指3本ハゲ頭のアンハサウェイに批判?映画魔女がいっぱいのネズミ冒険譚がつまらないのは原作のせい!

こんにちは、ぽんぽです。さて久々にアン・ハサウェイの主演映画が公開されますね。正直、「プラダを着た悪魔」の印象しかない女優さんです。実はそんなに好きって訳でもないのですが、時間帯の関係上、本作しか劇場で観れなかったので仕方なく観てきました(失礼w)。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

「魔女がいっぱい 30点(感想ネタバレ)」

予告編

作品情報

2020年劇場公開 アメリカ
ジャンル:ファンタジーコメディー
監督 ロバート・ゼメキス
脚本 ロバート・ゼメキス、ギレルモ・デル・トロ、ケニア・バリス
原作 ロアルド・ダール
出演者 アン・ハサウェイ、オクタビア・スペンサー、スタンリー・トゥイッチ、クリス・ロック 他

あらすじ

1960年代、とある豪華ホテルに現れた、おしゃれで上品な美女。しかし、彼女の正体は誰よりも危ない邪悪な大魔女(グランド・ウィッチ)だった。この世に魔女は実在し、世界中に潜んでいる。いつまでも若く、おしゃれが大好きな魔女たちは、人間のふりをして普通の暮らしを送りながら、時々こっそりと人間に邪悪な魔法をかけている。そんな魔女たちの頂点に立つ大魔女が、魔女たちを集め、ある計画をもくろんでいた。そして、ひとりの少年が偶然魔女の集会に紛れ込み、その計画を知ってしまうが……。(映画comより抜粋)

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指3本ハゲ頭のアン・ハサウェイに批判?

ハリウッド女優アン・ハサウェイと言えば兎に角、「プラダを着た悪魔」のおしゃれでお茶目なイメージですよね。となると、本作でも当然ながら、そんなアン・ハサウェイを期待するのですが、、

本作では、おしゃれでお茶目なアン・ハサウェイはほぼ観られません。
アンハサウェイ演じる大魔女は三本指は鉤爪、ただれたハゲ頭で髪はカツラ、おまけに耳まで裂けてる口などビジュアルが結構グロテスク。アン・ハサウェイからすると、新たな役を演じて自身のイメージ刷新を図ったのでしょうが、ハサウェイ好きからすると、こんなグロいハサウェイは観たくないんですよね。おしゃれ服のお披露目も大魔女としての初登場シーンぐらいで物足りないのが残念です。

そして、アン・ハサウェイ演じる大魔女のビジュアルは世間から思わぬ批判を浴びているのです。
指が欠けていたり、ハゲ頭だったりと特殊メイクで体の欠損を表現した異形の大魔女ですが、これは障害者への差別ではないか?という批判が上がっているのですが、正直、批判も当然かと。
何故なら本作では原作に忠実で魔女を「恐ろしい異形の悪」としてストレートに描いている所が問題なんです。
指が欠け、ハゲ頭の恐ろしい異形の存在が子供達をネズミに変えて殺そうとする設定って、要するに体が欠損している存在を「恐ろしい悪」と描いている訳でして。それって指がなかったり、病により髪の毛がないなど、体に欠損部分を抱える障害者を「恐ろしい」と言っているのと同じ事で、そりゃ障害者差別と受け取られ批判されるのも当然かと思うのです。

あと、主演アン・ハサウェイ演じる大魔女のキャラクターが全然魅力的じゃないんですよね。
大魔女の内面的な掘り下げは殆どないので、単に子供達を殺そうとする悪い魔女ってだけの存在なのがイマイチです。どうせなら、大魔女が何故、子供を嫌いになったのかを描いて欲しかったですね。
肝心の大魔女の魅力が無いからこそ、逆に大魔女の差別的なビジュアルに注目が集まってしまっている感じです。
大魔女が唯の悪者で魅力が無い!

祖母役オクタヴィン・スペンサーが観たいのに!ネズミ冒険譚がつまらない理由!

