つまらないのは嘘だっ!映画「ひぐらしのなく頃に」でリアルな演技を見せる前田公輝らキャスト陣の魅力!

こんにちは、ぽんぽです。アニメ版でどハマりして以来コミックにも手を出し分かりやすく「ひぐらしのなく頃に」ワールドの沼にハマっておりますw。今回の実写化には多少の心配もありますが、やっぱ観たい!と思い鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

「ひぐらしのなく頃に劇場版 40点(感想ネタバレ)」

予告編

作品情報

2008年劇場公開 日本
ジャンル:サイコサスペンス
監督&脚本 及川中
原作 竜騎士07
出演者 前田公輝、飛鳥凛、松山愛里、あいか、小野恵令奈(AKB48)、杉本哲太、他

あらすじ


昭和58年初夏。かつて鬼が住むといわれた雛見沢村に東京から引っ越してきた圭一は、クラスメイトたちとのどかな日々を送っていた。しかし村では最近、毎年夏祭りの日に1人が死に、1人が消えるという怪事件が発生しており、、。(映画comより抜粋)

目次
・雛見沢の名所の数々が登場する楽しさ!
・実写用にキャラ修正?主演の前田公輝らキャスト陣が好演!
・鬼隠し編をメインに描く結末はひどいけど原作通り!
・針入りおはぎはトラウマ級!リアルな残酷描写!
・主題歌はアニメ版でお馴染みの鳥みやえい子!
・総評
・製作秘話
・ひぐらしのなく頃に劇場版のオススメ度は?面白いのか?

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雛見沢の名所の数々が登場する楽しさ!

本作は冒頭から、既に実写化の恩恵を受けている場面が多数あります。特に原作ゲームやアニメで描かれている雛見沢の名所の数々が実際に登場する楽しさはひぐらしファンとしてはテンションMAX!ど田舎特有の豊かな自然の風景で溢れる雛見沢。名所である広大な湖「鬼が淵」はむっちゃ綺麗な上、生い茂る木々と野っ原に癒され、学校や古手神社が出てくると、「お〜これがあの学校と古手神社かぁ」ってなったりして結構、盛り上がります。架空の村でありファンにはお馴染みの雛見沢を思った以上に堪能出来る本作の丁寧な風景描写にチョイ感動w。
唯一不満だったのはゴミ置き場ですかね。原作ゲームやアニメに出てくるゴミが山の様に積まれている、あの印象的なゴミ置き場は今回の実写化ではイマイチ再現されておらず、どこぞの岩場にゴミが散乱している程度の作り込みで明らかに「撮影用に飾り付けしたゴミ置き場」って感じのチャチさが出てしまっているんです。うーむ、予算的にこれが限界だったのかなぁと勝手に想像してしまう残念さでした。

実写用にキャラ修正?主演の前田公輝らキャスト陣が好演!

さてさて実写化映画の1番の楽しみであり、1番の叩き所ともなってしまうのが登場人物達を演じるキャスト陣の顔ぶれですよね。まずは主人公前原圭一役の前田公輝くん、、ふむふむ、少年って感じの雰囲気がしっかりする良い人選ではないでしょうか。笑った時の顔も年相応の男の子っぽい可愛さを感じますし、充分圭一してますね。因みに前田くんは天才テレビくんの元子役、、そう言えば見た事あるなぁと一人で盛り上がってました(笑)。そして、園崎魅音役の飛鳥凛ちゃんと竜宮レナ役の松山愛里ちゃん、、は似てないし余り可愛くないゾ(失礼)。

最初はこの時点でテンションだだ下がりだったのですが、途中から不思議とそのイマイチな印象が変わっていくんです。まず本作は実写化に伴い、登場人物達がリアリティあるキャラクターにアレンジされているのです。例えば竜宮レナと言えば語尾に「かな?かな?」と付けるのが特徴ですが、その台詞は省かれてます。恐らく、セリフにアニメっぽさや二次元的な要素が加わり過ぎて実写だとリアリティに欠け違和感があると製作側が判断したんだろうなと勝手に推測。他にも北条沙都子のお嬢様口調が省かれ普通の喋り方になってる所も同様かと。実際の人間が演じても違和感がない様に登場人物のキャラをアレンジし上手く修正しているです。

