こんにちは、ぽんぽです。とある日、偶然見かけた映画ポスター。「おっ福山雅治、また映画出るんだ」と嬉しい発見。傑作「そして父になる」珍作「マンハント」以来、彼の演技が好きで地味に出演作はチェックしてしまう隠れ福山ファンです(半分ウソ)。今回はバシバシの恋愛物じゃん、うむ、観たいぞ、恋愛モードな福山の演技www。ではでは本作の見所や製作秘話含め紹介していきたいと思います。
「マチネの終わりに の石田ゆり子はミスキャスト?名セリフが寒過ぎてイライラ」
作品情報
2019年公開 日本 ジャンル: 恋愛ドラマ 監督 西谷弘 原作 平野啓一郎 出演者 福山雅治、石田ゆり子、伊勢谷友介、桜井ユキ
あらすじ
パリでの公演を終えた世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史は、パリの通信社に勤務するジャーナリストの小峰洋子と出会う。2人は出会った瞬間から惹かれ合い、心を通わせていくが、洋子には婚約者である新藤の存在があった。そのことを知りながらも、自身の思いを抑えきれない蒔野は洋子へ愛を告げる。しかし、40代の2人をとりまくさまざまな現実を前に、蒔野と洋子の思いはすれ違っていく……。(映画comより抜粋)
90年代トレンディドラマ並み?SNS時代に男女がすれ違う恋愛を描く難しさ
パリ、NY、東京を舞台にすれ違う男女の恋模様を描く本作ですが、その「すれ違い」描写が上手くいっているかは、微妙です。
例えばテロに巻き込まれた洋子の安否が分からずメールの返信もない中で焦る聡史、、、な展開から突然、洋子からテレビ電話が繋がり2人は予期せぬ再会を果たす流れ。テレビ電話で再会って、、味気ないでしょ、それ(笑)聡史がテレビ電話で話しながら「はぁ〜洋子さん無事で良かった」と安堵の溜息を漏らす場面も「そんなに心配ならパリまで飛んでいかんかい、聡史。その展開こそ恋愛ドラマの醍醐味だろうが」と自分勝手なツッコミを入れてしまう残念さ加減。
他にも、聡史と洋子が心惹かれ、東京で待ち合わせの約束をするも恋敵の痛いマネージャーに邪魔される場面とかも微妙です。
まず恋敵となる女性マネージャーのキャラ設定からして微妙。常にアタフタしてる絵に描いた様なマネージャー像でリアリティ無し。この人が出てくるだけでシリアスな恋愛映画の雰囲気が、一変トレンディドラマ状態に。
おまけに聡史が洋子と連絡を取ろうとすると「スマホが壊れて洋子さんと連絡がつきません」とふざけた事を抜かす、女性マネージャー(笑)
恋敵である女性マネージャーの嘘に「そうか、、分かった」と苦渋の表情を浮かべながら、あっさり騙される聡史。そして愛する洋子との再会を諦めてしまい、、それがきっかけで4年間、洋子と疎遠になる展開、オイオイ、ちょっと待てィwww
「スマホ使ってるならデータ復旧出来るでしょ、それ!iCloudを使うのだ、聡史さん!音楽家だからってスマホに疎過ぎるでしょ!」
、、、魂のツッコミが炸裂してしまいましたwww
しかも洋子って会社勤めの記者な訳でして、、正直、探して連絡取ろうと思えば取れる気もするし。勤め先の本社に聞くとか。
でもまぁ、これって難しい問題ですよね。今はバリバリのSNS時代。スマホもあるし。そもそもすれ違う事が無い。そんな時代に男女のすれ違う恋を描く事の難しさですよね。
現代のテクノロジーの便利さが本作の「男女のすれ違う恋愛」ドラマに、水を差しまくりなんですよね、ホント。便利なテクノロジー有する現代社会を舞台にした結果、恋愛ドラマの展開がチグハグになってしまっています。
それと「マチネの終わりに」では福山雅治と石田ゆり子のラブシーンも不満でしたね
