こんにちは、ぽんぽです。最近は「エクスタミネーター」とか80年代のバイオレンス映画にドップリ浸かっておりました。なので「たまにはホラーでも観るかな?どうせなら70年代のホラーに手を出してみようかな?」って気分の所に、急に突如やってくる衝動、、、それは、、、虫です!虫が見たい!年に数回位の頻度で虫の出る映画が観たいって言う謎の欲求が湧いてくるんです、自分w。という訳で、勝手に自分の中で虫縛りの映画探しを開始しまして本作に出会いましたとさw。観るぞ〜虫!。では本作の製作秘話含めた感想(ネタバレ)、紹介していきたいと思います。
目次
「スクワーム 50点(感想ネタバレ)」
作品情報
1977年劇場公開 アメリカ ジャンル:ホラー 監督&脚本 ジェフ・リーバーマン 原作 リチャード・カーティス 出演者 ドン・スカーディノ、パトリシア・ピアシー、R・A・ダウ、ジーン・サリヴァン、ピーター・マクリーン
あらすじ
ジョージア州は田舎町フライクリーフ。前代未聞の集中雷雨に襲われ、陸の孤島と化していた。そして静かに町を虫の大群が侵略していく事態に、、。(映画comより抜粋)
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タイトル「スクワーム」の意味は?
本作のジャンルはアニマルホラーって奴ですね、多分。人間以外の実在する動物や生き物を扱う系のホラーの事をそう呼ぶらしいのですが自分はイマイチ聞いた事ないです(オイオイw)。って事は「ジョーズ」とかもアニマルホラーって言うのか、へぇ〜と思いながらも、ついつい気になるのが映画タイトル「スクワーム」の意味です。 聞き慣れない英語で何だか響きはカッコいい感じで好きなんですが、さてその意味はと言いますと「蠢く、のたうつ、悶える」って意味らしいです。まぁ、何となく、あらすじやポスター観れば言葉の意味は察しが付いていたのですが、まさか、ここまで映画の内容に沿ったピッタリの言葉の意味を持っていたとは!と地味に驚きつつも、何だか楽しくなってくる言葉ですな、スクワームって(バカ)。大いに蠢いて欲しいですし、のたうって欲しいですし、そんな本作を観ながら身悶えしたいゾと思える、ナイスなタイトルで、興奮してきましたゾ(変態w)。
動物愛護団体も真っ青!アニマルホラーの金字塔!
ホラー映画の良作ってオープニングの映像だけでワクワクするんですよね。本作もそのタイプで田舎町を襲う嵐と漏電により地中のゴカイやミミズが活発になり人を襲う!って設定を非常にアッサリと説明してくれるのが心地良いんです。このアッサリした冒頭の語り口が絶妙な塩梅で違和感無く、映画の世界に入り込めてしまう感じからして、もう傑作の匂いがプンプンw。 さて映画タイトル「スクワーム」の意味に相応しい場面が見られるのも魅力の本作ですが、素晴らしいのは劇中で出てくる大量のゴカイやミミズの圧巻の蠢き!しかも、これ全部、本物なんですから、口アングリ(笑)。映像としての気持ち悪さは勿論の事、撮影現場も気持ち悪い現場だったろうなと想像して、本作を作り上げた製作陣のクリエイティブ魂にリスペクトの合掌をしたくなりますw。 更に、その虫達のどアップ映像がヤバいんです。ゴカイやミミズの頭部がどアップになった時の口や触覚が変形しグニャとネチャッとしてるグロテスクさは半端無い!この人間の生理的な直感に訴えかける気持ち悪さが、ホント最高です。意外と下手な作り物の怪物より、現実に生息している生き物の方がエグい醜さを持ち合わせてるのが、何だか生態系の神秘を感じますw。そのエグくて醜いゴカイやミミズの本物を何十万匹も使用して撮影された映像は激ヤバも激ヤバ。死体の内部一杯に蠢き、肉を食い荒らすゴカイとミミズのシーンを筆頭に中々の衝撃的な激ヤバ映像が楽しめます。 そして、この撮影の手法や低予算感を察するに撮影で使用したゴカイやミミズって、、撮影後にどうなったかと言うと、殆ど、いや、かなりの数のゴカイやミミズが死にまくったらしいのです。そりゃそうだよな、普段は地中や地面を這ってる虫達が撮影の合間ずっと、日光に当たっている訳でして、そりゃ死んじゃうでしょ!みたいな。 ジェフ・リーバーマン監督も当時の撮影状況を後に語っていますが「あの時は撮影の為にゴカイとミミズを大量虐殺したよ」と語っている程ですから(笑)。現代だったら動物愛護団体や協会の人間がブチ切れそうな案件ですよね。「虫にも生きる権利がある!虐待だ!」みたい事をマジで言いそうじゃないですか欧米の人って(笑)。実際、ジェフ・リバーマン監督自身も現代では、倫理的にもう実現不可能な撮影手法なのは認めていますしねw。ゴカイやミミズが何十万匹死のうが、スンゴイ映像撮れたらオールOKな監督のクソ倫理観が大好きでマジリスペクトですわ、うむ。 そんな動物愛護団体も真っ青なヤバさがビシビシ伝わってくる本作は正にアニマルホラーの金字塔です。本物の虫をこれだけ大量に使用した映画って意味では今もなお、本作を超えるアニマルホラーって無さそうですよね、多分。
ジェリー役パトリシア・ピアシーはド田舎娘っぽさ全開で魅力的!
