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リンガー!替え玉選手権 90点(感想ネタバレ)

こんにちは、ぽんぽです。仕事の忙しいさがMAXな日々を過ごしとります。気分は最悪、ささくれ立ったハリネズミ状態。こういう気分の時はコメディです、コメディ。しかもラブじゃない奴。バカっぽいのが観たい。ブラックなのでも良いな。ってな訳で本作を鑑賞致しました。ではでは本作の見所や製作秘話含め紹介していきたいと思います。

「リンガー!替え玉選手権は障害者へのリスペクトを込めつつ倫理観ギリギリの笑いを突き詰めた最高のコメディー」

予告編です

作品情報

2005年製作 アメリカ

ジャンル: コメディー

監督 バリー・W・ブラウスタイン

製作 ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー

出演者 ジョニー・ノックスビル、ブライアン・コックス、キャサリン・ハイグル、ジェド・リース、ルイス・アバロス

あらすじ

平凡なデスクワークの日々を送るスティーヴ・バーカー(ジョニー・ノックスヴィル)は、ある日、意を決して上司に昇進を願い出る。しかい、予想外にも条件付きで希望が叶ってしまう。その条件とは長年管理人として働いてきたスタヴィ(ルイス・アヴァロス)をクビにすることだったが、解雇通告を聞いたスタヴィは取り乱してしまい……。(映画comより抜粋)

ブラック通り越してダーク?倫理観のギリギリを攻めた最高のコメディー

「金が欲しいから障害者の振りしてスペシャルオリンピックに出る。俺、健常者だから障害者相手なら勝てるんじゃね?」

「何ちゅう、嫌な考えをするんじゃい」とドン引きしそうな目的を果たす為に障害者を演じるスティーヴの姿は、不謹慎ながらやっぱり笑ってしまうんです。周囲に紛れこむ為、障害者っぽい変な喋り方をするスティーヴを見て、周りの障害者達が「何で、そんな変な喋り方なんだ、お前?」とツッコミを入れる所、むっちゃ笑いましたわ。あと1番笑ったのは教会のシーンです。障害者を演じて周囲を騙す罪悪感に耐えかねたスティーヴが神父に告白するんです。「俺、障害者の振りしてるんだ」と。そしてら、その告白を聞いた神父は激怒し「お前はサイテーな奴だ」ってな感じでスティーヴをボコボコにするんです。

神父がブチ切れてスティーヴをボコるシーン、最高に笑えるし、何よりも神父のブチ切れてる姿にむっちゃ共感するんですよね、これが。

「友人を助ける為とはいえ、障害者の振りすんのは、流石にアカンやろ」みたいな(笑)多分、本作で1番笑えるシーンでした。障害者をネタにした倫理観ギリギリの笑いを楽しめるコメディー映画となっとります。爆笑か、、ドン引きか、、ギリギリの線を攻めてます、これ。

物語自体が倫理観ギリギリ(出典https://youtu.be/Hkapf6coiJ8)

「この映画を批判的に思うこと自体が差別なんだ」と語るのは製作を務めたファレリー兄弟。その類稀なるバランス感覚で生み出す笑い

主人公スティーヴが「ぼ、ぼく、ジェフィー」と、いかにも障害者っぽいと言わんばかりの演技を見せる様は正直、自分も最初は批判的な思いで鑑賞してたんです。「ハリウッドコメディーには障害者が意外とよく出演しているし障害をネタにした笑いを取ることも、そりゃあるけど。オースティンパワーズとか。でもさ、流石にこれはやり過ぎじゃ、、」と結構、ドン引いてたんです。そんな自分の様な思いを抱いてる人に対して本作の製作を務めたファレリー兄弟は、しっかりとした信念を語ってるんですよね。「この映画を批判的に思うこと自体が差別なんだ」と。

その言葉にはたと気付かされます。なんて言うか、この作品の持つメッセージみたいな物に気付くんです。

「健常者をネタにしたコメディー映画は良いけど障害者をネタにしたコメディー映画はダメなのか?」

「健常者の事は笑っていいけど、障害者の事は笑っちゃいけないのか?」

「えっ、その感覚自体、差別じゃね?」

た、たしかに一理ある、って言うか、、そうかもしれない、、。目から鱗ですわ、ホント。

なんちゅう強烈な問題提起をしてくるんじゃい、ファレリー兄弟よ。

本作の強烈な問題提起に衝撃を受けながらも鑑賞していくと色々と気付かされる部分があるんですよね。確かに障害者を馬鹿にしたもしくはネタにした笑いが存在する場面があるんです。でもそこでネタにされた障害者達自身が言い返す場面ややり返す場面が沢山あるんです。要するに障害者達もバカにされっぱなしじゃいないんです、本作では。健常者側のスティーヴがバカにしてきたら、障害者側はやり返す。面白いのは障害者側もスティーヴをバカにするしネタにするし。健常者も障害者も対等に描いてるんですよね、この作品って。双方を対等に描きつつ笑いを取るっていうスンゴイ離れ技をぶちかましてるんです。製作陣、ファレリー兄弟の類稀なバランス感覚がすんばらしいです。

健常者と障害者、双方を対等に描くバランス感覚(出典https://youtu.be/Hkapf6coiJ8)

製作秘話

  • 製作のピーター・ファレリーは「本作に対しての反応はどうなるか分かってる。とんでもない!といった批判に対して言いたい事はまずは本作に対しての僕達の仕事振りを見て欲しい」と発言。
  • スペシャルオリンピックスは実在する団体。スペシャルオリンピックスのアドバイザーは本作の主役を務めるのが悪名高い「ジャッカス」で知られるジョニー・ノックスヴィルだと知り最初は頭を抱えたとの事。しかし劇中に出演する障害者達がジョニー主演を賛成した為、彼に主演が決まった。
  • ジミー役レナードやスティーブの仲間達を始めとする本作の出演者の多くは実際に障害を持つスペシャルオリンピックスの選手を起用している。監督曰く「最初は役者の起用する予定だったがスペシャルオリンピックスの選手達が芸達者だった為、そのまま出演してもらった」との事。
  • 悪役ジミーを演じるレナードは実際に学習障害を抱えている。
  • 主演ジョニー・ノックヴィルは障害を抱えたスペシャルオリンピックスの選手達との共演について「本作を観てもらえれば障害者への先入観なんて吹っ飛ぶよ。彼らは多彩な才能を持っていて本当に素晴らしいんだ」と語っている。

総評

おバカで過激なコメディーなのに作品の根底を流れるテーマはすんばらしい映画です。「障害者に対して抱く偏見と先入観」という、もんの凄い社会的課題をぶん投げてくる野心作です。これ、普通にアカデミー賞もんの出来かと。観た瞬間、「あっこれ邦画じゃ作れないだろうな」と察しが付くっていうか。

日本で作ったら公開と同時にSNS炎上、主演俳優は芸能人生絶たれて、公開中止みたいな流れになりそう(笑)

こういう映画が作れるハリウッドって、やっぱ凄いですな、うむ。

リンガー!替え玉選手権は面白いのか?オススメ度は?一言でいうと?

オススメ度   90点

最高な超傑作❗️

オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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