そしてセリフ以外でも実写としてのアレンジは散見されます。
大きくアレンジされているのは服装です。圭一も魅音もレナも、、みんな服装がすんごくリアル。原作やアニメ調の服は着てなくて、非常に等身大溢れる私服モードなんですよね。圭一は田舎の少年っぽいTシャツと短パンだし、魅音とレナは女の子らしいスカートやパンツルックで、田舎のイモっぽい女の子感が出てるんです。この似てないキャスト、リアリティある台詞と服装、、今回の実写化に於いて最初は「ん?イマイチかも」と思う違和感が徐々に意外な魅力へと繋がっていく事に気付くんです。要するに本作に感じる違和感は本作が実写化としてのリアルを求めた結果なんですよね。魅音とレナが可愛くない違和感も、そりゃリアルな田舎の女の子が顔立ち整って無茶苦茶、可愛い訳ないですよねって事です。では可愛くないから駄目なのかと言うと全くそんな事はなく、田舎のイモっぽい女子的なビジュアルの魅音とレナが圭一と楽しそう雛見沢を歩く姿は牧歌的な日本映画っぽさに溢れていて、癒されるんですよw。前田公輝、飛鳥凛、松山愛里ら3人は田舎のイモっぽい若者をリアルに演じる、意外な好演を見せてくれるんですよ、特に前田公輝くん!好きw

そして、この3人だけで無く古手梨花役の女優あすかちゃんや北条沙都子役のAKB48小野恵令奈ちゃんにも言えるのですが、メインキャスト陣は原作やアニメのキャラに外見は似ていないのですが、しっかり実写版「ひぐらしのなく頃に」の世界観には合ってるんですよね。そこが個人的には観ていて納得出来るし、実写ならではのアプローチとして楽しめたり好感触なんです。

ただねぇ、劇中の富竹に関しては演じる俳優の体付きがヒョロ過ぎたり、まんまアニメの服装で出てきているので萎えましたし、鷹野を演じる女優がおばさん過ぎる気もしたり、大石役の俳優は面影がなさ過ぎて大石ってキャラである必要すらない所とかキャストのミスマッチも多少はあります。しかし、メインキャスト5人に関しては意外とありっちゃありの人選かとw。
圭一役の前田公輝は天才テレビくんの元子役

鬼隠し編をメインに描く結末はひどいけど原作通り!

本作は原作の鬼隠し編という、一部のエピソードを映像化した作品でして、大まかな流れとしては

お祭りの日に怪死事件が起こる
↓
主人公の前原圭一が何故か命を狙われる
↓
友達含め周囲の人間達も何かしら嘘を付いている
↓
主人公の前原圭一も怪死
↓
事件は未解決かつ多くの謎を残したまま終わる

とまぁ、こんな感じなんですよね。

そうなんです、この映画の一番ひどい所であり、評価を著しく下げているのは終わり方なんですよねぇ。
主人公の圭一は死んで謎も解明されないままラストを迎える未完の物語を見せられる訳ですから、そもそも原作やアニメを知らず、ただ単にサイコサスペンス映画を見ようと思って手を出した初見の人には「何じゃ、この酷い終わり方の映画は!」ってなりますよね。
これについては、この映画が悪いのではなく、元の鬼隠し編っていう原作エピソード自体が原因なんです。

原作の鬼隠し編っていうのは、「ひぐらしのなく頃に」の世界観を説明する為の序章であり、導入部なんです。なので原作やアニメでも鬼隠し編だけでは全ての謎が解ける事はない訳でして。そんな序章の物語を実写化したのが本作なので、本作が未完のまま終わるのは至極当然で、ある意味、原作に忠実って事ですよね。明らかに続編があるのも予想が付くラストなのですが、個人的にはあからさまに続編を匂わす映画って好きじゃないんですよねぇ。やっぱり映画って、その一作が一つの作品じゃないですか。だからこそ、一つの作品として、それなりに納得のいく終わり方を見せて欲しかったんです。実写版「鬼隠し編」ならではのオリジナル要素がラストにあれば、ファンとしてはもっと楽しめたのになぁと思う次第です、ハイ。

針入りおはぎはトラウマ級!リアルな残酷描写!

