こんにちは、ぽんぽです。「インビジブル」以来ですかね?最近になって透明人間を題材にしたホラー映画が公開されました〜。前評判がめっちゃ良い事も聞いていたのでウキウキと軽い足取りで劇場へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「透明人間 80点(感想ネタバレ)」
作品情報
2020年劇場公開 アメリカ ジャンル:ホラー 監督 リー・ワネル 脚本 ジェイソン・ブラム、リー・ワネル 出演者 エリザベス・モス、オリバー・ジャクソン=コーエン、オルディス・ホッジ、ストーム・リード他
あらすじ
富豪の天才科学者エイドリアンに束縛される生活を送るセシリアは、ある夜、計画的に脱出を図る。やがて彼女の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、命まで脅かされるように、、(映画comより抜粋)
目次
・透明人間により日常生活が壊されていく恐怖!
・スタイリッシュな透明スーツで警官相手に無双!
・サプライズ考察!ラストの意味はエリザベス・モスの表情で読み取るべし
・総評
・製作秘話
・透明人間のオススメ度は?面白いのか?
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透明人間により日常生活が壊されていく恐怖!
DV野郎エイドリアンから逃げ出したセシリアは日常生活に於いても何故か、死んだ筈のエイドリアンの影を感じる毎日。同居人ジェームズや妹エミリーも最初は長い間、虐待に晒されていたセシリアに親身になるも「透明人間になったエイドリアンが近くにいるの!」と病んだ態度で叫ぶセシリアを周囲が信用しなくなる流れが、ヤキモキして最高です。セシリアを嘲笑うかのように同居人や妹に危害を加え、セシリアの人間関係を絶っていく透明人間の存在は執着と悪意の塊で、これぞ「モンスター」な感じ。 そしてセシリア役の主演エリザベス・モスの焦燥感と絶望に満ちた演技も最高です。 透明となり姿が見えないエイドリアに対して「私にはもう何も残ってないの。貴方が全て奪ったでしょう」と自分を苦しめる透明人間に許しすら乞うエリザベス・モスの表情は胸を締め付けられる悲壮さ。虐待により支配と服従が当たり前になってしまった、かわいそ過ぎる女性像をリアルに体現する彼女の演技の素晴らしさったら!「あっこの映画は凄い映画だ」と一瞬で確信してしまいますわw。 正に透明人間による日常生活が壊されていく恐怖を追体験させてくれる、主人公セシリアを見事に演じております。
スタイリッシュな透明スーツで警官相手に無双!
さて本作の透明人間は兎に角、スタイリッシュ! 透明人間って言うと薬の投与により透明になる設定がスタンダードですよね、「インビジブル」みたいな。 しかし本作はそこが違い、何と最先端の透明になる特殊スーツにより透明人間に! 無数の小型カメラが搭載された透明スーツは光の屈折やホログラム映像により透明になる設定で、まぁ格好良いw。プレデターとか攻殻機動隊の光学迷彩っぽいスタイリッシュな透明っぷりが最高! この現代的な透明人間の姿が大好き過ぎてメロメロですw。 そして本作の透明人間は「暴力の化身」として圧倒的な強さを誇ります。 透明人間エイドリアンの存在に気づいた主人公エミリアは助けを求めるも喉を裂かれ、ボコボコに殴られ、銃で撃たれ、と周囲の人間が次々と透明人間エイドリアンの魔の手にかかる状況がヤバくて楽しいです。警官相手にも一切引かず、叩きのめしていく無双っぷりが最高に「モンスター」してますw。一応、透明人間エイドリアンは研究者なので、それにしては強過ぎる疑問も湧きますが、エイドリアンは元々DV野郎なので暴力はお手の物なのかもと納得も出来たり。まぁ姿が見えない透明なら躊躇なく相手にも暴力を振るうって意味ではやっぱり最強でしょうし。特に透明人間の襲撃により、ノーガードの不意打ちで顔面を殴られ倒れていく警官達の姿が中々にバイオレンスで盛り上がります。何よりも躊躇なく暴力を振るう奴が突然目の前に現れる恐怖ってかなりの物でスタイリッシュでありながら、ホラー要素も抜群なのも楽しいんですよね。スタイリッシュな透明スーツに身を包んだ透明人間は格好良いけど怖いっていう、何とも魅力的でズルいモンスターにw。 そんなスタイリッシュ透明人間エイドリアンに戦いを挑む主人公エミリアの燃える展開! 