こんにちは、ぽんぽです。何やら世間では原作と実写映画で大ヒットしてるっぽいですね、「君の膵臓をたべたい」ってヤツが。なになに?ファンの間では通称「キミスイ」って呼ばれてるんだ?ヘェー、ホゥー、そうなんだぁと思いつつスルーしていたのですが更に今回は劇場アニメが公開されるまでに。原作の実写化にアニメ化までとは。メディアミックス戦略の大旋風ですな。うーむ、そこまで面白いなら観てみようと思い、原作、実写を未見のまま鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。あ、それとですね、本作で主題歌を担当したsumikaって4人組バンドについて無茶苦茶、言いたい事が山程あるんです(笑)。その点についても触れてますのでぜひ〜。
「君の膵臓をたべたい 70点(感想ネタバレ)」
作品情報
2018年劇場公開 日本 ジャンル: アニメ 監督 牛嶋新一郎 原作 住野よる 原作イラスト loundlaw 出演者 高杉真宇、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬
あらすじ
他人に興味を示さず、いつも一人で本を読んでいる高校生の「僕」。ある日「僕」は一冊の文庫本を拾う。「共病文庫」なる、その本は天真爛漫でクラスの人気者である山内桜良が膵臓の病気を患い、残された余命がわずかであることが記されていた。(映画comより抜粋)
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「僕」役のイケメン高杉真宇の声が良い!
他人に興味が無く人と関わらず過ごしてきた文系男子の「僕」。教室では女子から根暗と陰口叩かれ、時にはその女子に胸ぐら掴まれ罵られるレベルの嫌われ具合なんですよね。自分なら登校拒否レベルですよ、この状況。そんな状況でも表情一つ変えず我関せずで小説を読みふける「僕」の姿にビビります。女子に胸ぐら掴まれたら、流石に普通はブチ切れるし、傷付くでしょうよ。それが無いって、、この「僕」って男子の強靭な自制心、リアリティなさ過ぎて珍獣レベル。おまけに偶然、クラスの同級生(桜良)の不治の病を知ってしまう事態にも動じず「へぇ〜そうなんだ」と答える場面とか口アングリ。いくら他人に興味無いからって。普通の私生活にこんな奴いたら中々にヤバイ奴でしょうな、うむww。 それと結局、というかやっぱり、女子から嫌われてるとはいえ、「僕」ってキャラはイケメン設定なんですよね。制服や私服姿でもカジュアルな佇まいがカッコいい。アニメだからですかね?そこは。 クラスの嫌われ者だけど文系なイケメン、、 こんな奴いないわい(笑)とツッコミを入れたくなるキャラ設定。 とはいえ、この「僕」って男子を全く好きになれないかと言うと、そんな事はありません。ぶっちゃけ結構好きです、「僕」。 そこな声優を務めた高杉真宇くんの声がむっちゃ良いからなんですよね。静かで暖かみのある良い声なんですよ、これが。「僕」ってキャラが単に嫌な奴にならず、あくまでも人付き合いが苦手なだけってレベルに落ち着いてるのは彼の声の存在が大きい筈です。因みに高杉真宇くんは若手のイケメン俳優で声優は初挑戦との事。初挑戦で、この演技力とは。凄いじゃん、イケメン俳優「高杉真宇」! アニメ作品に於いて本業の声優を使わず、俳優やタレントを起用するのってマイナスな面があるじゃないですか。でも今回は全く問題無しです。高杉くんの声、「僕」にハマっております。
桜良の積極性はギャルゲーの領域!
本作のヒロイン山内桜良は積極的でグイグイ来る、リア充女子。しかも「僕」の事を「君」って呼んでくるタイプ。「むむ、あれ?これって?」ええ、はい、そうなんです。名前があえて伏せられてる「僕」に対して君って呼び方で接してくる可愛い女の子、、この流れラブコメ風を通り越してギャルゲーじゃん!と察しがつくんです。一人称「僕」に積極的に話しかけてくる謎の女の子、山内桜良。彼女の言動や行動の一つ一つに見えない選択肢が提示されてる気がしてきます。ギャルゲーADVによくある、あの選択肢。選択する事でヒロインの好感度が上がるヤツww。しかも山内桜良は不治の病を抱えてる訳で。この不治の病抱えてる系女子って事はギャルゲー制作会社keyの作品っぽいぞ!なんて事を考えてしまう、元アキバ系な自分がいます(ほぼ病気w)。「僕」の文系イケメンっぷりで女性客を取り込み、更にギャルゲー領域に踏み込み、ラブコメ系な積極的女子「山内咲良」でオタク含む男性客を取り込む、、正にヒットを狙う上でも隙がない最強のカップルですな。ってな事を思いつつも、山内桜良は十分、好きになれるタイプのキャラです。「僕」を振り回す積極的な姿も嫌味なく可愛い。演じる声優Lynnさんの声も良いです。ギャルゲー的なキャラではありますが、いわゆる萌えキャラ声ではありません。あくまでも等身大の地に足ついた元気な女の子風で。しかも声優Lynnさん、むっちゃ美人な方です。「僕」役の高杉くんに、桜良役のLynnさん。声も良いし、どちらも美男美女だし。最近のアニメ界で声優を務める方々は凄いポテンシャルを持ってるなと驚く次第です、マジで。
「僕」と桜良の関係性の描写が丁寧!
