こんにちは、ぽんぽです。友人から面白かったよと勧められた本作。最初は透明人間って題材がイマイチ自分の好みとは合わない感じがしたのです。しかし主演がケビン・ベーコンって事は彼が透明人間になるのかと思うと多少は興味も出てきて、まぁ期待せず、取り敢えず劇場へ(失礼w)。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「インビジブル 70点(感想ネタバレ)」
作品情報
2000年劇場公開 アメリカ ジャンル:ホラー 監督 ポール・バーホーベン 脚本 アンドリュー・W・マーロウ 出演者 ケビン・ベーコン、エリザベス・シュー、ジョシュ・ブローリン、キム・ディケンズ、グレッグ・グランバーグ、ジョーイ・スロトニック、メアリー・ランドル
あらすじ
天才的だが傲慢な科学者セバスチャンは、政府から最高機密プロジェクトを任されていた。目標は人間を透明にすること。ある日、セバスチャンはついに復元する方法を突き止める。そして、透明化しているゴリラで実験を試みるのだが……。(映画comより抜粋)
目次
・ケビン・ベーコンがVFX透明人間に!
・セバスチャン博士の変態的な邪悪さが魅力!
・後半はホラーアクションへ!透明人間は熱感知ゴーグルと麻酔銃で迎え撃て!
・製作秘話
・インビジブルのオススメ度は?面白いのか?
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ケビン・ベーコンがVFX透明人間に!
フランケンシュタインやドラキュラと並ぶ古典的なモンスター「透明人間」。個人的には全く興味が無いタイプのモンスターで「マスクとサングラスとコート姿の人間だけど実は全て脱ぐと透明」ってイメージしか無いw。怖いとも思わなければモンスターとも思えない微妙な存在なんですよねぇ。何で2000年となった今頃になって映像化されるんだろうと疑問に思える位に知名度はあるけど人気がないモンスター「透明人間」。 しかしながら、本作が2000年現在に改めて映像化される理由はすぐに判明します! ケビン・ベーコン演じるセバスチャン博士は「生物を透明にする」極秘プロジェクトの責任者として名声を得たいが為に、自分の体を使って人体実験を実施し透明人間へ。 そのセバスチャン博士が透明人間になるまでの過程の描写が素晴らしいんです。 最新のVFX技術による映像でセバスチャン博士の体が皮膚から筋肉そして骨へと徐々に透明になっていく様子がマジで圧巻です!この生身の体が透明になっていく映像はかなり衝撃的で多分、本作の映像は2000年代の映画による映像体験としてもかなり凄い部類に入ると思うんですよね。その衝撃的で素晴らしい映像で透明な人間が部屋を歩き回るシーンを観てると何て言うか新時代のモンスターホラー過ぎて怖いより凄いとしか思えないw。 要するに2000年となった今、改めて「透明人間」って言う古典モンスターが映像化された理由は映像技術の進歩により「透明人間」をより魅力的に描けるようになったからって事なんですよね。やっぱハリウッド映画の技術革新は半端じゃないなw。 それと透明になった人間なりの悩みが色々と描かれているのも新鮮で楽しいんですよね。 例えば、セバスチャン博士は目のまぶたすら透明になってしまうので目を閉じても光が遮られず苦労するからサングラスをする羽目になったり。研究室の仲間に姿が見えるように透明となった体の上からマスクや服を着るのとか。古典的なモンスター透明人間が何故、サングラス&マスク、コート姿になったのかが描かれているのも楽しくて「へぇ〜なる程ね」ってなります。 特に楽しかったのは透明人間になった副作用でセバスチャン博士がトイレで吐くシーンです。 セバスチャン博士が吐く吐瀉物すら透明で「そりゃそうか!透明人間だもんな!」と爆笑ですw。こんな感じで劇中に散りばめられてる「透明人間あるある」ネタもセンス抜群! あと地味に嬉しいのが主演ケビン・ベーコンのビジュアルが最高な所w。 40代半ばとは思えないハリと艶のある肌でまぁ若々しい。そりゃ撮影用メイクもしてるだろうけど、それでも研究者って役柄にしては華があり過ぎるビジュアルで嬉しい悲鳴がw。 更にマッチョでは無いけど引き締まった細身の体を露にする人体実験シーンではお尻を披露しており、意外とヌードも楽しめてしまう贅沢さ(馬鹿w)。本作はモンスターホラー映画ですが主演ケビン・ベーコンのビジュアルと肉体を堪能出来るベーコン映画としても良い出来なんですよね(何じゃそりゃw)。 ってな訳でハリウッドの最新技術によるケビン・ベーコンのVFX透明人間が何とも最高過ぎます。
セバスチャン博士の変態的な邪悪さが魅力!