ファンとして今回「ひぐらしのなく頃に」が実写化される事についてはどちらかと言うと否定的な感情を持っていた自分ですが、それでも実写化に少しだけ期待している部分もありまして。それが残酷描写です。「ひぐらしのなく頃に」はジャンルでいうとサイコサスペンスって括りがしっくりくるんですが、このサイコサスペンスって実写にむっちゃ向いてるジャンルだと個人的に思っているんです。本作の持つ猟奇的な殺人シーンや人間の狂気が表に出てくるシーンは実写でも充分、表現出来そうで観る前から結構、期待していたんです。結果、、本作の残酷描写については期待外れな部分もありつつ、観るべき良い所も多少あるかなってレベルですかね。少し、微妙な表現ですいませんw。

まず期待外れな部分としては竜宮レナと園崎魅音を圭一がバットで殴り殺すシーンがマイルド過ぎる所です。アニメ版でのガスっガスっとバッドで人を殴り殺す生々しい描写が今回の実写では直接的には描かれておらず飛び散る血のりとレナと魅音の血塗れ遺体が映るのみ。これがねぇ、普通過ぎて嫌w。実写映画ならではの暴力描写による過激なシーンを期待してたんです。
折角、実写になるんだから、圭一がバッドでレナと魅音を殴り殺す所は見せ場なので「アニメを超える物凄い残酷なシーンが見れそうじゃん!」みたいな期待していたのですが、その期待虚しく可もなく不可も無い詰まらないシーンになっていました。

逆に良い部分もチラホラと散見されます。
例えば、富竹の首を掻きむしった血だらけの死体とかはアニメを超えるグロさです。特に死体の首元の掻きむしった傷口とかグロくて実写ならではのリアルさです。

そして自分にとって何よりのお気に入りのシーンなのは「おはぎ」ですよ!おはぎ!
圭一が差し入れで貰ったおはぎを食べようとしたら、おはぎの中に針が入っているシーンがむっちゃ良いんです。圭一がおはぎを食べたら中に針が仕込まれていて圭一の口を針が貫通する描写、、ここは実写ならではのエグい残酷描写で嬉しいです(変態w)。おはぎを美味しそうに食べてたら中に針が入って口を貫通するってトラウマ級の残酷描写!このシーンを子供の時にもし観てたら、ショックでおはぎ食べられなくなりそうw。個人的には本作随一の名シーンです、この「おはぎ」シーンww。

それともう一つ、残酷描写とは別に、実写ならではの意外な良さが出ているシーンとして挙げられるのは、突然、竜宮レナが豹変し「嘘だっ!」と叫ぶシーンです。この「嘘だっ!」セリフは「ひぐらしのなく頃に」を代表する名言なんですけど実写ではエフェクトを始めとする不穏でザラついた映像演出がシーンに加えられていて、新鮮です。実写オリジナルのスタイリッシュで不穏な「嘘だっ!」が楽しめますが、怖いって言うより、あくまでもスタイリッシュ!(笑)
バットで殴り殺される魅音役の飛鳥凛ちゃん

主題歌はアニメ版でお馴染みの鳥みやえい子!

鬼隠し編に相応しい尻切れトンボなラストに「あ〜微妙だなぁ、これは」と渋い気持ちで劇場を後にしようとしたのですがエンドロールで流れる曲が気になり席に座り直す事に。流れる曲は本作「ひぐらしのなく頃に」主題歌である「WHEEL OF FORTUNE(運命の輪)」って歌なんですが、一瞬で好きになってしまいましたよ、この歌w。しかも、歌っている歌手の声にも聴き覚えがあり調べてみるとアニメ版「ひぐらしのなく頃に」主題歌を担当した鳥みやえい子(I’ve)さんが実写版の主題歌を担当している事に気が付き、地味にテンション上がりました。

サビ歌詞
「何度、足掻いても誰も逃れられない運命の輪はひぐらしのなく頃に回り出すよ〜」

うむ、サビの歌詞も陰鬱さと儚さを兼ね備えていて「ひぐらしのなく頃に」の世界観に合ってるし格好良い曲調で好きです。そんな魅力的な歌詞を鳥みやえい子さんの声で歌われたら、もう、気分は完全に雛見沢にトリップしてしまいますわ、自分w。この主題歌が非常にひぐらしっぽさにを感じさせてくれる良曲だったので微妙なラストを迎えた映画本編への印象が多少は良くなりました(笑)。
ひぐらしっぽさ全開の主題歌!

