こんにちは、ぽんぽです。前作「コールドウォー香港警察 二つの正義」は香港映画らしい大味なサスペンスドラマが惜しくもあり楽しくもあったりして。主演2人の衝突と和解が素敵な「渋いオッサンを楽しむ映画」としてかなり好きw(オッサン好き?)。その続編ですからね、観ない訳にはいかないでしょうよ!(気合いMAX)。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「コールド・ウォー香港警察 堕ちた正義 40点(感想ネタバレ)」
作品情報
2017年劇場公開 香港・中国合作 ジャンル:アクション 監督&脚本 サニー・ルク、ロン・リョクマン 出演者 アーロン・クォック、レオン・カーフェイ、チョウ・ユンファ、エディ・ポン
あらすじ
国家の存亡を揺るがす警察誘拐事件を見事な捜査指揮で解決したことで、警察署長に就任したショーン・ラウ。しかし、ある日、警察誘拐事件の犯人が逃走し、ショーンの妻を人質にとって投獄されている事件の主犯格ジョー・リーを解放するよう要求する。結果としてジョー・リーを逃がすことになってしまったショーンは、世論の批判を浴びて辞職に追い込まれるが……(映画comより抜粋)
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チョウユンファ参戦も期待外れ!パワーアップした銃撃戦と劣化したサスペンスドラマ!
前作「コールドウォー香港警察 二つの正義」から繋がるバリバリの続編となる本作。 前作よりパワーアップした銃撃戦と劣化してしまったサスペンスドラマ部分により相変わらずのどっちつかずな印象は前作譲りかもしれません。 銃撃戦に関しては音、リアルさともにパワーアップしていて豊富な銃器によるトンネル内での撃ち合いは緊迫感抜群で燃えます。 主演アーロン・クオック演じるラウは警察長官と言う立場なのに至近距離で銃を撃ち合う前線に巻き込まれる、あり得なさも何だか楽しいw しかし折角、銃撃戦で上がったテンションも前作から大幅に劣化してサスペンスドラマ部分で相殺されている気がします。 ラウの妻の拉致事件があっさり解決したり、前作の魅力的な敵キャラのジョーが中盤で死んだりと微妙に好みじゃない展開が続きます。正直、ラウは妻の拉致事件解決に奔走し、ジョーとの対決だけにストーリーを集中して欲しかったのに、それらを結構あっさり描いてしまうのです。 そこから後半はラウの警察長官の座を失脚させるドラマに移行していくが残念です。 誘拐事件や銃撃戦を観て「サスペンスアクション」をもっと観たい欲求が高まってるのに、それが観れないw しかも今回のドラマは前作の様に犯人像が二転三転する楽しさは無い上、最初から黒幕が分かってるんですよね。黒幕「元警察長官」により悪事に加担せざる得なくなるレオン・カーフェイ演じるリーの葛藤ドラマが主体に。 そこに参戦してくるチョウ・ユンファの存在が葛藤ドラマを劣化させる要因となっております。 チョウ・ユンファ演じる弁護士カンは娘を殺された復讐でラウやリーを追う事になるのですが、カンは黒幕の正体が判明したら、その後は登場シーンが無いのがイマイチ過ぎです。 黒幕の正体をラウに知らせて、逮捕を任せるだけってのは娘を殺された父親の決着の付け方として余りにも適当な気がします。弁護士カンには最後の逮捕劇の時まで、ラウやリーと共に巨悪の根絶に参戦して欲しかったのに。 これって弁護士カン役のチョウ・ユンファの撮影スケジュールの調整が上手くいかなかったんですかね?それ位、テキトーw 前作で和解したラウを失脚させなければならないリーの葛藤ドラマは中々の良い出来だったのに、弁護士カンの中途半端な関わり方が後半の男のドラマを劣化させてしまう事態に(泣)。
デモへ至る伏線と中国の影チラホラ?ラウ警察長官が戦うべき巨悪の正体!
