシーンですかね。 まぁ、そのシーンも薄暗くて見えにくい為、バイオレンス描写的には物足りないですけども。出来れば猟犬が人肉を引き千切るシーンは鮮明な映像でたっぷり、がっつりのどアップで観たかったです。 それにしてもバイオレンス映画なのに、バイオレンス描写が平凡(泣) 更に、ネオナチ集団へ反撃という盛り上げ展開なのに、観ていて全く燃えないってのはかなり致命的な気がします。
巷で言われる程の傑作と思えず結末すら評価は微妙!
「音楽に必要なのはリズムと攻撃性」と雑誌インタビューに答えていた「エイント・ライツ」メンバーの主人公パックはネオナチ集団を殺していく内に躊躇が無くなっていく展開となるのですが、バックの心理描写の変化が雑なのでイマイチです。 パックが終盤で急にネオナチ集団みたく髪型をスキンヘッドにするシーンは唐突です。恐らく「生き延びる為に人を殺すスイッチが入った」状態であり、インタビューで話していた「攻撃性」に目覚めたパックを演出しているのでしょうが、そこに至るまでの葛藤や決意が描かれて無いので彼が変貌する衝撃が弱いのが残念です。 そして序盤の雑誌インタビューの質問である「無人島に連れて行きたいバンドは?」に対するパックに答えを結末に持ってくる流れも意図が分からず「だから、どうした?」レベル。 巷では傑作バイオレンス映画と言われる程らしいのですが、この意味不明な結末をどう評価すれば良いのか自分には分からないのです(泣)。 「何か意味深な言葉を結末に投げかけときゃ、深いテーマ性を帯びた映画になるんじゃね?」 みたいな印象でジェレミー・ソルニ監督による賞狙いの打算が見え隠れするのは気のせいでしょうか?(超憶測w)。 傑作とは思えず結末も微妙ではありますが、パックがネオナチ集団のボスを撃ち殺すシーンで一応、バイオレンス映画の醍醐味である、「自分を殺そうとした奴へのリベンジ」展開は拝めたので良しとしましょうって感じですかね(上から目線w)
総評
この「グリーンルーム」とやら、巷では傑作バイオレンス映画と評価されているらしいのですが、正直、つまらなかったです。 そもそも日本人である自分には「ネオナチ」ネタの面白さや怖さが分からずピンとこない上にバイオレンス描写も平凡で全てが自分の好みに合わない作品でした。 楽しめたのは猟犬が人を喰い殺すシーンと悪役演じるパトリック・シチュワートを観られた所だけですかね(テキトーw) 「エイント・ライツ」の若者らも魅力的とは言えず、更に結末の「無人島に連れていくバンドは?」の答えが何にかかってくるかも意味不明でこれの何処が傑作なのか、、これで全米ナンバー1ヒットとは、、 うーむ、自分の映画リテラシー?ってヤツが低いのでしょうか? 作品の素晴らしさは感じず兎に角、つまらなかったです(2回目w)
製作秘話
- 本作のロケ地となったのはオレゴン州。ジェレミー・ソルニエ監督曰く「オレゴンの空気や雄大な空間を映画を通して感じ取って欲しい」と語っている。
- ダーシー・バンカー役パトリック・シチュワート曰く、「撮影ロケ中のオレゴンの天候は最悪だった」との事。しかしながら、「悪天候により生じた曇天や霧が本作の陰気な状況を上手く演出してくれたんだ」と後にパトリック・シチュワート自身が肯定的に語っている。
- 本作のコンセプトについてはジェレミー・ソルニエ監督自身も若い時にバンドを組んでいた経験があり、その時の思い出を色濃く反映する設定となっている。
- バンド仲間を演じたアントン・イェルチン始めとする俳優陣の演奏シーンは当初、実際には演奏しない「フェイク演奏」のまま撮影する予定だった。しかし俳優達は見事な役作りで撮影当日には全員がギターやドラムでの演奏が可能となる程に訓練を積んできた為、撮影では実際に俳優自らが演奏している。ジェレミー・ソルニエ監督曰く「彼らの役に対するひたむきさは驚くべきものだった」と俳優陣を絶賛している。
- 劇中の架空バンド「エイント・ライツ」の俳優陣はサプライズとして、本作の撮影打ち上げ時にもパーティーのトリを務め、演奏を披露したとの事。
- ダーシー役の起用はクランクイン間近まで決まらず難航したが、偶然、パトリック・シチュワートが悪役に興味を持っていた事から急遽、実現した。ハリウッドを代表する大物俳優の出演が決まった時、ジェレミー・ソルニエ監督は嬉しさの余り「まるで宝くじに当たった気分」と喜びを語っている。
- 主演アントン・イェルチンは2016年、ロサンゼルスの自宅で郵便受けと車に挟まれる事故で死亡。享年27歳の若さでこの世を去った若きスターの訃報は世界中に衝撃を与えた。本作が彼にとっての遺作となる。
グリーンルームのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 30点
何か個人的に嫌い❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作