大魔女が作った世界中の子供をネズミに変えてしまう劇薬「ネズミニナール」でネズミにされた黒人少年「ぼく」は大魔女の企みを阻止すべくネズミの姿で奮闘する冒険譚がメインなのですが、、

メインとなるネズミの冒険譚がつまらないのです。
まず、CGで描かれるリアル目なネズミが可愛くないし、大魔女に立ち向かう、ぼく、デイジー、ブルーノの子供ネズミはキャラクターとして普通過ぎるのです。

更につまらなく感じる要因としてはおばあちゃん役オクタヴィア・スペンサーを活かせないストーリー展開なんですよね。
魔法や魔女への知識が豊富な物知りおばあちゃん役のオクタヴィア・スペンサーはめっちゃ魅力的です。親を亡くした孫の「ぼく」を女手一つで育てる肝っ玉ぶりが素敵なんですよね。「人生は試練であり不公平なんだよ。でも負けるんじゃない」と厳しく優しく孫を導く教えが胸に響く理想のおばあちゃん。

そんな魅力的なおばあちゃんを描き切れず、唯のネズミの冒険譚になってるのが嫌です。
もっとオクタヴィア・スペンサーとアン・ハサウェイの演技合戦が観たかった。もっと言うと、おばあちゃんと大魔女の魔法バトルが観たかったのに結局はCGで描かれる子供ネズミ達のありきたりなつまらない冒険を観せられるのが退屈でしたね。

って言うか、冒頭であれだけ「ぼく」とおばあちゃんの関係性を丁寧に描いたなら、「ぼく」をネズミにする流れは無しで、単純に人間のままの「ぼく」とおばあちゃんが大魔女に立ち向かう物語の方がシンプルで良かった気さえするんですよね。
ネズミの子供らが「わーわーきゃーきゃー」言いながら逃げ惑う姿はどうでもいいから、おばあちゃん役のオクタヴィア・スペンサーと孫である「ぼく」の家族ドラマをガッツリ描いて欲しかったんですよね。

まぁ、恐らくメインとなるネズミ冒険譚でさえ、つまらない理由は元のロアルド・ダール原作である児童文学「魔女がいっぱい」がつまらないからでしょうね。
ネズミ冒険譚じゃなく、おばあちゃんと僕のシンプルな家族ドラマがもっと観たかったゾ!

トランプ時代アメリカの分断を助長する結末は流石にマズいでしょ!

子供ネズミのつまらない冒険譚のすえ劇薬「ネズミニナール」で大魔女を倒す方法も、やっぱり平凡でつまらないラストバトルに、ガッカリです。

そして、最後はネズミのままの姿を受け入れる黒人少年「ぼく」に感情移入出来ない微妙な結末が待っております。
大魔女を倒すも黒人少年「ぼく」は元の姿には戻れずネズミのままという意外な展開へ。そこで「ぼく」は「ありのままでいい。ネズミのままでもいいんだ」と言って残りの人生をネズミとして生きる事を受け入れるんですが、それ、無理ありませんかねw。

たしかに大好きなおばあちゃんの教えである「人生は困難で不公平だから強く生きろ」に倣い「ぼく」がネズミである事をポジティブに捉えたからこその決断なんですが、「流石にネズミのままは人生はいくら何でもキツいだろ!」とw。人間がネズミとして生きていくという、苦行もアッサリ決断する「ぼく」に感情移入が全く出来ないんですよね。

それと気になる点としては「ありのままの姿」として選んだ人生がネズミである所はイマイチ過ぎます。
何故なら「ぼく」の本来のありのままの姿であるアイデンティティは「黒人」である事だからです。そこは「ネズミ」としてではなく、ありのまま生まれながらの「黒人」として生きていく決断をする方が感動的なのに、、、ネズミは無いでしょ、、(泣)。
現在のトランプ時代アメリカでは黒人差別反対運動「Black Live Mater」が吹き荒れてるからこそ、劇中の「ぼく」にも黒人としてのアイデンティティを打ち出すメッセージが欲しかったですね。その方が観てる側も共感するのに。