さてド田舎で、大量のゴカイとミミズに襲われる事になる不運なヒロインの名前はジェリー。演じる女優パトリシア・ピアシーの素朴なビジュアルも良くて、彼女の地味さと華の無さが田舎娘の雰囲気に合ってるんです。ジェリーの妹もむっちゃ芋っぽいし、母は異様な位に過保護で不気味で、正に閉塞感溢れる田舎のファミリーって感じで、牧歌的なアニマルホラー映画にぴったり。そして近所には大量のゴカイやミミズを養殖している父子がいて、明らかに「お前ら、そのゴカイとミミズで絶対トラブル起こすだろ!」と既に想像がつく怪しさと不気味さにワクワクです。近隣の住民が不気味な設定のホラー、、好きですわw。そんでもって田舎町で唯一頼れる存在の保安官は性格悪くて役に立たないって設定も好きw。ホラー映画に於いて、警察や保安官が役に立たないのはお約束もお約束でこれも好きな設定w。そんでもって、個人的に1番好きなキャラはジェリーと共にゴカイとミミズの大群に襲われる可哀想な彼氏ミックです。何も知らず、ヤバイ田舎町に遊びに来ちゃったメガネ君はパッと見、マヌケそうなんだけど誰よりも早く田舎町の異変に気付く聡明さを見せ、危機を脱する為に奔走する意外に頼もしい奴なんです。ホラー映画の中でもよくありますよね。危機的な状況下では頼りなさそうな奴が実は1番、勇気があって役に立つみたいな、こう言う見かけによらない強さを発揮する奴、大好きです。こんな感じで、ゴカイとミミズに襲われる不運過ぎる登場人物達はどいつもコイツも、しっかり魅力があって、こいつらが悪戦苦闘し、時には死んでいく所を想像するとワクワクとドキドキ、ムラムラ?が止まらないんですよね(変態w)
ゴカイ人間ロジャーは残酷描写が物足りない!
本作はゴカイとミミズの大群に襲われるのが基本なんですが困った事に人間同士でもイザコザがあるんですよね。あ〜楽しい楽しいw。ジェリーに思いを寄せるゴカイ&ミミズ養殖場の息子ロジャーっていう不気味な奴でナイスキャラな奴がいるんです。そいつは湖でゴカイに襲われ顔を喰われた後、死なずに何と、ゴカイ人間になってしまう超展開!顔をゴカイが這うゴカイ人間ロジャーはしつこく、ジェリーを付け狙う様になるから始末に負えないw。嵐による停電、大量のゴカイ&ミミズ、ゴカイ人間ロジャーという苦難のトリプルパンチがジェリーと彼氏ミックを襲う様子が楽しいったらありゃしないのですw。 ただ不満かつ問題点もあるんです。それは大量のゴカイ&ミミズやゴカイ人間ロジャーなど、映像のインパクトやビジュアルは抜群なんですが結局の所、人が死ぬ残酷シーンが足りない問題です。ゴカイやミミズが住人を喰い殺す場面は殆ど無いですし、保安官が喰い殺される所も悲鳴だけで直接的に死ぬ残酷描写が無いのが、スプラッター好きの自分としては物足りなかったです。 勿論、人が死ぬ残酷シーンの撮影が出来ない位の低予算で作られた映画だから、しょうがない所もあるのですが出来るなら、もっとゴカイやミミズに喰い殺されるエグエグ描写がもっともっと欲しかったゾ〜ですw。
トラウマ級の気持ち悪さが嘘の様に感じる静かな結末!
