こんにちは、ぽんぽです。「アダムスファミリー2」以来、十数年ぶりにアニメ映画で復活!実写ではひたすらウェンズデーの可愛さに萌えていた身としてはアニメ版はどう楽しもうか思案中ですw。それにしても公開中なのに、あまり評判も聞かないのですが面白いのかな?、、。若干の不安を残しつつ鑑賞へ。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。

目次
「アダムスファミリー 30点(感想ネタバレ)」
作品情報
2020年劇場公開 アメリカ ジャンル:ホラーコメディーアニメ 監督 コンラッド・バーノン、グレッグ・ティアナン 脚本 ポール・ラドニック 出演者 オスカー・アイザック、シャーリーズ・セロン、クロエ・グレース・モレッツ、フィン・ウルフハード
あらすじ
人里離れた山奥で結婚式を挙げたモンスターのゴメズとモーティシアは人間たちに故郷を追われ、丘の上の荒れ果てた屋敷にたどり着く。時は流れ、夫婦は長女ウエンズデーと長男パグズリー、執事ラーチとともに平穏な日々を過ごしていた。そんな中、パグズリーが一族にとって重要な儀式である「セイバー・マズルカ」を親戚たちの前で披露する日が近づいてきて……(映画comより抜粋)
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可愛くないウェンズデーは改悪!CGアニメキャラに欠けてる不気味さと怖さ!
ゴメズとモーティシアが結婚式を挙げるシーンや、ニュージャージーの屋敷に移り住むまでが語られる冒頭シーンは実写版1作目「アダムスファミリー」の前日譚とも言える内容でテンション上がります。 「へぇ〜アダムス一家の屋敷があるのはニュージャージーだったんだ。それとあの屋敷は元は精神病院だったのね。知らなかったなぁ」と、フムフムと頷く自分w。 ただし、早くもアダムス一家のキャラクターデザインに文句ありまくり状態となります。 まず本作のアニメ版ウェンズデーとバグズリーが可愛くないし不気味でも無いのです。 ウェンズデーには不気味さや怖さは無く、据わった目は単に眠そうな目にしか見えず、性格も今時の無気力な年頃の女子っぽさだけ。実写版で子役クリスティーナ・リッチが演じたウェンズデーには無表情と幼さゆえの無邪気な残酷さがあったのに、その雰囲気がアニメ版ウェンズデーには無いのです。 更にバグズリーの爆弾魔って設定も、不気味さや怖さは無く、ヤンチャで子供っぽいだけです。 実写版で子役ジミー・ワークマンが演じたバグスリーは物静かで頭の悪そうな笑顔が不気味で怖かったのに、アニメ版バグズリーには無いんですよねぇ。 要するにアニメキャラクターとなったアダムス一家はゴメズやモーティシア含め不気味さと怖さが皆無なのです。 特にフェスターに至っては本作では完璧に脇役な上に見た目も唯のおっさん、、。実写フェスターの面影と魅力は全く無し。 因みに今回のキャラクターデザインは世界的にヒットした実写映画「アダムスファミリー」に寄せてるのでは無く、1930年代にヒットした原作のキャラクターイメージに寄せてるらしいのです。 しかし全く可愛くないウェンズデーを見る限り明らかに改悪でしょ!状態に(泣)。 あと、そもそも不気味で怖いアダムス一家の「不気味で怖い」部分をCGアニメキャラに感じない問題です。 実写映画版に於いて、アダムス一家に不気味さと怖さを感じたのは恐らくウェンズデーを子役クリスティーナ・リッチが演じた事から分かる様に、生身の人間であるキャスト陣がアダムス一家を演じていたからです。人間にとって「こいつ不気味で変な奴だな。怖いな」って印象を抱くのは結局、生身の人間なんですよね。だからこそ、実写映画でウェンズデーとバグズリーを演じた子役のクリスティーナ・リッチとジミー・ワークマンが互いに無邪気に殺し合う姿が衝撃的に不気味で怖かった訳ですし。 実写版と比べるとCGアニメキャラには不気味さと怖さが欠けている為、アダムスファミリーと言えるのか?と疑問に思えてしまう事態となっております。
自分らしく生きるのは損!フツータウンの問題提起が今更過ぎてつまらない!