更に微妙と言うか個人的には最悪と思うのがエンディングです。
ネズミとしての人生を送りながら世界中の魔女達を倒すべく奮闘する「ぼく」。「ぼく」は魔女の恐ろしさを大勢の子供達に教え、劇薬「ネズミニナール」を配り「魔女達をやっつけるんだ!」と高らかに宣言し子供達を鼓舞するシーンで終わるラスト、、これ最悪です。

劇中で多くは語られなかった魔女を単なる悪と決めつけ、「やっつけるぞ」と種族そのものを殲滅する宣言するのは非常に差別的だし、結構、暴力的だし。トランプ時代に突入したアメリカではただでさえ、人々が人種や政治イデオロギーで対立し分断してるのに、それを助長するラストはマズいでしょ!なんです。
子供向けのファミリー映画なら「悪い魔女のいるけど、中には良い奴がいて、その魔女とは仲良く出来るかもね」位に、少しだけ平和的で理解あるラストにしてほしかったのに、ゴリゴリに戦争宣言してしまう、このトンチンカンさが嫌です。

「Black Live Mater」運動が吹き荒れ、多様な価値観を認めようという現代の風潮とはズレた価値観が満載でいちいち「はぁ?何言ってんだ?」と文句垂れたくなります。これって、ロアルド・ダール原作である児童文学「魔女がいっぱい」自体が昔の作品過ぎて、現代の価値感を反映出来ていないんですよね。

結果、今観ると、古臭い雑な価値観オンパレードで、そもそも映画化する時点での原作チョイスミスが全てかと。

総評

アン・ハサウェイ演じる大魔女のビジュアルが障害者差別と批判を浴びるのも納得ですし、CGネズミの冒険譚はつまらないので「観たいのはこれじゃ無い」感がずっとつきまとう残念な出来です。

更に子供に向けた「ありのままの自分でいい」メッセージが白々しく感じるのは、その描き方が雑だからという、残念さ。

トランプ時代のアメリカでは、むしろ差別や分断を助長しそうな、ズレた価値観オンパレードで、アン・ハサウェイやオクタヴィア・スペンサー出演作でよくも、こんな凡作が作れるなとゼメキス監督には感心してしまうほど(ゴリ皮肉w)。

まぁ、原作自体がかなり古臭い価値観の作品なので、本作が面白くないのは原作のせいでしょう、多分w。

製作秘話

  • ロバート・ゼメキス監督お気に入りのキャラクターは魔女たち。監督曰く「彼女たちの悪なる甘美さと迷いのない邪悪さに引き込まれるんだ」と語っている。
  • 原作「魔女がいっぱい」の著者ロアルド・ダールの魅力について主演アン・ハサウェイ曰く「彼の想像力は素晴らしいわ。子供向けの本は優しく甘ったるい内容になる事が多いけど、それがないの。世の中には悪い人もいるけど、打ち勝てるという、とても現実的なメッセージを与えてくれるのよ」と語っている。
  • デイズーを飼育している冒頭のごく一部のシーンでは本物のネズミを使用し撮影しているが、それ以外のシーンは全てコンピューターグラフィックで表現されている。

魔女がいっぱいのオススメ度は?面白いのか?

オススメ度   30点

何か個人的に嫌い❗️

↓U-NEXTで「魔女がいっぱい」視聴可能です!

本ページの情報は2021年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

オススメ度とは?

0〜20点・・・サイテー激ヤバ作

30〜40点・・・何か個人的に嫌い

50〜60点・・・個人的に超好き

70〜80点・・・万人に勧める良作

90〜100点・・・最高な超傑作

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ハリウッド大作から劇場未公開なマイナー作品まで日々映画鑑賞。ちょっとした映画の感想、好きな俳優の事を気ままに記事にしてます。

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