自ら命がけの人体実験を行い透明人間となったセバスチャン博士ですが元に戻れなくなるトラブルが発生。 次第に透明である自分への過信から変態的で邪悪な行動をとり始める姿はワクワクです。 そう言えば、セバスチャン博士は透明になる以前から元々ヤバい奴だった様な気もしてきますw。 普段から近所の女性の着替えを覗き見してたり元カノであり研究室の同僚でもあるリンダに対しても執拗に迫ったり。透明になった後は「どうだ?透明人間な俺とSEXしてみたくないか?」と既に彼氏がいるリンダに中々のセクハラ攻撃をぶちかますサイテーっぷりが酷過ぎて大好きw。 自信家で野心家なセバスチャン博士の溢れ出る性欲と執着心! 何て言うか、仕事が出来る男は透明になっても謎に女性に対する押しが強いですな(ひがみw)。 そして透明になった事で秘めていた欲望に火がつき、覗き見していた女性の部屋に侵入し婦女暴行のアウトっぷり。透明人間によるレイプ描写はマイルドでもうちょい踏み込んだ描写が欲しかったけど、それだとポルノ映画になっちゃうかw。まぁ見えない存在に襲われる恐怖はちゃんと伝わりますけどね。 他にも寝ている女性の下着を脱がしにかかるセバスチャン博士のAV男優も真っ青な性癖に不謹慎ながらも「よっ!変態野郎!」と合いの手を入れたくなりますわな(歌舞伎の掛け声的なw)。 多分、セバスチャン博士って透明人間にならなくても近い内に同じ犯罪をシラフでもやってただろうな。それで普通に捕まってただろうな、みたいなw。 更には透明人間プロジェクトのヤバさに気付き研究を中止しようとする上層部のクレイマー教授を殺すに至るって訳です。 殺し方はクレイマー教授をプールに突き落とし羽交い締めにして溺死させる力技! うむ、これぞ透明人間殺法!ww 透明人間セバスチャン博士の姿はまごう事なき「モンスター」です。しかも、はたから見たらクレイマー教授が一人で溺れている風にしか見えないって言う完全犯罪っぽり。 にしても、このプール溺死のシーン大好き! 頭の良い狡猾なセバスチャン博士が透明になり見えない殺人者となり襲いかかってくると最早、防ぎようが無いってのが、ヤバいし楽しいし。 もうこの辺りから、興味が全くなかった「透明人間」という古典的モンスターのストレートな魅力とセバスチャン博士の変態的な邪悪さの魅力にメロメロです、自分。 本作では透明人間の「透明で見えない」能力はシンプルながら日常生活に於いては最高レベルのチート能力で、そこがダークな魅力に溢れていて、ホント楽しいんですよねぇ。(
後半はホラーアクションへ!透明人間は熱感知ゴーグルと麻酔銃で迎え撃て!
透明人間の極秘プロジェクトが中止となり能力を手放したくないセバスチャン博士は口封じの為に研究所の同僚を皆殺しにする計画を実行へ。「1人殺したら、もう何人殺そうが一緒」みたいな、セバスチャン博士は考えが悪くて素敵w。「透明人間」っていうモンスターは透明になる人そのものの人間性が邪悪だと、ここまで怖い存在になるんだなぁと。 そして同僚の研究者達も黙って皆殺しになる訳には行かず反撃へ。この研究所での透明人間vs研究者の戦いへと雪崩れ込む後半からはゴリゴリのホラーアクション映画に様変わりです。 透明で見えない相手には熱感知ゴーグルと麻酔銃で迎え撃つリンダら研究者チーム! 更に消化器を噴射し煙の揺らめきで透明人間を炙り出す研究者達の「透明人間を倒す方法」が知的で楽しいです。長年、透明人間プロジェクトに携わってきたリンダ達は透明なセバスチャンとの戦い方を既に心得てるっていう、ね。 とは言え、皆殺しスイッチが入り、殺す気満々の透明人間セバスチャン博士の最強っぷりは揺るがず! 絞殺、串刺し、不意打ち、蒸気を利用した熱感知ゴーグル潰しなど、暴力と頭脳プレー織り交ぜた透明人間殺法?は強過ぎて研究者達はガンガン殺されていく、ヒャッホウ!展開が楽しいですw。 ただし、透明人間セバスチャン博士の無双っぷりは研究者って設定には合わない所もあるかと。 相手の顔を「グルン」と回し首をへし折ったり、巨体の研究者の首を腕の力だけで吊るし上げたりするシーンでは謎の怪力を見せたりして、研究者にしては戦闘能力が高過ぎる気もするんですよね。まぁ、そこは細かい事抜きでエンターテイメント性を重視し、透明人間の化け物じみた強さを表現したんだろうなと勝手に納得ですけどね。 そしてラストは生き残ったリンダと彼氏マットが透明人間セバスチャン博士と一騎討ちへ。 セバスチャン博士からしたらリンダは元カノでマークは今カレで。特にリンダに執着するセバスチャン博士からしたら、リンダとマットが知らない所でラブラブしてるのはムカつくでしょうね、そりゃw。そんな訳で容赦無く、襲い掛かってきやがります、VFX透明人間セバスチャン博士!