ラストは盛り盛りの出血大サービスとも言える、ゴカイ&ミミズの大群がドッサリとジェリーの家を覆い尽くします。まさにグロ好きならば狂気乱舞したくなる展開に。音も無く家に侵入してくるゴカイやミミズ共、、この音も無く、「何でそんな所にいるんだよ!」と言いたくなる神出鬼没っぷりは虫の特徴ですよね。自分の家でも急に目の前にゴキブリが現れたり、蜘蛛が気付かない内に壁を這ってたりしてビビる事ありますしw。気付かない内に忍び寄ってくる感じ、これがリアルな虫の気持ち悪さってヤツですな、うむ。なんてったって、ジェリーの家に静かに侵入してくるゴカイやミミズがキモくてウキウキです(どっちやねんw)。特にジェリーの妹がドアを開けたら大量のゴカイ&ミミズがドサっと降りかかってくるシーンはトラウマ級のど迫力なキモさ!もう、ここまで来ると、そのトラウマ級の気持ち悪さすら美しいって言いますか(笑)。 ただしラスト辺りは雑な部分も目立ってきます。まずゴカイ人間ロジャーがジェリーを襲い、彼氏のミックと取っ組み合いになる場面がかなりテキトーでアッサリしているのが不満です。特にゴカイ人間ロジャーの死に方も虫の大群に呑み込まれて静かに死んでいく様子が拍子抜けで、もっと派手にゴカイ共に食い散らかされて死んで欲しかったなと思ってしまう酷い奴です、自分(笑)。 それとジェリーの母親もあれだけ不気味で何かありそうなキャラだったのに、特に何も無く虫の大群に殺されてしまうのも、何だか期待外れな死に方でした。 あとゴカイやミミズの大群の弱点となるのが日の光や炎なのですが、炎でゴカイやミミズを焼き殺すシーンとかあったら良かったなぁ。本作は撮影の為に本物のゴカイやミミズを何十万匹も殺してしまっているトンデモな倫理観を持っている製作陣なんですから、どうせならゴカイ&ミミズを焼き殺す様子も本物の映像で観たかったなぁっていうサイテーな望みを持っています、神様、ごめんなさい(サイテーな奴w)。 さてさて、そんでもって、ジェリーと彼氏ミックの奮闘の甲斐あって、夜明けと共に大量のゴカイやミミズは姿を消し、町の停電も復旧して何事もなかった様な静かな朝を迎える2人でしたって終わり方。 「な、何て静かで牧歌的で平穏な終わり方なんじゃい!」と一瞬ポカンとしてしまう結末ですが、本作の様に謎は謎のまま、怪奇現象は怪奇なままで終わらせる感じって、何だか70年代ホラー映画らしいですよね。「あの大量のゴカイやミミズ共は何処へ?」と、まるで一晩の恐ろしい体験が嘘の様に感じるサッパり爽やかな朝の日差しの風景で終わる結末ですが、自分は好きですね、こういう爽やか結末(笑)。
総評
低予算ゆえ、虫に人が食い殺されるスプラッター描写が少な目で物足りない所もありますが、何十万匹もの本物のゴカイやミミズが使用されて映像は最高にグロくて楽しいので、オールOK!とも言える作品となっております。動物愛護の観点からすると、ギリギリアウトとも言える衝撃映像にメロメロw。 ジェフ・リーバーマンのブッ飛んだ倫理観にはリスペクトしか感じない、正にアニマルホラーの限界に挑戦している超意欲作として堪能出来ました。本作って普通に今観ても全く見劣りしないのがマジで凄いんですよね。いやぁ、良いモノ観ました〜。
製作秘話
- 劇中で実際の虫が活発に動くシーンでは実際の虫に電気を流して撮影した。ワイヤー格子に載せた虫に電気を流した結果、大量の虫が焼け死ぬ撮影現場となった。ジェフ・リーバーマン監督曰く「当時は可能だった撮影手法だけど今は動物愛護の問題で不可能な撮影手法だろうね」と後に語っている。
- 終盤、ジェリーの家を埋め尽くす大量のゴカイのシーンでは、このワンショットの為だけに実際に何十万匹ものゴカイを用い撮影された。監督曰く「この大量のゴカイの映像は出来る事なら、ぜひ白黒で観て欲しい。より凄い映像になるんだ。」と語っている。
- ミック役のドン・スカーディノが着ているシャツはKマートで購入した物。
- ロジャー役R・A・ダウの顔にゴカイが食い付く場面では彼専用のマスクやメイクの下準備が必要だった為、本作の配役では、ロジャー役にR・A・ダウを起用する事が真っ先に決まっていた。
- ジェフ・リーバーマン監督曰く「予算が少なく撮り直しが出来ないので、ロジャーの顔にゴカイが食い付く場面の撮影はとても緊張した。もっと予算があれば他の住人の顔にもゴカイを食いつかせる場面を撮りたかった」と語っている。
- 本作では登場人物達をローアングルで撮る場面が多く、監督によると、それは地面を這うゴカイの視点を意識しているとの事。
- 嵐のシーンでは予算が無かった事から撮影はせず、既存の嵐の映像を収めた資料映像を使用している。
- 嵐で鉄塔が倒れるシーンでは予算の都合が合わず、撮影はせずに他作品である「オーシャンと十一人の仲間」の映像をワーナーから購入した。それなので鉄塔が倒れるシーンのみ「オーシャンと十人の仲間」の映像が使用されている。
- ゴカイの特徴的な鳴き声は豚の鳴き声を使用している。
- 当初ジェリー役はキム・ベイシンガーが演じる予定だったが、彼女の容姿だとゴカイ養殖場の隣に住んでいる感じがしないとの理由で起用しなかったと後に監督が語っている。
- ロジャー役は当初、シルヴェスタ・スタローンが演じる予定だった。
スクワームのオススメ度は?面白いのか?
オススメ度 50点
個人的に超好き❗️
オススメ度とは?
0〜20点・・・サイテー激ヤバ作
30〜40点・・・何か個人的に嫌い
50〜60点・・・個人的に超好き
70〜80点・・・万人に勧める良作
90〜100点・・・最高な超傑作