こんな文系イケメンいないわい!な「僕」とギャルゲーっぽい積極性を持つ桜良。リアリティに欠ける2人ながら、関係性は魅力的です。 病により余命宣告を受けてる桜良は17歳ながらも、既に生きる意味を自分なりに見出しながら毎日を明るく過ごしてるんですよね。「生きるって誰かと心を通わせる事。関わり合っていく事。」と晴れ晴れした表情で「僕」に語る姿は何とも綺麗。そんな彼女に興味を持ち心惹かれていく「僕」の感情の起伏描写も細やかで感情移入しまくりなんです。2人で花火を観るシーンで他人に興味が無かった「僕」が「君を心配してるんだ!」と桜良を案じる言葉を真っ直ぐぶつける場面。ここに至るまでの2人の心理描写が丁寧だからこそ、グッとくるんですよね。花火の辺りから「僕」と桜良の2人が大好きになってます(笑)。だからこそ、その後の通り魔事件による予期せぬ彼女の死には「僕」同様に打ちのめされまして。原作知らない自分はグロッキー寸前です。2人の関係性を魅力的に描いていたからこそ、桜良を失う喪失感も半端ないです。クソ通り魔め、マジで許さん状態ですww。そんな桜良亡き後、「僕」はお悔やみを伝えに彼女の家族を訪れる展開へ。そこで「共病文庫」と言う彼女の闘病中の日記を目にする事になるんですよね。そこが泣ける泣ける。日記を読み終えた後、「僕」が彼女の母親に「泣いてもいいですか?」と言いながら桜良を思い一目もはばからず号泣する姿、、感動というなの暴力レベルの名場面です。
キミスイのカニバリズム信仰は泣ける!
「人に体の一部を食べてもらうと、その人の中で魂は生き続けるって信仰が外国にあるらしいよ」 焼肉デートをする「僕」と桜良が冗談交じりに話す、この会話。「ん?外国の信仰?それってもしかしてカニバリズム(人肉嗜好)文化を指してるんじゃ?」と頭をよぎる不穏さ。「もしかしてキミスイって人を喰うカニバリズム文化を推進してたりするんか?」と原作知らない自分みたいな奴は勝手に想像して1人でワクワク(馬鹿w)。「もしやキミスイって恋愛アニメに見せかけたホラーアニメ映画なのかも!」みたいな。まぁ、そんなアホな期待は叶う筈も無く(笑)。それにしても、あくまで17歳のリア充女子、桜良が口にする冗談だから笑えるけど、例えば30代女子が焼肉デートで、カニバリズム的な話ぶちカマしてきたら「イタイ娘かな?」とドン引いちゃいそう(笑)。いやぁ、映画タイトルに謎のカニバリズム信仰を感じ一瞬、鑑賞中に自分なりの考察を始めてしまいましたよww。しかしながら、そこは空前のヒット作「君の膵臓をたべたい」なので、心配ご無用です!ヤバげなカニバリズム信仰もなんのその、真っ当な泣けるドラマとなっております。 そうなのです! キミスイのカニバリズム信仰は泣けるのです!ドン引く事はございません(決めつけまくりw) 桜良が死ぬ直前「僕」が彼女にメールで送った言葉「君の膵臓をたべたい」。映画タイトルともなる、この言葉、これがまぁトンデもなく強烈な言葉で。「君の膵臓をたべたい」、、焼肉デートで2人が交わしていた会話を鑑みるに「君の体の一部である膵臓をたべる事で君になりたい」って意味なんですよね。それを「僕」が桜良に言ってる時点で、2人の関係がかけがえのない物になってるのがゴリゴリに分かるっていうか。「桜良の様に人を認め人と関わっていく、そんな生き方が自分もしたい」と僕が思ったからこそ、桜良に対して憧れとリスペクトを込めて送った言葉。それが「君の膵臓をたべたい」なんですね。いやぁ、それって相手の存在を認める最大限の褒め言葉じゃん(笑)。「好きだ」「愛してる」とは全く違う意味での破壊力を発揮する最強の殺し文句ですよ、君の膵臓をたべたいって。 原作が小説ですもんね、そりゃ回りくどくて重い、素敵な言葉を捻り出してきますわ、うむ(笑)そんでもって泣けるのが、そんな憧れとリスペクトを込めた思いを桜良自身も「僕」に対して抱いていた事が彼女の死後、分かる訳で。お互いが相手の存在に憧れとリスペクトを抱き、君の膵臓をたべたいと思っていたとは。