中年の男女カップルのラブシーンがキスだけってのも物足りない(笑)彼氏から洋子を奪う、略奪愛的な要素も秘める聡史と洋子の関係なら、そこはやっぱりキスだけじゃなく、濃密なベットシーンも欲しかった(笑)。まぁ、そこは福山雅治のイメージ的に駄目だったのかなぁとか勝手に予想してますけどね。
こういった男女の恋愛描写のヌルさ含めて、90年代トレンディドラマ並み。ちょっと観ててキツイ、、映像が綺麗なだけに残念過ぎます。
小説を映像化する事の弊害か。生身の人間を通して発する詩的な美しい言葉の違和感と寒さ
原作「マチネの終わりに」はベストセラー小説。その魅力は登場人物が発する詩的な美しい言葉の数々。
と、言う訳で劇中でも美しい言葉の数々が俳優達の口から発せられるのですが、これがもう、何ともイマイチ。
特に酷いのが洋子役を演じる石田ゆり子。フランス語と英語を嗜む記者というハイスペック女子な洋子なんですが、、まず外国語のクオリティがキツイです。フランス語はまだ自然な感じの発音なんですが英語が微妙。海外で取材する記者とは思えないたどたどしい発音。
石田ゆり子が英語を喋る時の表情も「私、これでもう精一杯です、ごめんなさい」という雰囲気が画面から伝わってくる始末。
特に共演者に伊勢谷友介がいますし。海外での演技経験も豊富な
伊勢谷友介の英語は観ていて、めっちゃ様になってるんです
彼の隣で同じく英語を喋る石田ゆり子の英語の酷さ、、公開処刑レベル。
更に原作の魅力である美しい言葉が仇となります。カフェで洋子が自分の仕事観を語る時に
「この仕事は四方八方から近くから遠くから、あらゆる事が運命を貫通していくの」
うーむ、美しい言葉、、でも外国語をまともに喋れない貴方が語る仕事観は説得力に欠けます、何となく(笑)
折角の美しい言葉がスベってますし、寒い。洋子が意識高い系痛女に見えてしまいます。語学力含めた演技力、、俳優には大事な要素ですよね。
映画「マチネの終わり」に於いては残念ながら石田ゆり子はミスキャストだったかもしれません。そもそも小説という想像によるイメージが大半を占める原作を映像化する事の弊害ですかね、これって。小説の中の人物が発する美しい言葉を生身の人間である俳優が実際に台詞として発するのとでは、言葉の美しさの意味合いに雲泥の差があるでしょうし。
そんな感じで役作りに苦戦してる石田ゆり子とは逆にさすがのさすが!な良い演技を披露してるのは福山雅治。詩的な美しい言葉、、正直、日本人は絶対こんな事言わないだろう的なキザな言葉もしっかりキメてくれます。
「もし洋子さんが地球の何処かで死んだって聞いたら僕も死ぬよ」
この歯の浮く様な言葉を真顔で違和感なく発する事が出来る、この人やっぱ凄い。
長きに渡り、芸能界イケメン枠のトップに君臨する人間は半端じゃないな。福山雅治の演技力の底力、凄いっ!
正直、原作の持つ美しい言葉をしっかり体現出来ていたのは福山雅治だけです。そもそも物語の展開もイマイチな本作に置いて「福山雅治のサマになってるイケメン演技」が唯一の救いとなりました。
音楽家・蒔野聡史の非凡な才能を描き切れない演奏シーンは迫力不足
本作の不満点は肝心のクラシックギター演奏シーンでも散見されます。
特に音楽家・蒔野聡史の非凡な才能が分かりにくい所です。その際たる場面はラストのコンサートホール「サル・ガヴォー」での演奏シーンです。
「聡史と洋子が何故すれ違い結ばれなかったのか」、その真相を知った聡史が洋子を想い後悔と怒りの叫びを上げる流れからラストの演奏シーンへと繋がっていくのですが、ここがダメダメです。
聡史は洋子を思い感情が爆発。要するに音楽家として覚醒してる状態なんです。
覚醒した音楽家・蒔野聡史がコンサートホールで洋子を思い演奏する、、、さぞや凄い演奏シーンになるだろうと期待するのですが、、あれ?そうでもない?