アダムス家の近くにある「フツータウン」は誰もが同じ様に普通(フツー)に楽しく生きてる街。うーむ、普通の街だから、フツータウン、、結構好きなセンスですw。 みんなと同じである普通が大好きな住人にとって、不気味で普通じゃないアダムス一家は邪魔な存在。結果、フツータウンを作り上げたマーゴはアダムス一家を追い出す企みへ。でもねぇ、フツータウンの「自分らしく生きるのは損!みんな同じがいい」と言う街のメッセージが多様性と個性を認める風潮の現代にそぐわないのは一目瞭然ですよね。 不満なのは、この敢えて「みんなが同じで普通に生きてる街フツータウン」と言う設定により、多様性と個性が認められずらい現代社会への問題提起を行うのが製作陣の狙いかとは思うのですが、それ今更過ぎる問題提起じゃないですか? 今やSNSやYouTube含め、多様で個性的な部分を武器に収入を得る人間は多数いる中で、改めて多様性や個性の大事さを訴えるのはズレてる気がするんですけど。 これからの時代、「普通、同じ」と言う考えで生きてると就職すら危ういのは余程の世間知らずじゃない限り、誰もが知る現実ですし。 「そんな事、言われんでも分かってるわ」なヌルい問題提起がつまらないですし、例えばピクサーアニメならば、そこの問題提起はもっと捻りを加えた深いテーマを入れてくるだろうなと思ったり。 困った事に子供向けアニメゆえ問題提起がヌルくなるのと同時に「アダムスファミリー」の魅力であるブラックユーモアもヌルくて残念なんですよね。実写版ではアメリカの歴史を嘲笑し人間の嘘を見抜くウェンズデーの強烈なブラックユーモアのセンスが本作のアニメ版ではほぼ見られない(泣)。そりゃ、大人が唸る様なブラックユーモアを混ぜても子供向けアニメだと、理解されず、スベリますもんね。 更に不満なのは多様性や個性を認めないバカ親としてアダムス一家のゴメズとモーティシアが描かれてる所です。 ウェンズデーとバグズリーに「アダムス一族らしくあれ」と言うゴメズとモーティシアは子供と向き合わない親の典型でガッカリ。不気味さが魅力の個性あるアダムス一家の父と母なのに「伝統あるアダムス一族と同じ価値観」を我が子であるウェンズデーとバグスリーに押し付けるってのが、フツータウンで「普通で同じ」である事を押し付ける住人やマーゴと変わらないのがイマイチです。 何よりも、不気味で怖いアダムス一家の夫婦が、この程度の子育ての問題にぶち当たってるのが違和感あるし、そんなゴメズとモーティシアの姿はアダムスファミリー好きとしては観たくないんですよね。 思えば実写版「アダムスファミリー」のゴメズとモーティシアは厳しく躾ながらもウェンズデーやバグズリーの個性を認め伸び伸びと育てる方針だった気がします。だからか実写版だとウェンズデーやバグズリーはアダムス一族らしく、不気味で怖くて、何処か楽しそうで好きなんですよね。 しかし本作ではウェンズデーもバグズリーもアダムス一族としての価値観を押し付けられてるだけの、唯の暗い子供でしか無い印象でつまらないんですよね。
アダムス一家の家族としての成長物語が雑!
本作が致命的なのはアダムス一家の家族としての成長物語が雑な所です。 長く迫害されてきたアダムス一族では「いざとなったら一族を守れる男であれ」との伝統により長男バグスリーには剣の腕前が求められるのです。 しかし、バグズリーは爆弾大好きなだけで剣の腕前はダメダメなのですが、父親ゴメズの期待から仕方なく、アダムス一族の奇祭マズルカで剣技を披露するも大失敗。 落ち込むバグスリーを見て父親ゴメズは自身の誤ちに気付き「お前は悪くない。私こそ謝る。お前の良さを殺そうとしていた」と長男バグズリーに言葉をかけるのですが、描き方が雑なんですよね。 余りにもあっさり自分の考えを改める父親ゴメズは単に子育てに一貫性の無いバカ親にしか見えないし、あれだけ爆弾大好きなバグズリーの強烈な個性に気付かなかったくせに、ラストで急に息子バグズリーの個性や良さに気付く流れも泣けないのです。だって、父親ゴメズと息子バグズリーの関係性が劇中で丁寧に描かれていた訳ではないからです。 もしも劇中で剣の腕前を求める父親ゴメズに反抗する息子バグズリー、みたいな関係性をもっと描いていたら、ラストの父親ゴメズが息子との向き合い方を改めるシーンも泣けるのに本作にはそれがありませんので(泣)。 アダムス一家を追い出そうと押し寄せるフツータウンの住人やマーゴから家族を守る為に剣では無く爆弾を使い、自身の個性を活かした方法で大活躍するバグズリーですが、バグズリー自身の成長をそれ程描いてない為、別に盛り上がらないのです。 更にはアダムス一家の危機に駆けつけるウェンズデーの描き方も酷いです。 マーゴの娘パーカーと友達になった事から母モーティシアの言う「アダムス一族らしさ」を退屈に感じ、家出した筈のウェンズデーが戻って来るのですが、ウェンズデーが何故、アダムス家に戻る決意をしたのか描かれてないのはダメでしょ!ってヤツです。 単にアダムス一家の危機だから駆けつけましたって描写がテキトー過ぎてウンザリです。 本作はバグズリーとウェンズデーが自分らしく個性的な生き方を見つけ成長する物語が描かれてないし、そんな子供達と向き合い考えをあらためていく父親ゴメズと母親モーティシアの気持ちの変化も描かれてないのです。 何て言うか、全体を通してアダムス一家の家族としての成長物語が雑なんですよね。 それってファミリーアニメとしては絶望的な気がするんですけど(怒)。 ラストのアダムス一家とフツータウンの住人を率いてきたマーゴとの決着もやっぱり雑です。 「自分達と違うからって否定しちゃいけないわ」との今更過ぎる結論に行き着き、アダムス一家とフツータウンの住人が和解するも、双方が争っていた経緯もそれ程描かれていない為、感動的とは言い難いのです。フツータウンの住人を焚き付けたマーゴとの和解シーンも無いのもイマイチですし。 アダムス一家の家族としての成物語としてつまらない上に、一家がフツータウンの住人に受け入れられるラストもつまらないって、ほぼ全部つまらないじゃん!状態ですなw

クリスティーナ・アギレラの歌声はパワフル過ぎて不気味な雰囲気の曲に合ってない!