なんちゅう、素敵な関係性なんだ、君達は、、と感涙ですよ、もう。 実は自分、こう言う現代の男女間の多様性を表す友情とか親友みたいな関係性って嫌いなんです。あくまでもリア充の男女間でしか成立しない上辺だけの関係性っぽくて。特の現実の17歳男女間では絶対、成立しないだろうと。非モテ野郎のヒネた考えで、すいません(笑) でも、「キミスイ」の世界観でそういう性別を超えた関係性を描かれると、スッと自分も受け入れられるんですよね。やっぱり、そこはフィクションのなせる技ですかね。嫌いな男女間の関係性描写も「僕」と桜良なら許せてしまうって言う矛盾。 要するに自分も本作で「キミスイ」にどハマりしちゃってるって事でした、ハイww。
RADWIMPSの二番煎じsumika主題歌!
オープニング、劇中歌、主題歌と3つのテーマ曲を担当するのが4人組バンド「sumika」。映画と音楽を融合しヒットを狙う手法は「君の名は」とRADWIMPS(略称ラッド)の布陣に似てますね。もしやラッドの二番煎じ?(失礼w)。あちらは歴史的な大ヒットになりましたし、自分も大好きです。では本作「君の膵臓をたべたい」とsumikaが上手い具合にヒットを狙える布陣かは微妙です。 まずはオープニング「ファンファーレ」。この曲は疾走感あふれるロック曲で「おっ、これから映画、始まるぞ」って盛り上げ系なんですけど、ちょっとばかし歌詞が暑苦し過ぎる気がします。特に「夜を超えて闇を抜けて迎えに行こう」って言うサビの歌詞が熱くて、一瞬ジャンプ系アニメのオープニングを観ている気分になっちゃうんですよね。ナルトとかブリーチとかのww。更にsumikaヴォーカル片岡さんの声が野太く男臭い声なので熱さが倍増する始末。歌詞と歌声が熱過ぎるゆえ、恋愛アニメ映画のオープニングには合ってないと思うんです。 お次は劇中歌「秘密」。3つのsumika曲の中では1番好きです。「僕」と桜良が抱き締め合う花火のシーンで流れる挿入歌なんですがオープニングのチグハグさとは一変、ヴォーカル片岡さんの野太く優しい歌声のバラードが、映像とバッチリ合ってます。抱き締め合うお互いの体温を通して感じる思いを歌詞にした壮大なバラード。これがまた、心地良い感動を与えてくれるんですよ。流石は本作、最大の見所!ここは外せませんよね。グッジョブ、sumika! 最後はエンディングで流れる主題歌「春夏秋冬」です。あ、これ、「はるなつあきふゆ」って読みますww。エンドロールと共に導入となるAメロが流れ始め「おお、良い感じのエンディング主題歌じゃん。」と思いながら聴いてたんですが、サビの盛り上げりと共にあれ?と思う事がありまして。 サビ歌詞「ありがとうも、さよならも此処にいるんだよ。ごめんねも会いたいよも残ったままなんだよ。嬉しいよも寂しいよも置き去りなんだよ。恋しいよも苦しいよも言えていないんだよ」 亡き桜良への思いを吐露する「僕」の姿が浮かぶ、どストレートな歌詞です。しかしながら、またまた、ここでもヴォーカル片岡さんの歌声と歌詞が暑過ぎる問題が再燃するんですよね。片岡さんの野太いザ・男!の歌声と歌詞のどストレートさは熱いったらありゃしないww。これがどうにも、文系イケメン「僕」のイメージに合ってないんですよね。君の膵臓がたべたいって言う究極的に回りくどい表現で思いを伝える「僕」が果たして、「この歌詞の様なストレートな言葉を発するだろうか?」と、ふと思ったり。そんでもって片岡さんの野太いオッサン声よりはもうちょい青年っぽい声の人にこの曲を歌って欲しい気もするんです。例えばラッドの野田洋次郎さんみたいな。って、結局それかい!(自分へツッコミw)。なんて言うか本作で劇中歌を担当したsumikaの関係性を考えると、どうしても「ラッドの二番煎じsumikaにキミスイは合わないな」って印象を持ってしまうんです。ええ、ラッドですよラッド!はいそうです、RADWIMPSのヴォーカル野田洋次郎に主題歌を歌って欲しかったなって聴いてて思ってしまいましたよ、すいません、、。