盛り上がりに欠け起伏のないクラシック音楽を奏でる聡史。そんな彼のギターを弾く美しい指使いのアップ、、、それだけ。
覚醒した音楽家・聡史の奏でる音が聴衆に、若しくは会場にいる洋子に訴えかける場面が余りにも少ない。これ致命的でしょ。クラシック音楽自体が盛り上がりに欠けるなら、その分、カメラワークで盛り上げて迫力出さなきゃ、、製作陣さん。
ミリオンアーティスト福山雅治のギター演奏シーンが迫力無いって
福山雅治映画としてもアウトな出来でしょ!
今回、役作りで新たにクラシック奏法なる難しいギター奏法を習得し代役無しで撮影に望んだ福山雅治。彼の気合いに全く報いる事が出来ていない製作陣、サイテーです。そんな演奏シーンの迫力不足にテンション、ガタ落ちとなりました。
製作秘話
- 福山と西谷監督はガリレオシリーズ等のドラマ、映画で度々、仕事を共にする旧知の仲。
- クランクイン3ヶ月前から福山はクラシックギター特有のクラシック奏法の猛特訓に臨んだ。福山曰く「クラシック奏法の美しい指使いの習得に苦労した」と語っている。
- 福山の演奏シーンを監修したクラシックギタリスト福田進一は福山のクラシック奏法について「ここまで完成度が高くなるとは思ってなかった。福山さんの傑出した集中力と忍耐力、努力の力です」と絶賛。
- 劇中で福山と共演した外国人ギタリストは世界的に有名なクラシックギタリストのティボー・ガルシア。本人役で出演。ガルシアは福山のクラシック奏法について「クラシックギターがどれほど難しい楽器か僕はよく知っている。福山があそこまで上手に演奏することに驚いた」と語っている。
- パリの撮影は日本人とフランス人スタッフの合同で行われた。フランス人スタッフとの仕事について石田ゆり子は「フランス人スタッフは演技で失敗しても投げキッスで返してくれたりして愛情に溢れている」と語っている。
- 石田ゆり子は役作りの為、2ヶ月間、英語とフランス語の猛特訓をした。
- 「マチネ」はコンサートや演劇の世界で昼の公演を意味する言葉
総評
久々にイヤ〜な感じのする邦画を観ました。以前、福山雅治が主演した珍作アクション映画「マンハント」を観て以来のハズレ作に。
「パリとかNYってオシャレじゃん。そこで福山雅治にキザな台詞言わせとけばいんじゃね?ヒットするでしょ?原作ベストセラーだし」
みたいな。テレビ村から来た製作陣のダサいセンスが仇となり、出来の悪いトレンディドラマ状態でした。便利な情報社会で「すれ違いの恋愛」を描くのは難しいんだよっ。だからこそ、センスある脚本が必要なのに、それが無い。ホント、気合いが足りんぞ、製作陣よ。
チグハグな物語の中、演技で何とか作品の質を支えようとした福山雅治に謝って欲しいレベルですよ、製作陣の皆さん(誰目線ww)
演奏シーンも迫力無かったし。これなら福山さんが実際にアリーナやドームLiveで弾いてるギターの演奏シーンを劇中にぶち込んどいた方が良かったんじゃないだろうか?その方がマシな気もww
恋愛映画としては最悪。福山雅治ファンムービーとしてもイマイチな出来でした。
マチネの終わりには面白いのか?オススメ度は?
オススメ度 40点
何か個人的に嫌い❗️
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本ページの情報は2021年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
↓Amazonで豪華版もポチりましたが高かった、、(泣)
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作