こんにちは、ぽんぽです。突然ですが、人生がツライと思う事多くないですか。え〜すいません、最近、ちょい病んでおりました(泣)。そんな病み気分の時は現実逃避するに限りまっせ。となれば今いる世界じゃない所へ行きたい、、うっしゃ、タイムスリップ物の映画が良いな、出来れば邦画のヤツ。という事で本作を鑑賞しました、ハイ。ではでは本作の見所や製作秘話含め紹介していきたいと思います。
「地下鉄(メトロ)に乗ってタイムスリップ!若かりし日の父の生き様は強く逞しかった」
作品情報
2006年製作 日本 ジャンル: ドラマ 監督 篠原哲雄 出演者 堤真一、岡本綾、田中混、笹野高史、北條隆博、吉行和子、常盤貴子、大沢たかお
あらすじ
営業マンの長谷部真次は、仕事帰りの地下鉄の駅で、父が倒れたとの連絡を受ける。気難しく威圧的な父とは高校卒業と同時に絶縁しており、長い間顔を合わせていなかった。地下道を歩きながら、父とケンカして家を飛び出したまま帰らぬ人となった兄を思い出す真次。そんな彼の前を、亡き兄に似た人影が横切る。後を追って地上へ出ると、そこは兄が死んだ昭和39年の東京だった……。(映画comより引用)
昭和39年、オリンピックに活気づく日本の心地良さ
冒頭のシーンから心持ってかれます。三兄弟が嬉しそうに家を飛び出し見に行くのは地下鉄駅のホーム。地下鉄駅に行くだけでワクワクしてる三兄弟。微笑ましいですな。何となく、この三兄弟は単に地下鉄駅の新鮮さだけにワクワクしてる訳じゃないんだなと感じるんですよね。この子達のワクワクの源は地下鉄駅だけじゃなくオリンピックも含む日本経済が上り調子になって行く予感だと思うんです。
子供ながらに日本の明るい未来を気付かない内に予感してるからこそワクワクしてるんだろうなぁと。
現代を生きる日本人にとっては懐かしくもあり悲しくもある場面です。正にノスタルジー、何だか泣けます。それと個人的に思うんですが自分の様にタイムスリップ物が好きなタイプって近未来を夢見るってよりも古き良き過去を見て落ち込みながら現実逃避するタイプだと思うんですよね、勝手ながら(笑)駄目なタイプってヤツ(失礼)
本作はその点もバッチリです。昭和39年の活気付く日本をしっかり感じさせてくれます。そんでもって、しっかり落ち込ませてくれますし、しっかり現実逃避させてくれます(笑)
若かりし日の父に触れ、確執から解き放たれていく真次に共感
昭和のザ ・亭主関白ともいえる傲慢な父親にわだかまりを持ったまま大人になった真次。そんな彼がタイムスリップし若かりし頃の父の姿に触れ、わだかまりが溶けていく様にホッコリです。満州出兵を経て戦後闇市での商売を始める父親。子供が生まれる事を嬉々として語る父親。苛烈な時代を逞しく生きる父親・佐吉の生き様に惹かれていく真次。観ているこっち側も真次のわだかまりが溶けていく感情にめっちゃ共感出来るんです。
気付くといつの間にやら「佐吉、生きろ、佐吉、頑張れ」とエールを送るながら鑑賞する自分がしましたよ(笑)
要するに父親が1人の男として尊敬できる存在なんだと真次が気付いていく物語なんですよね、本作って。
特にワタクシ、ええ、自分も少なからず過去に父親とは微妙なわだかまりを持ちつつな家族関係を続けていた事があるので。だからこそタイムスリップをきっかけに父親との確執から解き放たれていく真次の姿は嬉しい様な羨ましい様な不思議な気持ちで観ておりました、ハイ。
明らかになる真次とみち子の関係。ハッピーエンド一筋ではいかない終盤の意外な展開
父と子の親子関係の修復を描く泣けるタイムスリップ物として心地良く観れる良い出来なんですけど、良くも悪くもそこにアクセントを加えてくるのがみち子の存在。真次と一緒にタイムスリップするみち子。でも何となくチグハグなんですよね、彼女の存在って。真次の愛人って設定も相まって、そこだけドロリとした感触を残すっていうか。泣けるタイムスリップ物としては、ちょっと邪魔に感じてもいた彼女の存在が、、、まさか真次の異母兄妹だった、、マジかよ。
そりゃ、タイムスリップしちゃうはずだよ、彼女。小沼家って、もしやタイムスリップ家系?みたいな(笑)
まさかタイムスリップ物にゴリゴリの報われぬ悲恋をぶち込んで来るとは。悲恋エピソードぶち込んできてからの流れは急ぎ足気。報われぬ恋に終止符を打つ為に自らの命を絶つシーンはちょい情緒不足で唐突に感じるかもしれません。詰め込み過ぎたか、製作陣よ(笑)
みち子エピソードは泣けるタイムスリップ物としてに観ていた身としては結構面食らいました。
制作秘話
- 冒頭、小沼三兄弟が嬉々として向かう地下鉄駅とそこを走る車両は劇中では新中野駅の丸ノ内線だが実際は立川駅の東西線。東西線の古い車両をラッピング技術を使い丸ノ内線を走る車両に見立てた。
- 劇中の車両はラッピングを施した実際の車両とCGの車両を合成して描写されている。また昭和36年当時の駅は現在の駅と比べ内装や電線の配置も違う為、その点もCGで修正されている。
- 昭和36年の活気あるアーケード街。実際は撮影現場にある通り道を2つ、装飾しただけ。
- 監督曰く、昭和36年のアーケード街を作る上で参考にしたのが鍋屋横丁。鍋屋横丁の道の狭さや道の曲がり具合が「ファンタジック」な感じがして好きとの事。
- 地下鉄駅のエキストラは約300人
- 真次とみち子がオムライスを食べる喫茶店は実際にある店。実は2人が座る席の斜め後ろには原作者の浅田次郎がゲスト出演している。
- 監督曰く、「雨の中のキスシーンは12月に撮影した為、寒かった。ワンシーン毎にずぶ濡れになった衣装を着替えながらの撮影となった為、大変だった」との事。
総評
泣けるタイムスリップ物として期待を裏切らない嬉しい出来でした〜。サクッと泣けてサクッとノスタルジーに浸れる作品でした。ただサクッとしたタイムスリップ物だけにみち子エピソードのちょい雑な悲恋話はいらなかったかもしれません。サクッとした所にドロっとした悲恋話が入ってきた感じがイマイチでした(擬音多め)
個人的には佐吉と真次の話だけに絞って欲しかったです。
みち子エピソードは「地下鉄(メトロ)に乗って2」みたいな続編でガッツリ観たかったなぁ。
地下鉄(メトロ)に乗っては面白いのか?オススメ度は?
オススメ度 70点
万人に勧める良作❗️
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オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作