sumikaにラッドの面影を重ねてしまう「君の名は」野郎です、自分。 と、まぁ冗談はさておき(笑)。マジな話、ラッドは無理でも主題歌「春夏秋冬」はsumikaの片岡さんじゃなくて「僕」役の高杉真宇くんに歌って欲しかったなとはガチで思います。イケメン俳優さんの歌唱力はイマイチかもしれません。しかし彼の声は正に「僕」をバッチリ体現している訳でして。そんな高杉くんの声で歌われる「春夏秋冬」は、、絶対sumika片岡より良い気がするんです。サビのどストレートな歌詞を「僕」として歌う高杉真宇くんの姿。それを想像して身悶えてます(笑)。要するに本作で高杉真宇くんのファンになってしまった奴の戯言です(バカw)。 それにしても兎に角、オープニングと主題歌がねぇ、自分には合わないんですよ。特に主題歌。正直、今回のアニメ映画「君の膵臓をたべたい」主題歌は微妙でした。すいません、sumikaさん、合掌w。
原作の魅力を落とし込む事に大成功!
本作ってアニメ作品として新鮮な表現は特にしていないんですよね。確かに桜並木道や花火の映像は綺麗です。しかし「僕」と桜良が福岡を旅行するシーンは止め絵に声を当てただけの少エネ作画だったりして。見所となるシーンは気合い入れて、それ以外はそこそこ。製作側の作画マンパワーの力配分を如実に感じてしまう場面が散見される出来でして。昨今の超絶クオリティを誇る他の劇場アニメ作品と比べると、本作はちょっと豪華なTVアニメってレベルなんです。まぁそれでもバッチリ面白いんですけどね。原作は未読なんですが、そんな自分の感覚でも「原作の魅力をアニメに落とし込む事に大成功してるなぁ」と感じる手堅い構成。ここは新井監督のセンスが良いって事なんでしょう、多分。普通に原作を読みたくなりました。そして何より実写版映画を無茶苦茶、観たくなりました。実写版「僕」のキャラを俳優がどう演じてるのか興味湧きまくりです。実写版はこの後、マジで観よっと(笑)原作、実写版共に未見のまま鑑賞した本作。恋愛アニメ映画として非常に楽しめましたし、「キミスイ」の魅力をしっかり感じる事が出来ました。 いやぁ、「君の膵臓をたべたい」って作品が人気なのがよく分かりました。こりゃ、ハマりますわなww。
制作秘話
- 「僕」役のオファーが来た時、高杉真宇は有名な原作のアニメ化だった事と声優初挑戦だった事が重なり、嬉しさと驚きで「あ、そうなんですか」と思わず淡白な返事をしてしまったとの事。
- 「僕」役を演じる上で高杉は「声をあてるって感じではなく、そのまま立って台詞を言う、自然体を意識し演じた」と語っている
- 桜良役のオファーが来た時、Lynn曰く「早く演じたくてしょうがない気持ちから、自宅では原作の桜良の台詞を音読していました」と語っている
- 主題歌含む、3曲を担当したsumikaのヴォーカル片岡健太は「映画の劇中歌を歌うのはバンドの夢だったので嬉しかった。その為、気合が入り過ぎて主題歌「春夏秋冬」は15回ほど書き直しました」と語っている。
- 試写会で自分達の歌う劇中歌が流れた瞬間、感動しsumikaのヴォーカル片岡は結局、映画の最初から最後まで泣いていたとの事。
- 終盤、共病文庫を桜良のナレーションで読み上げる場面は牛嶋監督曰く「文庫を読み上げる所は原作でも長文で表現されている為、アニメでは桜良が惑星を飛び回る、独自の表現方法を用いた」との事。
- アニメ「ワンパンマン」他アクションアニメにスタッフとして携わる事が多かった牛嶋新一郎は本作がアニメ初監督作品。
- 本作の制作期間は約2年。
君の膵臓をたべたい のオススメ度は?一言でいうと?
オススメ度 70点
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本ページの情報は2021年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作