同居人ジェームズと娘シドニーに危険が及んだ事がきっかけで主人公エミリアは銃を持ち透明人間との戦いへ。守るべき者の為に戦いを決意したエミリアは魅力的なんですが、同時にエイドリアンの子を妊娠してる事も判明するんですけど妊娠した事でエミリアの中にどんな感情が芽生えたかは今ひとつ分かりにくいのが難点ですかね。 とは言え、絶体絶命の恩人ジェームズとシドニーの元に駆けつけ透明人間に銃弾を撃ち込む主人公エミリアの姿は爽快だし苛烈だし何処か切ないし、、好きw。 あっ、この透明人間を銃殺するシーンなんですが、透明スーツがハイテクなので「もしや防弾仕様も兼ね備えてるのでは?」と要らぬ心配をしながらハラハラと観てましたが、そこはあっさり死にましたね(ホッとしたw) それと、ふと思ったのですが劇中でエミリアが消化器を噴射して透明人間を炙り出す、あの戦い方は「インビジブル」へのオマージュだったりするんですかね?。 この消化器戦法、好きなんだけど、もっと有効な戦い方ありそうとも思ったりw。 自分なら透明人間のいそうな空間に向けて満遍なく銃を乱射して、数撃てば当たる戦法を取るけどなぁw。うむ、古典的モンスター「透明人間」の殺し方を真面目に考える、イタイ奴です自分w。
サプライズ考察!ラストの意味はエリザベス・モスの表情で読み取るべし
死闘の末、撃ち殺した透明人間の正体は何とエイドリアンの兄トムだった事が判明。 透明人間だと疑われていたエイドリアン自身は監禁されていた為、無実となり釈放へ。うーむ、この透明人間の正体をミスリードする上手さはハリウッドならでは。やっと透明人間との決着が付いたと思ったら、まだまだサスペンスフルな展開が続きそうな予感にワクワクw。 さて、この透明人間の意外な正体にはエミリアも納得出来ず、それは視聴者も同様で 「透明人間は兄のトム?いや、そんな訳ないだろ!エイドリアンに決まってるじゃん!」 と言う気持ちに。 その気持ちに呼応する様に主人公エミリアは釈放されたエイドリアンに自らの手で復讐するラスト展開が最高にシビレます。 エミリアは自らが「透明人間」となりエイドリアンを自殺に見せかけて殺すのです! 透明スーツに身を包んだエミリアがナイフでエイドリアンの喉を掻っ捌くシーンは痛快。劇中で透明人間に散々苦しめられた主人公エミリアに同情しまくってる身としては 「くたばれや!DV野郎エイドリアン!ヒャッホーイ!」と小躍りしたくなる程に爽快です。 そしてエミリアは透明人間エイドリアンの口癖「サプライズ」をこれ見よがしに使い、死に絶える寸前のエイドリアンを見下ろしながら「サプラ〜イズ」と皮肉たっぷりのお返しを炸裂させます。この時のサプライズ台詞をカマすエミリア役エリザベス・モスの表情が堪らんですな。憎しみと別離と達成感の全てを兼ね備え、これぞ復讐(リベンジ)と言える最高の殺人シーンがラストに拝めます! ラストの痛快な復讐劇に「ムフゥ〜」と大満足の溜息をする自分ですが、ふと思うのは「あれ?主人公エミリアってこんなに怖くて凶暴だったかな?」と。 どちらかと言うと「心身喪失気味の弱者であったエミリアが驚き(サプライズ)の凶暴さで復讐を遂げたラストが意味するメッセージは何だろう?」 むむ、これはヌルい考察ならぬ、サプライズ考察したくなりますな(上手い事言ったw) まず、よくよく考えてみるとエイドリアンが透明人間だったかどうか不確かですよね。確かに透明人間の口癖「サプライズ」だったり、透明スーツが自宅にあったり、とエイドリアンが透明人間である状況的な証拠はあるのですが、それは兄トムが成り済まそうと思えば成りすませる訳で。更に言うとエイドリアンは虐待は認めるも自分が「透明人間として人を襲った」事実は一貫して否定しているし。要するにエイドリアンが透明人間である決定的な証拠な無い事に気付きます。 となると「透明人間はやっぱり兄トムでエイドリアンは無実かも、」との考えに行き付き「あれ?って事は主人公エミリアは勘違いでエイドリアンを殺してしまったのかも」との考えに。 この点についてはエイドリアンの喉を掻っ捌いた時に浮かべた主演エリザベス・モスの表情から読み取る事が出来そうです。と言うのは主人公エミリアにとってエイドリアンが透明人間かどうかは既にどうでも良くて、単に虐待への復讐として殺しただけなのかもしれません。そしてエミリアを復讐に駆り立てたのは実は透明人間になれる、あのスタイリッシュな透明スーツの存在が大きいかと。 