こんにちは、ぽんぽです。さて原作も知らず、前情報もほぼ知らず。それでも本作を観ようと思ったのはタイトルです。本作の「狐狼の血」ってタイトルにエグさと格好良さを勝手に感じてしまいまして、ハイ。狼、、血、、このフレーズが付いてるヤクザ映画って面白そうじゃないですかw。おまけに役所広司が主演って時点でもう劇場へ足を運ぶ事に迷い無し!です。では本作の感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

目次
「狐狼の血 90点(感想ネタバレ)」
作品情報
2018年劇場公開 日本 ジャンル:ノワール・ドラマ 監督 白石和彌 脚本 池上純哉 原作 柚月裕子 出演者 役所広司、松坂桃李、江口洋介、真木よう子、中村獅童、ピエール瀧、竹野内豊、石橋蓮司
あらすじ
昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原で地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中、加古村組関連の金融会社社員が失踪する。所轄署に配属となった新人刑事・日岡秀一は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾とともに事件の捜査にあたるが、この失踪事件を契機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していく。(映画comより抜粋)
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糞で腹パンパンな役所広司!犯罪組織「ヤクザ」の怖さとエグさMAX!
冒頭のナレーションで、2つのヤクザ組織の抗争について構成員や幹部の名前含め分かり易く説明してくれる為、抗争渦巻く不穏な呉原市の雰囲気にすんなりと没入出来るのが嬉しいです。 序盤から既に気分はヤクザ構成員か、若しくは取り締まる警察側か、、。ビシビシ感じる緊迫感は上質の「ノワール」映画だけが放つ独特の雰囲気でワクワクしっ放しです。 その抗争を止めるべく奔走する呉原東署の刑事である犬上(役所広司)と日岡(松坂桃李)なのですが、捜査対象となる2つのヤクザ組織がまぁ極悪で感じ悪くて怖い怖いw。 警察への馬鹿にした態度、一般人への恫喝、セクハラ、殺人など暴虐無人ぶりが凄まじい!久々に犯罪組織としての「ヤクザ」を目の当たりにして何だか新鮮な気持ちにw。何故なら映画、ドラマ、コミック他、あらゆるメディアで人気の題材「ヤクザ」が巷に溢れてる為、個人的には親しみすら持っていたのです。ところが今回はゴリゴリに悪くて怖い「ヤクザ」像を体現する「尾谷組」と「加古村組」の姿に驚きです。 親しみやすさは何処へやら「ヤ、ヤクザってこんなに怖かったんだ、、」と改めて裏社会を牛耳るヤクザへの怖さを実感出来るのです。 特に「加古村組」が裏切り者や邪魔者を拷問する場所として使用している養豚場は怖いしエグさMAX!の名所ですw。 衝撃なのは、抗争を止める為に捜査していた大上が養豚場で処刑される展開です。大上って、刑事なんですよ?その警察組織の人間が養豚場で刺されるわ、酒で水責めされて、腹がパンパンになるまで豚の糞を食わされて海に捨てられるとは、、。平和を守る敏腕刑事の最後が養豚場という無念さと刑事すら殺す「加古村組」はヤクザ映画史上屈指の極悪さでメロメロw。 おまけに大上を演じるのは役所広司っていう、ゴリゴリの主演俳優な訳でして。大上役の役所広司が豚の糞で腹がパンパンになり顔がボコボコの水死体で見つかる衝撃ったら半端じゃないんですよね。 普通、役所広司クラスの主演俳優が死体役になる場合って、直接的な描き方はしない筈なのに本作ではガッツリと役所広司の死体が拝める為、背筋が震えるエグさなのです。「ヤクザ」という犯罪組織への強烈な恐怖を演出する為なら、主演俳優の死体すらガッツリ映すという、白石監督の思い切りの良さに痺れます。 映画「凶悪」の時にも感じたけど、ヤクザに限らず白石監督は怖い裏社会の人間を描かせたら天下一品の腕前ですよね。 更に怖くてエグいヤクザ共ですが「ワル」ならではの「格好良いヤクザ」像もしっかり演じてる俳優陣が心憎いのですw。中でも「尾谷組」若頭を演じる江口洋介は最高に「ワル」!w。「加古村組」との抗争寸前の状態でピリピリしてる江口洋介の顔面はまぁ良い男ですw。 強面イケメンがピリついた演技をしてるのは格好良いですし、やっぱりヤクザ映画はヤクザが格好良くなきゃ意味ないですもんね、うむ。 ただ、ポン刀持って襲撃する一ノ瀬役の江口洋介の姿は一瞬、実写版映画「るろうに剣心」の斉藤一に見えてしまうのが、ちょっと笑えるかもしれませんw。いや、それでも格好良いし、怖いんでですけどねw。