最後はわりと地味な文句になりますが、本作の劇中で挿入される曲が「アダムスファミリー」のイメージに合ってない気がするのですがどうでしょうか?w オープニング曲「Haunted Heart」を歌うクリスティーナ・アギレラの歌声はパワフル過ぎて不気味な雰囲気の曲に合ってないのです。 Aメロ「あなたの悲惨さに魅了されたけど微笑むあなたが好き〜」はウェンズデーの無表情さをシックに歌ってるのですがサビに行った途端「ホーンテッド〜ハァ〜ウス〜!」と一気にパワフル過ぎるクリスティーナ・アギレラの歌声が前にガシガシに出てきて不気味さは何処へw。サビ歌詞「私のハートはお化け屋敷」の言葉には不気味さがあるのですが、いかんせんクリスティーナ・アギレラの持つ「陽」の雰囲気あるパッションボイスにより全てぶち壊しになってる気がするのです。 以前からクリスティーナ・アギレラの歌うアニメや映画の劇中歌はイマイチだと思ってたんです。 声だけで「私はクリスティーナ・アギレラよ!」って雰囲気が前面に出てきてしまうのでアニメや映画のイメージに合わない事が多いんですよね。 唯一イメージに合ってて良かったのは、自身が主演した映画「バーレスク」挿入歌くらいかと。 あと中盤で「Drop it Like it’s Hot」が流れるのも微妙です。 人気ラッパースヌープ・ドックの大ヒット曲で自分も大好きな曲なのですが軽快なアゲアゲソングなので、不気味さとは程遠いんですよねw。 クリスティーナ・アギレラにスヌープ・ドック、、。 「子供向けアニメにはパワフルだったり、軽快で楽しげな曲調のポップスやラップをぶち込んでおけば、観てる子供も退屈しないんじゃね?」 と言う、エンタメ映画制作に長けた製作陣の狙いは多少、理解は出来るのですが、本作は不気味で怖い「アダムスファミリー」である事を考えると挿入歌とアーティストが本作の作品イメージに合ってるかは微妙です。 正直、クリスティーナ・アギレラもスヌープ・ドックの曲はアダムス一家の人々は聞かないだろうし嫌いだろうなとか思ったりw。特にウェンズデーとか大嫌いそうw。
総評
「みんな同じじゃなくていい。個性を大事にしよう」と言うヌルいメッセージは大人からすると今更すぎる問題提起で退屈です。 ウェンズデーとバグズリーの成長物語が雑なので、そのメッセージの伝え方も丁寧とは言い難いですし。 更に可愛くないウェンズデーは改悪でしかない上に子供向けアニメ映画ゆえにブラックユーモアまでヌルめとなるとアダムスファミリーの魅力はほぼ見られない凡作CGアニメでつまらないです。 まぁ挿入される曲もアギレラとスヌープって時点で不気味さと怖さは何処かへ、、w。 唯一の見所は実写1作目「アダムスファミリー」の前日譚っぽい内容が少しある所ですかねw。 そう言えば、続編があるらしいのですが観に行くか微妙です。 ただハリウッド映画は続編で大化けする可能性もあるので、ほんの少しだけ期待はしてますけども、ねw。
製作秘話
- 1930年代にヒットしたチャールズ・アダムス著書「アダムスファミリー」が原作。
- 本作は実写映画版よりも原作に忠実なキャラクターデザインとなっている。
- コンラッド・バーノン監督とグレッグ・ティアナン監督は2人とも原作「アダムスファミリー」の大ファン。
- シャーリーズ・セロンは自身が声優を務めたモーティシアについて「冷静で理路整然としてる古風な女なの。ゴメズとモーティシアの関係は憧れるけど現実じゃあり得ないわね」と冗談混じりに語っている。
- 劇中の動く木「イカボド」はホラー映画「ポルターガイスト」に出てくる木へのオマージュ。
アダムス・ファミリーのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 30点
何か個人的に嫌い❗️
↓U-NEXTで「アダムス・ファミリー」シリーズ視聴可能です

本ページの情報は2021年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作