透明スーツにより「姿が見えないんだから、法で裁けないエイドリアンを殺しても問題無い」と主人公エミリアは思い立ったのでは無いのでしょうか。でも、その「姿が見えないから、何してもいい」って考えは透明人間そのものですよね。 スタイリッシュな透明スーツに身を包んだエミリアは「姿が見えない」からこそ凶暴になり、復讐の為に躊躇なくエイドリアンを殺すっていう、ね。エミリア自身も透明人間と言うモンスターの仲間入りをはたしてしまう、この皮肉っぷりw。 それと「姿が見えない」から躊躇無く人を傷つける透明人間ってSNS上で他人を誹謗中傷してる奴らにめっちゃ重なりますよね。本名も顔も分からない匿名アカウントの奴は透明人間みたいなもんですしw。 「姿が見えない」状態の人間はモラルが低下する! って事を如実に描いてるのが本作で、兄トムも恐らくエイドリアンも、主人公エミリアもそこは同じ穴のムジナですな。その上、ラストシーンではエミリアの恩人である警官ジェームズも透明人間となり復讐を果たした主人公エミリアの殺人を黙認する所が何とも言い難いく強烈w。警官ジェームズも「姿が見えないなら殺人を犯したエミリアも罪には問われないだろう」と判断し、ワザと見逃してしまうのが最高に後味悪くて好きですw。 そんな強烈な風刺は視聴者にも向けられ、エイドリアンが首を掻っ切られた姿に「ざまぁみろ」と思っていた視聴者に対しても「姿が見えない透明人間になったら、どうせ貴方も同じ様な酷い事をするんでしょ?」との問いを割と強めの豪速球で投げつけてきますw。 こんな感じで復讐を遂げたエミリア役エリザベス・モスのサプラ〜イズな凶暴さに見る、ラストの意味は「姿が見えなくなったら誰もが凶暴になり透明人間の様なモンスターになりまっせ」 と言う、サプライズ考察、、でもなんでもない普通の考察してみましたw。 それにしても流石は「ゲットアウト」を手掛けた製作会社ブラムハウス・プロダクション! 善悪関係無く、全ての登場人物達と全ての視聴者へ向けて全方位で現代社会のクソな部分に対する強烈な問題提起をしながらも、エンタメ作品として成立させるブラムハウス・プロダクションの作品作りには凄みを感じます。
総評
スタイリッシュな透明スーツに身を包んだ現代的な「透明人間」が格好良くて大好きです。 透明人間の正体を上手くミスリードする脚本、主演エリザベス・モスの演技など全てが一級品です。 そして意味深なラストに思わず、サプライズなヌルい考察を垂れ流しちゃいましたしw 何より「透明人間」という古典的なモンスターを使い現代社会への問題提起をブチかます、製作陣の強烈なクリエイター魂が素晴らし過ぎます! 透明人間を題材にした映画って殆ど無いですが、個人的に大好きな映画「インビジブル」を超える、ゴリゴリの良作に出会えました。スンゴイ映画でしたわ、うむ、、。
製作秘話
- セシリア役の主演エリザベス・モスは大変だった撮影としてキッチンで透明人間と戦うシーンを挙げている。壁に叩きつけられたり、投げなられ吹っ飛ぶシーンの激しいアクションも本人が演じている
- セシリアと透明人間がキッチンで戦うシーンは当初、長回しで撮影する予定だった。しかし透明人間役の緑スーツを着たスタントマンを消す映像編集が上手くいかず、仕方なくカットを割って撮影された。
- 主演エリザベス・モス曰く、「エイドリアンとディナーを食べる終盤のシーンを撮影開始すぐの1週目に撮ったが演技面で大変だった」と語っている。
- 透明スーツの製作に至った経緯についてリー・ワネル監督は「透明になる能力について説得力を持たせる為に軍事技術に着目した。その方が薬を飲んで透明になるより観客も納得するだろ」と語っている。
- 本作で透明人間をVFXで作り上げた制作会社は映画「アップグレード」でも活躍するVFX製作会社
- 映画公開当初、無数のカメラが搭載する透明スーツは映画ファンの間で「どういう仕組みのスーツなのか分からない」と話題になった。リー・ワネル監督曰く「無数のカメラでホログラムを映し出す事で透明になるんだ。この設定を大学の研究者に聞いた所、理論的には可能だそうだ」と語っている。
透明人間のオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 80点
万人に勧める良作❗️
↓U-NEXTで「透明人間」&「インビジブル」視聴可能です!
本ページの情報は2021年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作