新人から狡猾な刑事へ!養豚場で炸裂する松坂桃李の最凶演技にビビれ!
極悪なヤクザ共を捜査する大上と日岡は敏腕&新人刑事という組み合わせなのでヤクザ映画ながらも刑事バディ映画としても楽しめます。 大上は取調室で女を抱くわ、証拠を盗むわ、暴行するわで刑事とは思えぬ所業の数々がまぁ魅力的です。 おまけにヤクザと一緒にキャバクラまで行く始末w。 「これが、マル暴と言われる刑事なのか?ほぼヤクザと同じじゃん、、」 と破天荒過ぎる勤務態度に口アングリw。 そんな大上が魅力的なのは一見するとヤクザと親交深める悪徳刑事に見えますが、彼の中にはヤクザへの確かな怒りが存在するのが格好良いのです。「(ヤクザは)生かさず殺さず飼い殺しにするのが一番なんじゃ」という信念の元、ヤクザを情報源として利用しまくる捜査スタイルの大上はヤクザ以上に怖い警察の姿で痺れます。 もう、ホント、ワルのオーラ全開の役所広司の演技はずっと見ていたいと思える極上さなのです。 その違法捜査オンパレードの大上に反発しつつもヤクザを追い詰めていく敏腕っぷりに惹かれていく新人の日岡(松坂桃李)も負けず劣らず魅力的です。高学歴の新人刑事なので頼りなく見えるのですが、実は大上の違法捜査を告発する広島県警の内偵という、ね。 頼りない新人の顔の裏には、大上を容赦なく告発する冷たいエリート刑事の側面を見せる日岡のダークさも最高です。 それにしても新人刑事の日岡を演じる松坂桃李は意外な程に素晴らしい演技を披露してるのです。 松坂桃李って、戦隊シリーズ「シンケンジャー」レッド役のイケメン俳優枠の人って印象しか無いので、ヤクザ映画にそぐわないかと思いきや、終盤ではそんな偏見をぶち壊してくれます。 上記で記述した通り、密かに尊敬していた大上の拷問された死体を日岡が発見する展開を機に俳優「松坂桃李」の覚醒とも言える最凶演技が炸裂し、ビビります。 特に犬上が殺された養豚場で実行犯である「加古村組」の下っ端ヤクザを敵討ちとばかりに殴りまくるシーンは超必見!です。 法を重んじる真面目な新人の日岡が怒りに任せ、ヤクザを半殺しにする時の松坂桃李の「もう法律とか関係ねぇ。いいからお前は死ねよ」と怒りで目がイッちゃってる演技は正に最凶w。それが 「こ、こんな怖い最凶演技が出来るのね、桃李くん、、。よく事務所がOK出したね、桃李くん、、」 とビビって画面の語りかけてしまう自分(イタい奴w)。 そして、尊敬する大上が養豚場で殺される無念さに怒り、違法スレスレの捜査を始める日岡の姿に観てるこちら側もテンション爆上がり状態w。 日岡が新人から狡猾な刑事へと変貌していくのが無茶苦茶、燃えるのです。1人の新人が狡猾な敏腕刑事へと成長していく様子をエグく、格好良く熱く描いていて最高ですよ、もう。 ラストではヤクザの抗争が蔓延る呉原市に日岡という、新たに平和を守る敏腕刑事が生まれる瞬間は、不穏でエグいヤクザ映画ながらも、熱さと爽快感あるシーンで締めくくられ、観賞後の後味も良く好きです。
総評
ヤクザ抗争をナレーション付きで分かり易く描く「超王道ヤクザ映画」は不穏でエグくてめっちゃ好みです。 いやぁ、犯罪組織としての極悪な「ヤクザ」が堪能出来て、面白かったぁ〜 豚の糞で腹がパンパンの役所広司とか最高にエグいw。 そして養豚場でヤクザを殴りまくる日岡演じる松坂桃李の最凶演技は必見です。真面目な新人から狡猾な「ワル」い刑事へと変貌した日岡による、続編とかめっちゃ観たいんですけど、あるかなぁ、続編(切実w)
狐狼の血のオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 90点
最高な超傑作❗️
↓U-NEXTで「狐狼の血」視聴可能です

本ページの情報は2021年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作