ひるね姫〜知らないワタシの物語〜 50点(感想ネタバレ)

こんにちは、ぽんぽです。日本のアニメ映画を観る時に選ぶ基準の一つにオリジナル映画かどうかって結構、自分の中で重要だったりするんです。原作の人気に頼らず全くのゼロから作り上げるアニメのクオリティーってどれだけ訴求力があるんだろう?っていう興味があるんです、自分の中に。という訳で本作の鑑賞に至りました。ではでは本作の見所や製作秘話含め紹介していきたいと思います。

「ひるね姫〜知らないワタシの物語〜は夢の世界の冒険を経て修復されていく家族の物語」

予告編

作品情報

2017年製作 日本
ジャンル: アニメ
原作&脚本&監督 神山健治
出演者  高畑光希、満島真之介、江口洋介、古田新太、高橋英樹ほか

あらすじ

東京オリンピック開幕が目前に迫った夏。岡山県倉敷市・児島で、父親と2人で暮らす女子高生のココネ。いつも見る自分の夢の中に、まだ知らない両親の秘密があることを知る。(映画comより抜粋)

夢を通じて父と母の物語を知るココネ。しかし森川親子の家族のあり方は共感しずらい?

森川ココネが夢と現実を行き来しながら、両親の秘密に触れていくのは新鮮な設定なんですけど、この森川ファミリーは中々、感情移入しずらいんですよね。

父と娘の朝の会話は一見まぁ普通かなって感じの会話なんですけど、父の方があんまし喋んないんです。「ああっ寡黙な父ってキャラなんだ」と思うんですが、そこに違和感が個人的にありまして。ココネが幼い頃に亡くなった母。それ以来、父と娘2人で暮らしてきた設定なんですけど、この家族の形、、

要するに父と娘だけの暮らしをしてきた中でこの父親の寡黙キャラって成り立つんだろうか、と疑問があるんですよね。

やっぱ母親がいない分、父親はより一層、娘とのコミュニケーションは大事にしなきゃいけない訳で。となると娘と比較的よく喋る優しげな父親キャラの方がしっくりくる気が。この寡黙キャラで娘をこの歳まで育ててきた感じがあんまししないっていうか。特にココネはハキハキ喋る快活で良い子な訳で。この父親の寡黙キャラじゃ、こんな良い子に育たないんじゃないかと穿った見方しちゃうんですよね。

この父親じゃ、コミュニケーション不足で娘も反発しグレてる気がするんです(笑)

しかも近未来設定なのは分かるんですが父と娘のコミュニケーション方法がすんごいメール依存だし。おまけにココネの母方の祖父は大企業の経営者であり、今回の騒動の原因みたいな祖父で。

いちいち、この家族って感情移入出来んのです。

寡黙でコミュ力無さそうな父親の元で育ったココネはグレる事も無くハキハキ喋る子ですが良い子過ぎる気が、、

「萌え」や「燃え」を欲するアニオタの好みを躱し描かれる神山アニメ!

「攻殻機動隊SAC」や「東のエデン」などの神山アニメの特徴ってのが、多分、現代の日本社会の歪みや閉塞感を描く所かと思うんです。その志高いテーマ設定故に、観る側に大人の良識と社会人としての情報リテラシーの様な物をぶつけてくるっていうか何というか。本作でもバリバリに現代の日本社会、、ともすれば近い将来起こり得るだろう近未来の日本社会のあり方を問題提起してくれとります。現実世界のココネが住む世界はもうすぐオリンピックが開催され、

それに伴い自動車の全自動運転が実現されそうな世界となってます。、、、むむ、これってもう、5〜10年後の日本じゃん、、ってな感じの世界。

AIによる日本社会の変革を予感させるリアリティある日本でしね。そして夢の世界はバリバリの工業経済社会であるイーストポリスとハートランド城とな。夢に世界では車が溢れており常に渋滞、、うむ、行き過ぎた工場経済社会へのちょいと風刺が効いた設定の夢の世界ですね。夢の世界ではエンジンヘッドなる人が乗り込むロボットが出てくるんです。が、しかし、このロボット、特にアニオタが燃える様なロボアクションを見せてくれる訳でもなく、どちらかと言うと夢の世界イーストポリスが「工業経済社会なんだよ」って説明する為の象徴的扱いなんですよね。それがちょい残念な様な。

神山アニメってアニオタが欲する様な分かりやすい「萌え」や「燃え」はあんまし与えてくれないんですよね(笑)

そういうアニオタの欲求を上手く躱しながら作品作ってそう、何となく、、ザッツ・勝手なイメージです、すいませんww

とはいえ、夢の世界のファンタジー描写は所々ワクワクするシーンもあります。ハーツっちゅう空飛ぶバイクがでっかい橋を滑空していく場面は、夢の世界ならではの浮遊感溢れるシーンで好きです。

アニオタが好む分かり易い「燃え」や「萌え」は与えてくれないアニメ監督の神山健治さんww
ココネが乗る空飛ぶバイク「ハーツ」の滑空シーンは爽快感ありアニオタとしては、ちょっとだけ燃えるかも?

製作秘話

  • 声優として参加した江口、高畑、満島は神山監督の事を「常に一生懸命な所が抱きしめたくなる」と語っている。特に製作期間中は忙しさ故に会う度に神山監督の頰がコケていく様子を見ている為、3人とも監督の事が心配だったとの事。
  • 今回は岡山弁に台詞が多い為、アフレコ現場には方言指導のスタッフが配置された
  • 江口洋介は本作が声優初挑戦。アフレコ時は「江口さんのそのままの自然な声でお願いします」と神山監督から要望があった。
  • ココネ役の高畑は本作の主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も歌っている。
  • 江口が好きな劇中のシーンは森川親子が朝ご飯を食べる所。「ココネの作る卵焼きが食べたくなる」との事。
  • 忌野清志郎のファンである神山監督は彼のカバー曲「デイ・ドリーム・ビリーバー」を劇中で使用する意向を脚本段階で既にイメージしていた。
  • 神山監督曰く、日本テレビの奥田プロデューサーから「自分の娘に観せたい映画を作ったらどうか」と提案された事がきっかけで本作の製作に至ったとの事。

総評

森川家族のメールでやり取りする親子関係って現代っぽいといえば現代っぽいんだろうけど何か自分の好きな家族観とは合わず、感情移入出来ず。この家族に感情移入出来ないので本作の大部分について行けず仕舞いでした。これって神山流のファミリー映画だと思うんですけど、現実と夢の世界を行き来する設定に子供がついてこれるか微妙ですし。

来たるべく近未来日本社会を神山監督の感覚で楽しめる作品だったので神山アニメファンとしては素直に楽しかったです。

特に夢の世界の魔法のタブレットはネーミングがしっくりキマしたな。SNSネットワークの便利さを「魔法」というセンス、好きです。

ひるね姫〜知らないワタシの物語〜は面白いのか?オススメ度は

オススメ度   50点

個人的に超好き❗️

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本ページの情報は2021年8月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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〜ヌルい映画レビューにお付き合い下さい〜

ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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