こんにちは、ぽんぽです。元々、原作漫画が超好き!おまけに藤原竜也も有村架純も大好きな自分にとってはお得感しかない本作w。コミック全9巻を2時間の実写映画にした荒技には原作ファンとして文句を言いたくもなりますが楽しみの方が勝り、いそいそと劇場へw。因みに藤原竜也の主演映画を観るのは「22年目の告白 私が殺人犯です」以来です。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
「僕だけがいない街 30点(感想ネタバレ)」
作品情報
2016年劇場公開 日本 ジャンル:サスペンス 監督 平川雄一郎 脚本 後藤法子 原作 三部けい 出演者 藤原竜也、有村架純、石田ゆり子、及川光博、杉本哲太 他
あらすじ
ピザ屋でアルバイトする売れない漫画家・悟は、ある日突然「リバイバル」という特殊な現象に見舞われるように。それは、周囲で悪いことが起きる気配を察すると自動的にその数分前に戻り、事件や事故の原因を取り除くまで何度でも繰り返すというものだった。リバイバルによって大事故を防いだものの自らが大怪我を負った悟は、同僚の愛梨や上京してきた母の看病で回復していく。そんなある日、悟の母が何者かに殺害されリバイバルが起きるが、今回はなぜか数分前ではなく18年前だった。そこは、悟の同級生が被害者となった連続誘拐殺人事件が起きる直前の世界だった。(映画comより抜粋)
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そのまんま過ぎる藤原竜也は原作の悟には見えない!
冒頭は悟のアパートやバイト先のピザ屋「Oasi Pizza」を始め「僕だけがいない街」の街風景を実写で拝める嬉しさはファンとしては地味にテンション上がりますね、うむw。 ただし、悟を演じる藤原竜也含め、俳優によるキャラの再現性は成功と失敗が半々の微妙さが目立ちます。 まず肝心の主人公「悟」演じる藤原竜也がそのまんま藤原竜也で全然、悟に見えないのです。 髪型やあの童顔な丸顔はいつも通りですし、何より演技が変わり映えしないいつものオーバー演技でしてw。殺された母を抱え押し殺した声で悲しむ姿は熱が入り過ぎて、まるで舞台演劇っぽい違和感w。 って言うか、その演技、カイジじゃん! と思わずツッコミ入れたくなる既視感ある演技なんですよね。 藤原竜也って俳優は大好きなんですが、タイプとしてはSMAP木村拓哉ことキムタクと似ていて何を演じてもキムタクみたく、何を演じても藤原竜也(泣)。 それと母親である佐知子を演じた石田ゆり子も不満です。 原作ではお節介な肝っ玉母ちゃん風のシングルマザーなのに、石田ゆり子が演じると唯の優しい清楚なお母さんにしか見えず。それと実写だと佐知子が働く姿が描かれていない為、女手一つで悟を育て上げたシングルマザーが突然、何者かに殺される事件そのものの無惨さが弱まってしまい残念です。 逆に愛梨演じる有村架純や学を演じる及川光博は役にハマっております。 原作では怒るとグーパンチを繰り出す漫画チックな直情系女子だった愛梨ですが実写だと携帯をへし折る程度にキャラ改変されてます。 有村架純が演じるからか、少しお淑やかになってる?w。 そのキャラ改変が良くて有村架純のビジュアルに違和感無くハマり、思いの外、実写版の愛梨が違和感なく再現されているんですよね。 そして教師であり殺人事件の真犯人でもある学を演じる及川光博も文句無しにハマっております。原作の八代学の持つ知的で危ういサイコパス感は及川光博のあの華やかな大人の色気にバッチリ合ってます。 って言うか、及川光博って改めて良い俳優だなとw。 昔はミッチーの愛称で呼ばれるイロモノ系のアイドルだったのに今やゴリゴリの演技派俳優ですねw
実写で子役を起用した名探偵コナン的サスペンスは難しい!
29歳の悟は「リバイバル」現象により子供時代に戻り、母を殺した殺人犯を突き止める設定は「見た目は子供で中身は大人」と言う意味では言わば、名探偵コナンっぽい気がします。 しかしながら、本作で露呈したのは実写で子役を起用した名探偵コナン的サスペンスは難しいって事です。 小学生に戻った悟が大人相手に苦労しながら事件を追うのがメインなので、劇中では子役が非常に重要な役回りを演じる事になるんですよね。小学生の悟を演じた子役の中川翼の演技力だと正直、力不足感は随所に見られます。原作では子供ながらも内面は29歳の悟が葛藤し推理する心理描写が面白いのですが実写の子役だと演技だけで再現するのは、そりゃ難しいですよね。 そもそも、「子供でありながら内面に29歳の大人の心を持つ」演技って子役じゃ無くても難しく、そんな演技が出来る俳優はアカデミー賞モノですしw。原作ではバシバシ描かれる「悟の心の声」は実写だとほぼ無いので、そこも子役の演技に頼りきりで、肝心の推理サスペンス要素すら弱くなってしまう事態に。子供を中心に展開していく推理サスペンスって実写だと、こうも難しいモノなのですね。 本作を観てると、何となく「実写版 名探偵コナン」とかもやらない方が良いだろうなと確信してしまいますw。子役使った名探偵コナン的なサスペンスを実写で制作してしまった事がそもそも本作に於いての大きな失敗かもしれません。 それと「秘密基地」エピソードが無いのも不満です。 小学生の悟がクラスメイトと仲良くなるきっかけとなる秘密基地での物語が描かれない為、殺される運命の加代との友情がそれ程、実感出来ないのです。そこは明らかに映画の尺の問題で省いたのかと思いますが、うーむ、残念です。
ラストの悟の死は原作改悪!監督のセンス疑うサスペンス展開に文句あり!