さて、ラストは黒幕「元警察長官」を逮捕する流れで「香港ではどんな悪い奴も法に則って裁きますよ、エヘン」と「法治国家」的アピールを忘れない、相変わらずの香港警察ヨイショっぷりw。正直、黒幕は撃ち殺して欲しかったぞ、、その方がスッキリするぞ(駄目な奴w) ただねぇ、法が機能してる香港をアピールされても現在のデモ運動する市民を暴力で弾圧する香港警察を知っている身としては「何言ってんだ?」状態ですね。 劇中で描かれる司法長官と元警察長官による癒着と暗躍は現実世界でも大問題となっている巨悪でシャレにならない上に笑えない(泣)。 ここら辺の巨悪の設定は前作「コールドウォー香港警察 二つの正義」以上に香港の内政に踏み込んだ描き方で製作陣の努力を感じます。 ただ気になるのは現実では今なお続くデモへ至る伏線とも言える司法制度のダークさの背景には中国の影がある訳ですよ。それは劇中でも同じかも、、。 しかし、本作では「巨悪」=「中国」とは描かずあくまでも香港の中だけに絞ってるのは製作陣の腰が引けてる気がします。 恐らく、中国共産党や中国市場を敵に回す描き方は出来ないって感じですかね。 何より、劇中では香港の巨悪に立ち向かう、ラウ警察長官、リー、弁護士カンの3人ですが彼らが本当に立ち向かうべき巨悪は中国なんですよね。それがずっと頭にチラつきながら観るドラマの居心地の悪さが終始付き纏います。 「香港の巨悪を倒しても中国共産党、倒さなきゃ意味なくね?」 みたいな(泣) メインキャラを演じたショーン・ラウ、レオン・カーフェイ、チョウ・ユンファらキャスト陣は奇しくも自身が演じた役柄と同じ様に、香港スター俳優としての発信力でデモ活動する市民を守り、中国共産党に立ち向かう役割を担って欲しいなと他人事ながら思ってしまいます。 「香港の法の秩序と安全を守る」=「中国共産党の影響力から香港を守る」ことですし。 役柄とそれを演じるスター俳優達に求められる行動がリンクしていく面白さはありますが、それ自体は不穏さしかありませんw。
総評
前作「コールドウォー香港警察 二つの正義」より派手な銃撃戦は楽しめたし、クォック、ユンファ、カーフェイ達の豪華スター俳優らの共演はテンション上がりましたね。 ただし、あくまでも共演したから楽しめた程度でチョウ・ユンファ演じる弁護士カンの中途半端な事件への関わり方は正直、萎えました。 それと前作にも感じたのですが、いかんせん、現実社会での香港警察のデモ鎮圧の悪行を知る身としては素直に楽しめない内容でしたね。 だって、普通なら香港の巨悪って、明らかにバックに中国の影がチラホラしてるでしょ! それを描かず、中国共産党に気を遣い、あくまでも香港の中だけで悪い奴を描こうとした製作陣のヌルい姿勢がドラマの劣化に繋がってる気がします。 折角、銃撃戦と爆破アクションが良かったのに、サスペンスドラマ部分の展開が自分好みじゃ無さ過ぎたので、結果、前作を下回る面白さでした。 まぁ、でも3作目がありそうな終わり方だったので、、多分、公開されたら観に行くと思いますw。
製作秘話
- チョウ・ユンファは共演したアーロン・クォックに対して「彼の映画への情熱は恐れ入るよ」と最大限の賛辞を送っている
- 劇中ではリーがラウを殴るシーンで誤ってリー役のレオン・カーフェイの拳がラウ役アーロン・クォックに当たってしまうハプニングが起きた。すぐさま、カーフェイは「ごめん」と謝った際にはクォックから「むしろ緊張感があって良いぐらいだ」と全く気にしていない様子だったとの事。
- 香港の大スター俳優チョウ・ユンファの印象についてサニー・ルク監督曰く「気さくで大スターなのに威圧感が無いんだ。素敵な人だよ」と語っている。
- トンネル内での銃撃戦で使われた催涙ガスは本物で主演アーロン・クォックは撮影時は涙が止まらず苦労したとの事。
- サニー・ルク監督とロン・リョクマン監督が書き上げた脚本は前作以上に大胆で派手なアクションが多くあり、製作陣は監督2人に対して、思わず「お前ら2人はバカか?」と脚本の真意を聞いてしまったとの事。
- 劇中で爆弾が爆発する駅は実際の駅を使用し、エクストラ300人を用いて撮影されている。
- トンネル内でのカーチェイスはトンネルを封鎖出来なかった為、別の場所で撮影されている。映像ではトンネル内でカーチェイスをしている様に見せる為、視覚効果を用いている。
コールド・ウォー香港警察 堕ちた正義のオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 40点
個人的に何か嫌い❗️
↓U-NEXTで「コールド・ウォー香港警察 堕ちた正義」視聴可能です
本ページの情報は2021年5月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作