総評

実写に併せてリアルな人物像に改変された、ひぐらしキャラに最初は違和感を覚えますがリアリティの面では納得のアレンジですし雛見沢の美しい名所の数々はファンとして楽しめました。何よりも前原圭一役の前田公輝、竜宮レナ役の松山愛里、園崎魅音役の飛鳥凛の3人が楽しそうに自然豊かな雛見沢を歩いている光景が思いの外、魅力的で良い!
そんでもって実写ならではのエグい残酷描写として本作屈指の名シーンと言える針入りおはぎ!いやぁトラウマ級でおはぎ嫌いになりそうw。さて巷ではひどい、つまらないと評価されてる本作ですが自分の様なコアなファンにとっては多少楽しめる要素もあったので巷の酷評に対しては「ひどいって評価は分かるけど!つまらないのは嘘だっ!」と声を潜めながらも言いたい気持ちですw。ひぐらし名言風に言ってみました(バカ)w。

本作は要するにラストで謎が一切解明されない「???何じゃこりゃ?」な終わり方なので正直、ひどいって評価は正論かもしれません。単体の映画作品としては評価すら出来ない未完成品ですので。そして本作が公開された後、間髪入れずに続編となる「ひぐらしのなく頃に誓 劇場版」の公開が発表されましたね。やっぱり続編ありきでしたか、うむ。

さて、この続編がどうなるか次第ですが、本作だけで評価するなら初見さんお断り確実のファンムービーですので観る方はご注意を!

製作秘話

  • 及川監督曰く「原作の二次元キャラを実際に人間でキャスティングするには大きな決断が必要でした。外見的に似ている人を起用するよりも二次元キャラの内面にある個性に近い人を起用した。メインキャラ5人を演じた前田公輝を始めキャスティングには満足している」と語っている。
  • 前原圭一役の前田公輝は「監督は演技について、こちらの意見も聞いてくれる方で嬉しかったです。ひぐらしファンの方には若干キザでクールで女好きな前原圭一を感じて貰えたら嬉しいです」と語っている。
  • 園崎魅音役の飛鳥凛は「最初は原作ゲームやアニメそっくりの魅音を演じなければと思い不安でしたが監督から飛鳥凛らしい魅音を演じて下さいとの指示があり安心しました」と語っている。
  • 前田、飛鳥、松山のキャスト陣3人が雛見沢神社の石階段を上るシーンではNGが多く何度もやり直した為、3人は石階段495段分を上る事になり肉体的にキツい撮影シーンとなった。
  • 綿流しのお祭りシーンはロケ地となった長野県の地元民の協力もあり大規模ロケが実現した。因みにお祭りシーンでは原作者である竜騎士07も出演している。
  • 原作者である竜騎士07は今回の実写映画化について「原作ゲーム自体、雛見沢バス停留所を舞台にした舞台演劇として作った脚本を元にして作られたので、実を言うとひぐらしのなく頃に自体、そもそも実写向きの作品なのかもしれません」と語っている。
  • 今やゲーム、アニメなど多方でヒットしているシリーズだが、本作の原作となるゲーム版鬼隠し編が初めてリリースされた当時、ゲームを購入してくれたファンは50人程しかいなかった。
  • 竜宮レナ役の松山愛里は本作が映画初出演。
  • 本作の撮影は過酷なスケジュール下で行われた為、スタッフの疲れがピークに達した撮影現場では異様な雰囲気を放つスタッフ達を見て及川監督が「みんなの異様な雰囲気が演者に伝わっちゃってるから気を付けて」と思わず注意を促す事態になった。

ひぐらしのなく頃に劇場版のオススメ度は?面白いのか?

オススメ度   40点

何か個人的に嫌い❗️

↓U-NEXTでアニメ・実写含め「ひぐらし」全シリーズ、視聴可能です!

本ページの情報は2021年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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