怖いぞ!w 迫り来るVFX透明人間を前に遂にはリンダもぶち切れ覚醒! 彼氏マットを殺されかけ、自身も執拗で邪悪なセクハラに晒されていたリンダも流石に危機の中で「ぶっ殺す」スイッチが入ります。ガスボンベを改造した即席の火炎放射器?でVFX透明人間セバスチャン博士を焼き殺す手段へ。見えない相手には空間ごと燃やして尽くす戦い方は「エイリアン2」のシガニー・ウィバーを彷彿とさせる「ザ ・強い女性」。 そこで改めて「ザ ・強い女性」リンダ役のエリザベス・シューの魅力に気付く、自分(遅いw)。 女優エリザベス・シューは見た目がメグ・ライアンやシャーリーズ・セロンに激似で、兎に角ビジュアルに華があるんですよね。知名度は無いのに、一瞬メグ・ライアンに見えたり、シャーリーズ・セロンに見えたりして結果、劇中で常にある種のスターオーラを纏ってる不思議な女優さんw。 それにしても、こう言う危機的な状況下で強い女性を魅力的に描かせたらハリウッド映画の右に出る者はいませんな。ある種、セバスチャン博士のセクハラを愛想笑いでさり気なく躱していた前半のリンダが最後の最後で、セクハラ野郎セバスチャン博士に強烈な火炎攻撃をお見舞いするのは爽快ですな、うむ。 自分を神と呼ぶVFX透明人間セバスチャン博士に対して 「誰が神だって?なら本物に合わせてやるわ!地獄に落ちろ!」 のリンダの決め台詞の冴えまくり! ラストは燃え盛るエレベーターシャフト内でVFX透明人間セバスチャン博士を突き落とし、ジ・エンド。 このラストの決着も「エイリアン2」っぽくて、スカッとしますw。 唯一、違和感があるのは透明人間っていう、等身大のモンスターを倒すのに研究施設を大爆発させてしまうのが、ちょっと大袈裟でド派手過ぎる所ですかね。 昔から存在する古典的なモンスター「透明人間」を倒すのには、もっと昔ながらのノスタルジー溢れる倒し方が個人的には好みでしたかね。 例えば透明なセバスチャン博士にリンダが至近距離で銃弾を一発撃ちこむとか、リンダが取っ組み合いのすえにナイフを使いセバスチャン博士を透明なままメッタ刺しにして殺すとか。 そういうシンプルでこじんまりとした倒し方のほうが「透明人間」っぽいけどな、と思ったり。 こんな感じで最後は「自分なら、こんな方法で透明人間を倒すのに」と考えてしまう位に「透明人間」というモンスターにどハマりしておりますw。
総評
セバスチャン博士が透明人間になる過程の映像が兎に角、素晴らしいです! 本作ってB級モンスターホラー映画っぽいけど最新のVFX映像技術で古典的モンスター蘇らせた偉業については多分、ハリウッド映画史に何らかの形で刻まれるレベルだと思うのですが大袈裟ですかねw。 何よりセバスチャン博士の変態的な邪悪さに透明能力が加わり、透明人間って奴がめっちゃ魅力的なモンスターとなっております。主演ケビン・ベーコンの張りのある、お尻も楽しめましたし(そこかいw)。 そして後半のホラーアクションもガッツリ燃える展開で大好きw。 ただしラストのVFX透明人間セバスチャン博士の倒し方がド派手過ぎたのは個人的に違和感がありましたがまぁ些細な事ですかね。 映像的な感動含めエンターテイメント性が高いモンスターホラー映画ですので超オススメです。
製作秘話
- 本作を手掛けるポール・バーホーベン監督は強烈なリアリズムと物議を醸す性描写を取り入れた映画作りで有名。代表作は「氷の微笑み」。因みに業界でも特殊効果への理解が深い映画監督として知られている。
- 劇中の透明人間自身も主演ケビン・ベーコン自身が演じている
- 透明人間になる際のメイクは緑色のコンタクトやスーツなどを用い撮影は過酷を極めたとの事。メイクを施されたケビン・ベーコン曰く「メイク中は体中を万力に挟まれた気分」と語っている。
- 本作のVFXを用いた特殊効果についてケビン・ベーコン曰く「本作の特殊効果班には参るよ。僕をいたぶる新技術を毎日、開発してくるんだから」と冗談混じりに特殊効果班のスタッフを称えている。
- 劇中で脱出路となるエレベーターシャフトは本物で撮影すると大き過ぎる為、実物そっくりなセットを作って撮影されている。
- 主演ケビン・ベーコンは当初、劇中で透明人間になった後は透明で映らない為に自分の出番は無いだろうと思い楽な撮影だと思っていた。しかし実際は透明となった彼の動きをCGで再現する為の確認事項が沢山あり現場でのケビン・ベーコンの出番は多く、多忙だったとの事。
インビジブルのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 70点
万人に勧める良作❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作