本作を観ていて強く感じるのは平川監督のサスペンス映画を撮るセンスの無さです。 例えば、車内で小学生の悟に学が自ら真犯人である事を明かすのがあっさりした会話劇で緊迫感がないんですよね。狭い車内で子供と殺人犯が2人きりなのに落ち着いて会話し過ぎw。原作では焦って逃げようとする悟の描写が実写では描かれない為、信頼していた教師である学が真犯人である衝撃が殆ど無いのです。この真相が解明する車内シーンの酷さで確信したのは「平川監督はそもそもサスペンス映画を撮るセンスや素養が無いのかも?」って事です。 他にも学と大人の悟が対峙するラストではナイフで襲いかかる学と悟の取っ組み合いという、映画オリジナル展開も酷いです。 「ナイフ持った真犯人と取っ組み合いって、ありきたりな火曜サスペンスかよ!」と思わずツッコミw。 もう、この車内シーンと取っ組み合いシーンで平川監督のサスペンス映画を撮るセンスに疑いかかりまくり(泣)。 こんなテレビドラマレベルのサスペンス展開を「僕だけがいない街」でやりやがって!、、と文句ありまくりです(怒)。 更に真犯人の学を捕らえるのと引き換えに命を落とす悟っていう、如何にも「衝撃的な映画オリジナルなラスト!」もスベり気味です。 何故なら、「僕だけがいない街」って人と関わり続ける大切さを説いてる訳で、それは劇中ラストの「悟の死」とは相反するテーマなんですよね。事件を機に悟は人と関わり続けながら生きていくラストの方がより一層、原作テーマに近いのに、それをひっくり返す製作陣の暴挙が嫌いです。 「リバイバルっていうタイムリープ現象で過去を変えるってさ、命と引き換えの方が感動的じゃん?」みたいなありきたりな製作陣のセンスを感じます(超偏見w)。
総評
どう見ても原作の悟に見えず、そのまんまな藤原竜也が主演ではありますがリバイバル後は基本的に小学生時代の悟演じる子役の中川翼くんがメインとなる本作。 この「見た目は子供で中身は大人」設定の名探偵コナン的なサスペンス展開がイマイチ上手くいっておりません。実写に於いて子役の演技力で心理&推理サスペンスを引っ張っていく難しさを感じました。 そもそもサスペンス映画の持つ緊迫感や焦燥感を演出するセンスに欠ける平川監督の責任も大きいかと。 映画オリジナルなラストも原作のテーマとは微妙に反してる気もしますし(怒)。 良い所は有村架純と及川光博が演じる相莉と学が違和感無く実写でキャラ再現されてた位ですかね(泣)。 本作を観た後に原作漫画「僕だけがいない街」を読もうと思う人、あんまりいないだろうな、、。
製作秘話
- 共演した有村架純の印象について主演の藤原竜也は「印象的なセリフを的確に相手に伝えるという演技に於ける大切な作業をサラッと出来る彼女は凄いです。相梨らしく又は架純ちゃんらしいお茶目で可愛い演技には刺激を沢山貰いました」と語っている
- 有村架純は奔放に悟に絡んでいく相梨を演じる上で「相梨の奔放なキャラクターがともすれば実写だと媚を売る感じに見えない様に注意しました」と語っている。
- 映画制作時は原作が未完だった為、ラストは映画オリジナルの結末となった。「結末は物悲しい終わりにしたい」という春名慶プロデューサーの意向により、悟が死ぬラストとなった。
- 春名プロデューサーは原作を読んだ時から、悟と愛梨のキャラクターに藤原竜也と有村架純の顔を重ねていたとの事。双方のマネージャーに「試しに読んでみて欲しい」と原作を渡し、出演オファー。結果、原作を読み気に入った藤原と有村からは出演の快諾があったとの事。
- 子供時代の悟を演じた子役の中川翼は本作が演技初挑戦。
- 製作陣曰く、「本作は子役の演技が重要な映画になる」との思いから、業界内で子供の芝居を作る技術に長けていると評判の平川雄一郎に監督を依頼したとの事。
- 春名プロデューサー曰く、「原作通りに29歳の悟と女子高生の愛梨を実写で描くと生々しい関係性になる事を懸念し、実写では敢えて愛梨の設定をフリーターに変更した」と語っている。
- 原作の舞台は北海道だが、本作では北海道でのロケは行わず、主に千葉県船橋市や長野県伊那市にある小学校をロケ地として使用している。
僕だけがいない街のオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 30点
何か個人的に嫌い❗️
↓U-NEXTで「僕だけがいない街」視聴可能です
本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作